三体 #2 紅岸 (相関図あり)

海外ドラマ
海外ドラマ三体

【天才科学者たちが型破りな捜査官と手を組んで、異星人の侵略による人類存亡の危機に立ち向かうSFもの】
今回のシーズンは8話。(シーズン更新のニュースは現在はなし)

#2 紅岸 Red Coast あらすじ

”カウンドダウン”を止めるか、ナノテクノロジー事業を止めるかの選択を迫られるオギー。ジンは自殺したヴェラ・葉教授から譲り受けたVRゲームに没頭する。
一方1967年中国内モンゴルでのウェンジェは、交信を拾う。

相関図

まとめ

2024年、ロンドン

ソール

星空の点滅はニュースでも大きく報道された。この現象は世界規模だったという。
ヴェラ・葉教授の母ウェンジェは、訪ねてきてくれたソールに、星空の点滅についての仮説を尋ねるが、ソールは、「インチキですよ、事実じゃない。衛星からは見えてないのはフェイクだから」と言い、科学的ではないと言いきる。

オギー

迫られた選択

”カウンドダウン”が見え続けているオギーは、謎の女性の言葉【カウンドダウンがゼロになるのを阻止したければ、ナノ繊維テクノロジー事業を中止して】について対処を悩む。
実は今日、オギーが開発した”ナノ繊維テクノロジープロジェクト”をお披露目する日だった。
実験は見事に成功、拍手が起こる中、オギーの目には、「00:07:40」のカウンドダウンが!

オギーは、「歴史を作ったな」と迎える社長に突然、「装置を止めて。開発は中止する。終りよ」と言うと部屋を飛び出す。

【ナノ繊維テクノロジーとは】
ナノ繊維とは、髪の3000分の1の細さで鋼のように丈夫な繊維。
その繊維が硬い合成ダイヤを切断できると言うもの
捜査官ダー・シーの接触

プロジェクト中止を決めた途端、オギーの目の前から”カウンドダウン”が消滅した。
安堵のあまりベンチに座り込むオギーに、「力になる。助け合おう。星のウィンクの理由を知りたいだろ」と声をかけたのは捜査官ダー・シー。

ダー・シーはオギーが謎の女性と話しをした時の防犯映像を見せるが、そこに女性の姿は映っていなかった。
「絶対に独り言じゃない」と反論するオギーにダー・シーは、タバコに火が点いた部分の映像を見せると、「これは自分で点けたんじゃない。だが誰かが彼女の映像を消した形跡もない。奇跡だ。なぜ、ラボ閉鎖を求められた?」と問うが、「わからない」とオギー。
ダー・シーからヴェラ・葉教授について聞かれたオギーは、「誰よりも賢い人。昔は親しくしていたが、私が応用科学に転向したことに失望してた」と答える。
ダー・シーは、これまでオギーのように”カウンドダウン”を見た人物は、ニューデリーの人工頭脳学の教授、ボストン・ダイナミックスのAI研究者など数十人だと言い、「仕事を辞めたか、自殺かだ」と言う。

 

ジン

ジンは再びVRの世界へと入る。
レベル1が始まった。やっぱりジンのコスチュームは昔の服装だ。
そこへ”周の文王”を名乗る男と従者(子ども)がやってきた。

文王は、「これは遊びじゃない。任務はこの世界の謎の解明だ」と言いジンのゲーム名を尋ねる。
”コペルニクス”と名乗ったジンに文王は、「文明137へようこそコペルニクス」と言うと、今から紂王(ちゅうおう)のいるピラミッドへ向かうと言う。

【文王(ぶんおう)】とは、中国殷(いん)末期の周国の君主。
【紂王(ちゅうおう)】
とは、中国古代、殷(いん)王朝末代の王。
この世界には乱紀と恒紀があり、現在は乱紀(安定した恒紀以外は乱紀と言う)。
新紀が来ると紂王は太陽の動きを調べさせ、乱紀か恒紀を見極めるらしく、紂王がその判断を誤れば文明は滅びると言う。

その時、突然太陽がものすごいスピードで昇りはじめ、焼け付くような熱さが襲って来た。
「走れ、岩陰に隠れろ」と文王。みるみるうちに氷は溶け出し、地面は砂漠化、隠れている岩陰も小さくなってしまう。すると文王は従者をその影から押し出してしまう。
「熱で燃えてしまう」と声をあげたジンの前で、従者はあっ!と言う間に干からび、最後はペラペラの1枚の布化してしまう。

文王は日が沈んだのを確認すると、1枚の反物様になった従者をくるくると巻くと、「死んではいない。乾燥が早かった者は保存できる。恒紀が来たら水に浸す。ひとりが生き残れば皆は助かるのだ」と説明するとジンに手渡し、ピラミッドへと向かってしまう。

