主な登場人物
キャスト名 | 説明 |
---|---|
エドムンド・リード | 警視庁警部補 |
ベネット・ドレイク | 部長刑事 |
ホーマー・ジャクソン | 大尉 アメリカ人軍医 |
ロング・スーザン | 売春宿の女主人 |
ドナルド・アーサトン | 巡査長 |
アルベルト・フライト | 新人刑事 |
フレッド・ベスト | スター紙の記者 |
エミリー・リード | リード警部の妻 |
フレッド・アバーライン | 元警部長 |
ベラ・ドレイク | ベネット・ドレイクの妻 |
ローズ・アースキン | 元娼婦 現在、演劇場でウェイトレス 女優を目指している |
フレデリック・トリーブス | ロンドン病院の外科医 |
ダガン | スーザンの店のオーナー |
ジェーン・コブデン | 女性初の議員 |
レイン・ソーネル |
#3 Become Man
ウォルター・デ・スーザ議員が音楽ホールで観劇中、何者かによって誘拐され、対抗馬であるジェーン・コブデン議員に誘拐容疑がかけられる。
しかし誘拐事件は、更に2件続き、スーザンの娼婦宿でも事件が起き、スーザンまでが誘拐されてしまった。
リードとドレイクは、3件の誘拐は女一味のグループ犯行では?と推測し捜査を開始する。
まとめ
音楽ホールで事件が発生
スーザンとジャクソンは、ローズがウェイトレスをする音楽ホールで、ミュージカルを楽しんでいた。
ローズは女優を目指し、このホールで働いていた。
客の中には、音楽ホールに反対するウォルター・デ・スーザ議員も友人と鑑賞していた。
ミュージカルは、世相を反映して「切り裂きジャック事件」が演じられており、演出でホールが暗転、灯りが点いた時、デ・スーザが忽然と居なくなってしまった。
現場検証
リードとドレイクが捜査にやってきた。
ドレイクはローズを見て驚く。
暗転した時間は15秒ほど。居なくなったのは、デ・スーザだけではなく、ウェイトレスのエティ・リーもいなくなっていた。
ジャクソンは、血痕が外まで続いていることを見つける。
そこには荷馬車の轍の跡があり、その悪臭から、人肥運搬車を使用したようだった。
リードはフライトに、この地区担当の人肥運搬人を見つけるよう指示。
ジャクソンは見張りが吸っていたと思われるタバコの吸い殻を持ち帰る
捜査
分析の結果、タバコには鎮痛作用があり、女性向けに発売された「ジョイ印のタバコ」だとわかる。
また、人肥運搬人アーウィンの証言から、おとつい女性の賊に襲撃され盗まれた荷車が使われたことがわかった。
同じ頃、署にやってきた記者ベストは、リードがよろこぶネタがあると言う。
それは2時間前に届いたデ・スーザからの手紙を記事にした新聞だった。
「誘拐されたデ・スーザ氏からの手紙。私は出馬をやめ、コブデンとの裁判も放棄する」とあった
スーザンの苦悩と決断
スーザンとジャクソンの関係はギクシャクしたままだった。
スーザンは、「あなたの稼ぎじゃどん底から抜け出せない」と言うが、ジャクソンは、「ダガンの法外な家賃に同意したのはキミだぞ」と言われてしまう。
翌朝、スーザンはダガンを訪ね、娼婦宿の事業を買い取って欲しいと言う。
「すでに私のだ」と言うダガンに、「土地、建物はあなたのものだけど、娼婦宿のビジネスは私のものよ。それを買い取って。私と夫が引っ越せるだけの資金をくれればそれでいい。もう私を自由にして」とスーザンは交渉するが、「簡単に自由になれる方法を知ってるだろ?さっさと私のものになれ。娼婦宿を経営してるのに、自分の身体売らない。それじゃ偽善者だ」と言うのだった。
捜査
署にやって来たコブデン議員
コブデンは、デ・スーザ誘拐の容疑者にされてると聞き、アリバイがあると言うが、rリードは疑っているのはコブデンの支持者だと言い、「エティ・リーを知っていますか?」と聞くが、コブデンはエティを知らなかった。
コブデンは、「誘拐などしたら失脚する。裁判もカレが戻らなければ争わずして敗訴する。投票で決着をつけたい」と言う。
コブデンの支持者は、労働者か、職を奪われた女性だと言う。正当な理由なく解雇されたり、雇用主に搾取されたり、性的嫌がらせをされた女性など虐げられた女性がたくさんいると言う。
リードはその彼女らが結束したのでは?と言い、コブデン支持者のリストを見せて欲しいと言う。
第2の事件
スーザンの娼婦宿で
新人のアイダは大人気で、今夜もアイダを買う男が。
その男は、ローズとベラを贔屓にしていた男だった。
その時、スーザンの部屋からガラスが割れる音がした。
部屋には石が投げ込まれ、窓が割れていた。
しかしスーザンがそれに気を取られているうちに、2人組が娼婦宿に侵入した。
スーザンはチャリティにガラスを掃除するよう頼み、玄関に出ると、客と部屋にいるハズのアイダが、ロープを持っていた。
