マーガレット王女の最期のエピソード
#7 リッツ Ritz あらすじ
脳卒中を起こしたマーガレットは終戦の1945年、姉エリザベスと過ごしたリッツの夜を思い出す。それはマーガレットにとって決して忘れられない夜だった。回復に向かっていたマーガレットは2度目の発作のあと、死期を悟り、70才の誕生日を思い出のリッツで開きたいと言う。思い出のリッツの夜とは・・。
相関図
まとめ
マーガレット王女を襲った脳卒中
脳卒中発作
マーガレットは一番お気に入りの場所、マステック島で楽しい休暇を過ごすが、そこで脳卒中を起こしてしまう。

マーガレットは救急ヘリでバルバドスの病院へと搬送されるが軽症だったため、ロンドンに戻り精密検査を受けることに。
医師の指示
精密検査の結果、軽い脳卒中と診断した医師は、薬の投与と生活習慣の見直しを指示。それによりマーガレットは大好きなタバコ、お酒、スイーツを禁止され、リハビリもすることに。
だが病気を軽く考えているマーガレットは、隠れてタバコを吸う始末。

ニ度目の発作
すっかり回復したマーガレットは再びマステック島を訪れると、「ここに居られるのは2週間だけ。楽しみたい」と禁止されているお酒、タバコを楽しんでしまう。

だがマーガレットを2度目の脳卒中が襲う。入浴中の発作だったため、熱湯で足の火傷まで負ってしまうことに。しかも今回は少し重症だった。

ロンドンに戻り、病院を退院したマーガレットがバッキンガム宮殿へとやって来た。
両足を火傷し、車椅子のマーガレットを迎えるエリザベス。
クルマを車椅子使用に変更、邸宅の至るところに手すりをつけたと言い、「まるで老人の家よ、足の裏の火傷がひどくでもうヒールを履けない」と愚痴るマーガレットにエリザベスは、「軽い運動をしたら?」と言うが、マーガレットは、「あの世に行く日もそう遠くない。70才の誕生会を私たちが特別な夜を過ごしたリッツで開くことにした」と言う。

エリザベスの気持ち
マーガレットのことが心配でたまらないエリザベスにフィリップは、「今の始まったことじゃない」と言うが・・・

リッツでの70才の誕生日会

マーガレットは痛む足に無理をしてヒールを履き、リッツでの誕生日会に臨む。
パーティーの席でマーガレットは、「最近は病院か車椅子の上にしかいないし、窓から四角く見える空を見ているだけだけど、1つだけ私を支えるものがある。それは思い出。特にリッツの夜の思い出は特別よ。エリザベスの別の顔が明らかにされた・・」と話し始めるが、(その話を知られてはいけない)と判断したエリザベスは立ち上がると、「生まれてくれた日からマーガレットはずっと私の側にいてくれた。いずれ王位に就くべき私の妹としてニ番手でいるのは難しい立場だったはず。だけどマーガレットはいつも私の味方でいてくれた。マーガレットが派手好きなのは皆が知っているけれど、忠実で、意思の強い。私の生涯の友、心の支え。彼女なしは・・想像できない」と言う。マーガレットの目には涙が・・。

3度目の脳卒中
だがマーガレットを3度目の脳卒中が襲ってしまう。
マーガレットは部屋で倒れているところを発見され病院へと搬送された。
エリザベスはマーガレットが大好きなジャムタルトと杖を持って病院を見舞い、「すぐ良くなって退院できる」と励ますが、「残念だけど今度は深刻よ」とマーガレット。
エリザベスはマーガレットに手を握られ胸が締め付けられる

9.11

退院したものの、左半身麻痺となり自由に動くことはできなくなってしまったマーガレット。
そんな中、アメリカ同時多発テロが起こってしまう(2001年9月11日)
そしてあろうことか9.11のニュースを聞いた直後、ポーチーが心臓発作で亡くなってしまう。
心の友だったポーチーを亡くしたエリザベスにマーガレットは、「カレは姉さんに尽くした。あなたは大切な人を次々と失っていくことになる。すぐにママ、そして私も。受け入れ難いけれど事実だから話し合っておく必要がある」と言うと、自分の葬儀についてオーダーする。

そしてマーガレットは、「あの夜のことを知らなければ本当の姉さんを理解できない。本当の自分をどれだけ封じ込めて来たか。あなたは隠しきった」とエリザベスの努力を労った。
マーガレット王女 2002年2月9日 午前6時30分、就寝中に安らかに逝去 享年71才
1945年5月8日、ドイツ軍が無条件降伏文書に調印、終戦となった。
その日、イギリス全土はお祭りモードに。マーガレットは躊躇する姉エリザベスに、「1日ぐらい許される」とポーチー、タウンゼントを誘い宮殿を抜け出しロンドン町へと繰り出す。
マーガレットたちはリッツで祝うことに。エリザベスとマーガレットは華やかなイギリス社交界に魅了されるが、そこでエリザベスはアメリカ人GIに、地下のパーティーに誘われる。
響く音楽に惹かれ地下へと降りたエリザベスにGIは、「ここには階級はない。ダンスと音楽を楽しむだけ」と手の差し伸べる。エリザベスはイギリス社交界とはまったく違うその雰囲気に魅了され、イギリスでは禁止されているハーレムのダンス=ジルバ、ジャイブを踊り、歌い、キス・・・・そんな一夜を楽しんだ
感想
妹がいるので、今回のエピソードは心にグッと来ました。
エリザベスとマーガレットはその環境で姉妹であり親友にならざるを得なかった存在ですから、姉として妹に先立たれたことはエリザベスにとって相当ツラかったと思います。享年71才。エリザベスとマーガレットは4才違いですからエリザベスは逝去するまでの20年間を誰よりも信頼でき、真の理解者である親友を失くしたまま生きておられたんだなと思うと、ツラかったと思います。
私も姉なので、妹が私より先に逝くのだけはなしにして欲しいと年齢を重ねるごとに思うようになっています。 近くに住んでるわけでも、特別仲良くてしょっちゅう会ってる関係でもないのですが、私にとって妹は誰よりも信頼できる、よき理解者であることは間違いありません。
エピソードのラストに流れた「Bewitched」がすごく素敵でしたので紹介しておきます。
邦題では、「魔法にかけられて」と訳されている曲ですね。




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