ジャック

VRゲーム機

ジンはジャックにVRゲームを見せることに。
しかしジャックは、スクリーンも差し込み口も充電ポートもない製品に、「製品ロゴもないからテスト機だろ」と訝るが・・・・

ヘルメットを被った途端、そのあまりにも精巧なVRの世界に、「虫までいる。匂いもあるし寒いのも感じる。土の味もする!」と大興奮するジャック。だがその直後、「お前は招いていない」と女性剣士にクビを斬首されてしまう。
慌ててヘルメットを脱ぎ、現実に戻ったジャックは興奮気味に、「こいつは普通じゃない、はるかに先を行く技術だ」と言うが、「教授が自殺前にプレーしてた。自殺と関係するのかも。深入りはやめよう」とジン。
しかしジャックは、「もっとデカい任務があるのかも」ともう一度ヘルメットを被るが、また斬首され・・・結局何度ゲームに入っても、ジャックは斬首されてしまいゲームをすることが叶わなかった。

が、そのふたりの会話をダー・シーが盗聴していた

ジャックに届いたVRゲーム機

ジャックが自宅に帰ると、荷物が届いていた。
箱を開けると、例のVR機と、”招待します”のカードが!

すぐにヘルメットを被ったジャックは、イングランドの片田舎のような場所で、中世の服装でレベル1をスタートする。するとそこへ中世の装いの男と、女の子が近づいてきた・・・ジャックは名を名乗ろうとする男をいきなり殴りつけるが、男は枢密顧問官のトマス・モア卿と従者だと名乗る。

【枢密顧問官とは】天皇の諮問(意見を求める)に応じて重要国務を審議することを任務とした役職

 

ダー・シー

亡くなった妻の墓にカップケーキを供えるダー・シー。(今日が愛妻ジェニファーの誕生日なのだ)
その時、「お墓にケーキを供えるのは私だけかと思ってた」とひとりの女性が声をかける。

オギーにプロジェクトを止めるよう言った謎の女性

それとは気づかないダー・シーは、その女性と会話を交わし、別れた。
頭を銃撃され亡くなったと言う父親の墓石には、「エディス・マーシュ 1905-1909 私たちの小さな天使」と刻まれていた。

ウィル

物理教師のウィルはその日、”膵臓がんステージ4”の宣告を受けた。
ウィルはジャックを呼び出すと、「肝臓、肺にも転移してる。余命は2ヶ月~半年らしい。もう手遅れだ」と告白するが、ジャックは、「ぶちのめせ。諦めるな、闘うんだ。お前はいつもそうだ。自信がなくて物理を諦め、ジンも諦めた。人生まで諦めるな」と治療を受けるよう言う。

ジンのVRゲーム:レベル1

ピラミッドにたどり着いたジンは文王が紂王に易経で太陽の動きを予測すると説明している現場に居合わせる。
ジンは、「これは占いです。科学的じゃない」と紂王に進言するが、文王は易経で、「再水化は乱紀はあと8日で終り、栄光の恒紀が63年続く。気候は温暖で黄金の紀となります」と言い出す。
すると、「空よ、今だ」と命じる紂王。その声で、ピラミッドの天井が開いた。
今度は文王がジンに向かい、「時を早送りせよ」と言い出す。意味がわからないまま文王の指示に従うジン。
すると、空が猛スピードで動き、あっと言う間に8日が経過、恒紀に入ってしまう。

紂王の、「再水化だ!」と言う号令で、兵士たちが”反物になった人間たち”をどんどん川へと投げ入れる。
次々と水分により再生しはじめる人間たち。

ジンも反物になった従者を再生させると、「見捨てなかった」と笑顔で従者が戻ってきた。

しかし押し寄せる黒い雲に気づいたジンは、「文王、見て!」と叫ぶ。
すぐさまピラミッドへと戻る紂王。
その途端、一気に厳冬へと突入してしまう。
逃げ惑う人々の中から、「コペルニクス、助けて!」と従者の声が。ジンは人の波に逆らい、従者を探し、助け出そうとするが、たどり着いた時、すでに従者は凍っており、ジンの目の前で砕けて死んでしまう。

凍死した人々で埋め尽くされた中で呆然と立ち尽くすジンに、現代の服装で剣を背負う女性が、「文明137は極寒の中で滅亡した。救えなかった。でも科学は神秘主義より優れていると認めさせた。レベル2では科学の力で次の文明を救って」と言う。

その様子をどこかでモニタリングしている人物が。

トマス・ウェイド

ダー・シーを待っていたのは、トマス・ウェイド。ダー・シーの雇い主だ。
ダー・シーは、星空の点滅はマイク・エヴァンスが黒幕ではないかと考えているらしいウェイドに、「電波望遠鏡について調べた」と言い、資料を見せ、報告する。