スーザンがロープを見たことに気づいたアイダは、「カレの趣味に応えるべきかと・・」と言う。
「私の店で好き勝手はさせない」スーザンはそう言って、阻止するためにアイダの部屋と向かう。
ドアを開けたスーザンが見たのは、ベッドで額から血を流して意識を失っている客と、その横に立つ女だった。
「誰なの?」スーザンが言った瞬間、後ろから頭を殴られ、スーザンは意識を失ってしまう。
スーザンの部屋を掃除していたチャリティは窓からスーザンと客の男が連れ去られるところを見てしまう
捜査
リードとドレイク、ジャクソンは娼婦宿で捜査をする。
ジャクソンはスーザンがいないことで動揺を隠せない。
リードはチャリティから以下を聞く
・連れ去られた客の相手をしていたのは、アイダ
・客とスーザンは荷車に乗せられた
・アイダはその荷車の側を歩いて行ってしまった
・客の名前は不明だが、元々ローズとベラを贔屓にしていた客
リードはかく乱したあとの誘拐する手口がデ・スーザのケースと似ている、目的は男の誘拐だろうと推測する。
捜査に協力するローズとドレイク夫人
客の持ち物から、ローズとドレイク夫人は相手を特定していく。
結果、弁護士のトーマス・イーライではないかとわかる
3件目の誘拐事件
フライトは、C管区署内で2週間前に製靴工場長カリントンが買物をしていた店で起きたボヤ騒ぎの最中に、女子店員1名と共に誘拐された。カリントンの前職はマッチ工場長だったが、ストライキのあとに辞職していたと報告する。
リードは、カリントンがマッチ工場長だった時、劣悪な環境だった女工たちがストライキを起こしたが、それをコブデンは支援していたことを思い出し、新聞記事を探すー。
<女工の中には、リンが骨に溜まり壊死し、そこに溜まった膿瘍によって脳炎となり死に至る顎骨壊死を起こす女工がいる>
ドレイクは、「ジョイ印のタバコ」は痛み止めで吸われていたのでは?と推測する。
労働条件の改善を前提にストは中止に至ったが、改善は微々たるものだったにも関わらず、カリントンはその苦情を無視し、弁護士イーライに法的文書 ”リンのよる被害はウソ”との書類を作成させ、署名するよう女工たちに強要したのだった。
リードはマッチ工場へ行き、和解を拒否した女工リストを手に入れるよう指示した。
連れ去られたスーザンは・・
首謀者レイン
意識を取りもどしたスーザンの目の前にいたのは、レイン、マグス、そしてアイダの3人だった。
レインはスーザンの拘束を解き、「説明する」と言うが、スーザンは暴れて逃げようとする。
マグスはスーザンを取り押さえ、レインは、「あなたは味方のはず。イーライのような客は必要ない」と言う。
マグスはマスクの下の顔をスーザンに見せた。顎関節が溶け、口腔内が丸見えの状態を見て、視線を逸らしたスーザンにレインは、「イーライのせいよ。カレがやったも同然なの」と言う。
レインの目的
レインは屋敷に大勢の女性や子どもを住まわせ、女性の生活を向上させようとしていると言う。
しかしスーザンは明らかな盗品である宝石を見て、「盗みをさせることが良い生活だと言えるの?」と指摘する。
それでもレインは、「彼女たちを奴隷生活や病気から解放し、住居と教育を与えている。あなたは、自由で独立した女だと思っているかも知れないが、男に快楽を提供することで自由を得ているだけ。稼ぎも男に搾取されてる」とスーザンの痛いところを突いた。
何も言い返せなくなったスーザンにレインは、肩口の傷を手当てしてもらう。
そして、「今は亡き妹と、この屋敷を築き上げた。私がリーダー。彼女たちに弱さを見せることはできない」と言う。
レインの背中には無数のケガ跡があり、すべて男にやられたのだった。
女性たちを守ろうとするレインの気持ちが理解できるスーザンが、「捕らえた男たちに復讐をしても、あなたが妹と築き上げたものが無になるだけよ」と言った途端、レインは激しく怒り、「あんたに妹の何がわかるの?私やここでの暮らしの何が分かる?女たちを売って稼いでるくせに!これ以上の侮辱は許せない」とスーザンの首を締め上げるのだった。
スーザンが簡単に仲間にならないと理解したレインは、「別の形で利用する」と言って地下室へ連れて行く。
そこには、誘拐された3人の男が(デ・スーザ議員、トーマス・イーライ、ヘンリー・カリントン)が拘束されていた。
レインはスーザンが止めるのも聞かず、デ・スーザらの指を斬り落とし、スーザンに目隠しをした。
捜査
女性活動家を追う
リードはロンドン議会にいるコブデンの元へ行き、マッチ工場で署名をしなかった女工のリストから知っている者がいるか聞く。
コブデンは、”アグネス・ソーネル”が来たことがあるが、アグネスは顎関節壊死で亡くなったと言う。
アグネスが、もうひとりの活動家と一緒に来たと聞いたリードは、それがアグネスの姉、レイン・ソーネルでは?と推測する。
使いに使われたスーザン
