歴史「タプソスの戦い」が前半に描かれています。
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#9 凌辱 Utica あらすじ
北アフリカでのタプソスの戦いに勝利し、2年ぶりにローマに帰還した英雄カエサルは、意外にも共和政を復活させるために動きだす。
一方、兵役を終えたヴォレヌスとプッロは家族と再会、ニオベとリュデの肉屋を手伝うが、市場を牛耳るエラステスの手下に傷めつけらている市民を助ける。だが、そのせいでエラステスの怒りを買うことに。
一方セルウィリアは、オクタヴィアの話しから、憎むべきカエサルが何かの病気を抱えていると知ると、弟オクタヴィウスから非道な方法を使ってでも聞き出して欲しいと言い出す。
相関図
まとめ
タプソスの戦い
北アフリカでのカエサル軍と元老院(カトー、スキピオ)とヌミディア連合軍との戦いのこと
カトー、スキピオはヌミディアとの連合軍を結成、カエサル軍より上回る軍勢で戦ったが、戦象は足を狙われ、倒れ、多くの兵士が戦死、カトーとスキピオは弱った軍隊を率いてウティカへと移動する。
しかしウティカもカエサルに包囲されてしまう。
カトーはスキピオにカエサルへの降伏を促すが、「運命を共にする」とスキピオ。しかしカトーはその夜、割腹自殺してしまう。スキピオはカトーを荼毘に付したのち、自らも死を選んだ。
ローマへの凱旋
カエサルは、ギリシャ、北アフリカでの2年に及ぶ戦いを終え、ローマへと戻った。
ローマの町はカエサルの帰還を祝い盛り上がる。
ヴォレヌスとプッロも兵士としての任務を終え、家族の元へと戻った。
ニオベは妹リュデと肉屋をはじめたが、その商売は順調で、奴隷を4人雇っていた。
奴隷のエイレネと久々の再会をしたプッロは、エイレネに腕輪のプレゼントをする。
カエサルの帰還を祝う宴
カエサルの帰還を祝いアティア邸で宴が開かれることになった。
ブルートゥスは、「カエサルは私に慈悲をかけ、官職を与えてくれた。招待を光栄だと思って出席しなければ」と言うが、「はじめから慈悲など請うべきではなかった」と息子を批判するセルウィリア。
ブルートゥスは、「誇らしいと思っていません。だが自ら命を断てない以上、それしかなかった。母上は欠席なされば良い」と言うが、セルウィリアは、「弱いと思われたくない」と出席することに。
セルウィリアとカエサルはあの酷い終わり方をした夜以来の再会だった。
宴の席でカエサルは、”共和国再建”について皆の意見を聞く。
カエサルから意見を求められたオクタヴィウスは、
1,市民、解放奴隷を雇い公共事業を始める。(水道橋や堤防の整備など)
2,元老院議員を増やし、隠れた敵を圧倒できる味方を確保する
と発言、カエサルはオクタヴィウスを、大神官に抜擢すると言う。
エラステスとの諍い
きっかけ
除隊して1ヶ月、ヴォレヌスとプッロはニオベとリュデの肉屋を手伝いはじめた。
そんな中、市場で争い事が起こる。
荒っぽい方法で借金を取り立てる男ふたりをヴォレヌスとプッロが止めに入るが、その男たちは今やローマの町を牛耳るエラステス・フルメンの手下たちだった。
男ふたりは、「必ずお前らふたりを殺す」と凄むと立ち去るが、ニオベとリュデは、「仕返しされる」と怯える。
エラステスの脅迫
ニオベとリュデが恐れていたとおり、ヤクザまがいのエラステスが手下を連れヴォレヌス宅へと殴り込んできた。
エラステスは手下を殴ったことを謝罪しろと要求するが、応じないヴォレヌスに、「私を2度も侮辱した。次の市の日の正午、中央広場でひざまずき、私の足に口づけし謝罪しろ。従わなければ殺す。だがその前に女房と娘を犯してから家も燃やす」と宣言する。
思わぬ展開
約束の日、エラステスの要求を受ける気など毛頭ない夫を理解しているニオベは、リュデと子どもたちを田舎に疎開させる。ヴォレヌスはニオベにも避難するよう言うが、ニオベは残ることを選択した。
ヴォレヌスとプッロはエラステスらの襲撃に備え、武器を揃え準備する。
