Netflixリミテッドシリーズ。最終話です。
#7 最終話
過去をカミングアウトしたドニーは、世間の注目を浴びるが・・・。
ドニーとマーサの最終章。
まとめ
思わぬ反響
コメディ大会のステージ上で自分のツラい過去を吐露したドニー。
その様子は隠し撮りした観客によってYouTubeにアップされ、大きな反響に。ドニーにポットキャスト、ラジオ、TVショーと次々仕事が舞い込みはじめる。ドニーのキャリアは突如として花開いた。
これまで誰にも性加害を話すことができず、バレることを恐れ生きてきたが、それを乗り越える方法は、”自分に正直になること”だったとはじめて知ったドニー。
忙しい日々を過ごすドニーは、マーサからメールがないことに気づいていなかった。
知られた電話番号
その電話は突然だった。「あんたが性被害者だって知らないご両親に言ってやる!それぐらい酷いことをあんたは私にやったんだ」と捲し立てるマーサ。あろうことかマーサに電話番号を知られてしまったのだ。
ドニーは思った。(マーサより先に両親に自分の口でカミングアウトしなければ)と。
両親へのカミングアウト
ドニーは両親にバイセクシュアルであること、それに苦しみ続けていたこと、そして男にレイプされた過去をカミングアウトし、「すごく恥ずかしかった。知られたくなかった。父さんたちをガッカリさせたくなかった。ボクは弱いんだ、だからあんな目に遭ったんだ」と告白する。すると父親は、「私を弱い男だと思うか?」と。
なんと父親も同じ性被害の経験者だったのだ(教会の神父から性被害を受けたらしい)
その夜、久しぶりにぐっすり眠れたドニーはケータイ電話をOFFし、テリー、マーサ、そしてダリアンのこともすべて両親に話した。両親はそのすべてを受け入れドニーに寄り添った。
両親と穏やかな日常を過ごすうちにドニーの気持ちは安らぎ、数日を過ごした。
現実
だがロンドンに戻り、ケータイ電話をONにした途端、非通知の電話から実に50件を超える留守録が。
すべてマーサの録音だった。
ドニーは警察に再び被害を訴えるが、「非通知設定では相手が特定できない」などと取り合おうとしない。
それでも食い下がるドニーに警官は、「これはオフレコですが、すべての留守録を聞いて検察に送る証拠を捜してみては?」と提案する。
それから数ヶ月、ドニーはマーサの留守録を聞き続けた。まるでポッドキャストを聴くように。
そのうちドニーはマーサの留守録をダウンロードし、感情や話題で分類、フォルダ分け作業をはじめてしまう。
そして取り憑かれ、仕事もショーも取材もすべて断り、ただマーサの謎を解くためだけに時間を費やすことに。
そしてマーサに共感しはじめ、警察に証拠を提出することさえしなくなってしまった。
それでもドニーがマーサを通報したのは、家族を再び脅し始めたからだった。
逮捕されたマーサ
マーサは逮捕され、ドニーへのイヤがらせ、ストーカー、そしてドニーの両親への嫌がらせのすべて認め、9ヶ月の懲役と5年間の接近禁止令を受けた。
判決が言い渡される間マーサはずっと、「トナカイちゃん、トナカイちゃん」と泣き続けた。
取り憑かれたように
マーサが逮捕され、安堵するはずだったが、ドニーは何週間も部屋に引きこもり続けた。
ドニーの様子を聞いた様子を見に来たキーリーは、部屋中にマーサの資料を貼り付けた部屋を見て驚く。
「判決は出たでしょ?」と聴くキーリーに、「あぁ何週間もかけて整理してるけど、全然終わらない」とドニー。
ドニーは警察に通報するために録音し続けた留守録をマーサの感情ごとにフォルダー分けしていた。
キーリーは、「こんな状態で放っておけない。動画を見て愕然とした」と言い、母リズ宅に居候するべきだと勧める。ドニーはキーリーの申し出を受けることに。
リズはドニーを歓迎、クローゼットの中を見るよう言う。そこにはリズの息子の防寒着と箱が。
箱の中には、ドニーが書いた”ハングマン・ハリー”の脚本が入っていた。
脚本にはところどころ赤ペンでチェックが入れられており、最後のページには、「素晴らしい出来た。キミは売れる」とダリアンのメッセージが。
ダリアンを訪ねる
ドニーはダリアンの自宅を訪ねる。
ダリアンはドニーの突然の訪問にもさほど驚くことなく、ドニーを招き入れる。そこは”あの頃のまま”だった。
出されたお茶を飲みながら、どうでも良い雑談をするドニーの話しを聞いていたダリアンは、突然ドニーに、「何してた?」と聴く。「まぁいろいろと。突然消えてごめん」と言ってしまうドニー。
するとダリアンは、「動画を見たよ、キミは勇敢だ、本当に。また一緒に脚本を書かないか?今度は前とはちがう。ギャラも出る」と言い出す。その言葉にドニーは、「いい話だ」と答えるのが精一杯だった。
ダリアンの部屋を出たドニーは混乱し、崩れ落ちる。
その動揺と混乱を鎮めるためかドニーはipotを取り出すと、ポッドキャストを聞くかのようにマーサが自分を褒める留守番電話を聞き始める・・・。
「トナカイちゃんには赤色が似合う、とか、顎のラインも笑顔も素敵で魅力的、とか、あなたが好き」と言うマーサの留守番を聞きながら歩き続けるドニーは、時折笑顔さえ見せる・・・・
このまま居候宅に戻る気になれずパブへと入ったドニーは、酒をオーダーすると”未聴分”のファイルを聞きはじめるー。その留守録には、子どもの頃、両親仲が悪かったマーサの唯一の味方は”トナカイのぬいぐるみ”で、ドニーがそのトナカイのぬいぐるみに似ている。だからあなたがすごく大切なのだと泣きながら話す本心が録音されていた。その言葉を聞き涙を流すドニー。
しかし酒代を払おうとして財布を忘れたことに気づいたドニー。
するとバーテンダーは、「いいよ、おごりだ」と。
それは、自分とマーサとの出会いと同じシチュエーションだったー。(完)
感想
マーサが逮捕されてもドニーは、2年半も翻弄された日々を白紙にはできず、心の平穏さえも得られなかったと言うことなのかな、これって。
と言うか、ドニーはマーサがドニーの両親を再び脅迫しはじめたから通報したのであって、それがなければ今でも共感を感じていたのかも。
それにダリアンを訪ねたことも理解できない。
ダリアンの謝罪してほしくて行ったのかな?でもダリアンは謝るどころか、「また一緒に仕事をやろう」と言い出したし・・・。
なんかこういう人の感情って複雑なだと思う。
先日、ドラマで描かれているストーカーの女性がNetflixとドラマクリエイターを相手に名誉毀損で訴訟を起こそうとしてるってニュースがあったけど、それもほんとうに不思議だな。
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