痛め付けられたスーザンが署に来て、「警部補に伝言が・・」と言ってカバンを渡す。
カバンの中からは、3本のひとさし指が・・・
メモには、「500ギールをバッグに詰め、スーザンに持たせ、明日4時、指定の場所まで持って来い。身代金が届かなければ、カリントン、デ・スーザ、イーライは死ぬ」と書かれていた。
「一味の隠れ家はどこだ?」とリードはスーザンに聞くが、目隠しをされていて場所は分からないと言う。
作戦
リードは身代金を渡す芝居を討つためスーザンに協力を頼むが、ジャクソンは反対する。
しかしスーザンは、「男たちが無事に返れば、彼女たちを死刑にはしない」と言うリードの言葉を聞き、レインたちを助けるために協力することを決める。
警察が張り込む中、スーザンが受け渡し場所へ行くと、頭から黒い布を被った女が近づいて来た。
「レイン、考え直した方がいい。捕まるわ。誘拐は犯罪よ。女の子たちも共犯になる。死刑にさせたくない」スーザンは説得するが、忠告など耳に入らないレインはバッグを受取り、その場を離れた。
それを追うジャクソン。
すると、同じ服装に同じカバンを持ったもうひとりの女性は現れる。
ドレイクが追う。
そしてまたひとり、同じ格好をした女性が現れ、今度はリードが追った。
しかし、それは全部おとりだった。
逮捕するために
「妻に何かあったら、お前を許さん!」怒り狂うジャクソンに、「ふたりは敵対していない。隠れ家を捜すことが先決だ!」とリード。
署にはコブデン議員が来ていて、「レインの家は、”聖ハクニー教会”がある地区だと思う」と言う。
リードらはその情報からハクニー湿地と推理。
フライトがアーウィンの荷車を発見したこと場所を隠れ家と断定し、向かう。
スーザンの行動
スーザンは最後に出て来たレインを自ら追う。
レインは追って来たスーザンに、「刑事を呼ばなかったのね」と言う。
スーザンは、「あなたたちを助けたい。私も男に支配された人生だと分かったからよ。警部補の命令でここに来て、夫の世話を焼き、オーナーのダガンには借金がある。ダガンは私が身を任せれば借金を帳消しにすると言う。あなたにはじめて話した」スーザンは胸の内をレインに打ち明けた。
スーザンの気持ちが理解できるレインは、「何があろうとそのケダモノの要求に応じないと誓って。1度応じれば、元のあなたには戻れない」と言う。
屋敷に戻って
500ギールを手に入れたレインは、娘たちと共に移動を決める。
スーザンも一緒に行くつもりだった。
しかしレインの姿がないことに気づいたスーザンが地下室へ行くと、「妹の仇を討つ」と言って3人の男に油をかけていた。
「殺す気?死刑になってしまう」スーザンは止めるが、「構わない。妹も死んだ」と言ってレインはマッチを擦る。
その時、警察が屋敷に来て、扉を壊しはじめた。
その音にレインが驚いた隙に、マッチの火を吹き消したスーザン。
それに怒ったレインは、「裏切る気?」と言うが、スーザンは、「自分を大切にして。これじゃ自由にはなれない。あなたを傷つけた男の暴力と同じよ!」と必死で止める。
「止めて!奴らと一緒にしないで。撤回して!私は奴らと一緒じゃない!」レインはそう叫ぶと、スーザンに暴力を振るい馬乗りになる。
それでもスーザンは必死に言う、「彼らを解放して。殺したら死刑になる。縄を切って」と。
スーザンの気持ちが伝わったレインが縄を切るため短剣を握った瞬間、・・・銃声が!
ジャクソンがスーザンを助けるためにレインを撃ったのだった。
ジャクソンはスーザンに走り寄るが、スーザンは「触らないで」言って、「レイン、レイン」と泣きながら名前を呼び続けた・・・
解決して
デ・スーザ、イーライ、カリントンは無事解放され、屋敷にいた女性たちは馬車に乗せられた。
リードは、彼女たちの罪を問わないよう上に提言すると言う。
スーザンがレインと行動を共にしたのは、レインの娘たちに対する思いが分かったからだと言う。
「人生は思うようにはいかないものね。他人のために善い行いをする者が罰せられる」スーザンはそういうのだった。
その後スーザンは、ローズの後援者になることを決めた。
感謝を伝えるローズにスーザンは、「男の幸せのためじゃなく、自分の幸せのために生きて」と言う。
ジャクソンはレインを撃ったのは、彼女の意図が分からず、スーザンを救いたかったからだと伝えるが、スーザンは、「そっとしておいて」と言うのだった。
感想
女性が男性に虐げられている時代の話です。
すべての男が女性に尊敬を抱いてなかったとは言いませんが、ツラい思いをし、この現代でも教育さえも受けられない国があるワケですからね。
女性が戦ってきた歴史を見たような気がしました。
ジャクソンとスーザンはどうなるのかな?
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