中央広場では、約束の時間になっても現れないヴォレヌスにエラステスは手下を連れ、ヴォレヌス家へと向かう。
だが、エラステスの襲撃を待ち構えるヴォレヌスの前に現れたのは、カエサル執政官だった。
「”下アヴェンティスヌスの政務官”に立候補しないか。私が推す」とカエサル。
光栄に余る申し出にも関わらず、ヴォレヌスは迷うことなく、「政策に賛同しかねます。信念を貫きたい。辞退させて欲しい」と言う。しかしカエサルは、「私は暴君ではない、合法的な独裁官だ。権力を市民、元老院に返し、共和政ローマを取り戻したい。力を貸して欲しい」と言う。
共和政こそ自分が求めるものとヴォレヌスは申し出を受ける。
カエサルは市民にヴォレヌスが政務官として加わると発表、歓声と拍手は巻き起こる。
プッロもヴォレヌスの出世をよろこびながらも、遠い存在になっていくことに淋しさを感じるのだった。
ヴォレヌスを殺害するつもりでやって来たエラステスたちは、ヴォレヌス宅を守る兵士を前に何もできず去って行った。
孤独
ひとり取り残された気持ちになったプッロはその夜深酒をすると、真夜中にエイレネを呼び起こし、一緒に飲もうと酒を進め、母への慕情、父への怒りをぶつけ、エイレネを抱く。(エイレネは成すがまま)
セルウィリアの怨恨
セルウィリアの企て
宴の数日後、オクタヴィアはセルウィリア宅で機織りを楽しむ。
オクタヴィアは、「カエサルは弟オクタヴィウスを高く評価している」と言うセルウィリアに、「一度貯蔵庫に伯父上と弟がふたりでいるところを女中が見たので、母は弟をカエサルの愛人だと思っていますが、弟は伯父上が病気だったと否定しています」と話すが、その途端、「どんな病気か探って欲しい。その秘密がわかればカエサルを破滅させられる」と言い出すセルウィリア。
その剣幕にオクタヴィアは、「カエサルの破滅など考えてはいけない」と忠告するが、セルウィリアは、「私は今でも苦しんでいる。助けて欲しい。あなたの身体を使って弟から聞き出すのです」と非道な提案をする。
オクタヴィアは、「私の家族に裏切り行為などできない」と言うが、セルウィリアは、「あなたの家族などヘビ同然」と言い切る。
セルウィリアは、「できません」と出ていこうとするオクタヴィアに、「教えましょう、あなたの夫グラヴィウスを殺したのがアティアです」と暴露、母への怒りと恨みを利用してオクタヴィアを動かす。
オクタヴィアからベッドに誘われたオクタヴィウスは、「できません」と拒否するが、「男なら欲しいものは手に入れなさい」とキスされ、迷った末、関係を持ってしまう。
ことが終わったあと、「お願いがある」と言うオクタヴィアに、「見返りですか。貞淑な姉上が弟と関係を持った理由はそれですね。目的は伯父上の病気について聞き出すことですね」とオクタヴィウス。
弟に見透かされたオクタヴィアは、我に返り、「なんてことをしてしまったの・・・お母様には言わないで」と取り乱し泣き出すオクタヴィア。
だがその一部始終をアティアの奴隷が見ていた。
母アティアの怒り
ムチを持ち出しオクタヴィアを責める母をオクタヴィウスは止めるが、頬を打たれてしまう。
「近親相姦なんて汚らわしい」と怒る母にオクタヴィアは、「母上がグラヴィウス(夫)を殺したからです」と言うが、アティアは、「神に誓って殺していない。あなたはセルウィリアに騙されたのです。彼女は私たちを引き裂くつもりなのです」と謀る(嘘を信じさせる)。
凌辱
町を臥輿(がよ=みこし)で移動していたセルウィリアが集団に襲われた。
奴隷は全員殺され、セルウィリアは民衆の前で髪を切られ、服を破かれた。
感想
最後のシーンでセルウィリアが襲われましたが、アティアの仕業ですよね?
大人の対応を見せる分別のあるセルウィリアですが、やっぱりカエサルとアティアへの恨みは深い様子。
まぁ呪いをかけたほどですもんね。
あれだけの呪いをかけてもカエサルもアティアも割と順調ですから、呪いなんて効果はないのか?とここまでは思いますが。
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