その資料は、1977年オハイオ州立大学は72秒の信号を観察。通称”ワオ信号”と呼ばれ、宇宙人とのコミュニケーションとされているが、誰も内容を分析できず、他では観測されていない。だが例外は中国北東部の観測所で、エヴァンスが当時そこにいた

 

1968年、内モンゴル

紅岸計画(1967年)

ウェンジェの仮説

軍事基地では数年前から「紅岸計画(他文明や別世界の住民との接触の試み)」を秘密裏に遂行中だった。
そのプロジェクトに加わることになったウェンジェは最高技術責任者のヤンに、「信号が弱すぎる」と指摘、カリフォルニアのピーターソン教授に連絡を取って欲しいと依頼する。

ピータソンの返事からウェンジェは、「ある仮定」をヤンに説明する。それは、太陽をアンテナ代わりに強力な信号を送れば別世界の住民と交信できるのでは?と言うものだった。
「返事が来るのは数年先だが、中国が最初に交信できるかも知れない。レイ委員に話したい」と言うウェンジェにヤンは、「ふたりで話そう」と言う

最高技術責任者ヤンの裏切り

しかしヤンはウェンジェを裏切り、自分の手柄としてレイ委員に報告してしまう。
だがレイ委員は、「太陽を電波で狙うだと?我が赤い太陽を使うなど危険な考えだ。絶対に許さん。全員処刑される」と非科学的理由で却下されてしまう。

【毛沢東と”赤い太陽”】
赤い太陽は毛沢東をたたえる言葉としてよく使われており、「僕たちの赤い太陽、毛主席万歳」という標語が書かれた毛主席のポスターなどが制作されています。毛沢東を崇拝する若者たちは、「紅衛兵」となり、毛主席の思想を広めた。
実行

しかしウェンジェは、こっそり電波送信の向きを太陽に変え、送信を完了させた

 

1977年(10年後)

”沈黙の春” マイクとの出会い

新しい電波天文基地の建設地を探しているウェンジェと最高技術責任者ヤンは、候補地に住んでいる住民を訪ねる。そこに住んでいたのがアメリカ人=マイク・エヴァンスだった。

マイク・エヴァンスは、中国政府の伐採で消えた森を再生させるために木々を植え、鳥を救う活動をひとりでしていた。
しかしウェンジェから、この土地は人民の土地であり、ここに電波天文基地を建てる予定だと聞くと、「人民の愚かさか生態系を壊して基地を造ることをなんとも思わないのか?」とウェンジェに問いかけるマイク。
「上層部の指示だから」とウェンジェ。
しかしウェンジェはマイクの小屋に、”沈黙の春”の書籍があるのに気づいていた。

「沈黙の春」は自然破壊を続けた先の未来についての本。
ウェンジェは貪り読んだ過去がある。詳細はココ

ウェンジェはヤンに、「カレは了承した」とウソを報告、小屋をあとにするが、自分の気持ちはマイクと同じであることを伝えるために、「沈黙の春」の一部をそらんじる。
それに気づき握手するマイクにウェンジェは、「止めてみる」と伝える。

紅衛兵:唐紅静(タン・ホンジン)との再会

電波天文基地建設地で揉めるヤンとウェンジェ。しかしヤンは、「もう場所は決定している。アメリカ人のために反対しているんだろうが、頑張ってきた8年を無駄にするな。別件で力になる。新入り労働者の中に、唐紅静(タン・ホンジン)がいる。1966年精華大学でお前の父親に致命傷を負わせた女だ」と言う。

【唐紅静(タン・ホンジン)】とは、
1966年文化大革命の集会で、毛沢東を妄信的に崇拝、紅衛兵として毛沢東の思想を広め、ウェンジェの父、物理学者の葉哲泰(イエ・ジョータイ)を公然の場で殺害した人物。 詳細はココ

ウェンジェはタン・ホンジンに会いに行くが、彼女は右腕の肘から下を失っていた。
ウェンジェが葉哲泰の娘だと気づいたホンジンは、「今は新時代だ。昔のことに懺悔はしない」と言うと、自分の置かれた不遇を話すが、「あなたはベルトで父親を殺した」とウェンジェ。
するとホンジンは、「今でもよろこんでやってやる」と言い、一切の懺悔をしなかった。

未知との交信

その夜、他の職員は気づかない中、交信に気づいたウェンジェ。
モニターをチェックすると、「応答するな、応答するな」の文字が。

画面には、

【応答するな。私はこちらの世界の平和主義者だ。警告する。応答するな。もし応答したら、あなたがたの世界は我々に征服される。応答する】

との文字のあと交信は切れた。
これはまさしく誰かとのコミュニケーションだった。
覚悟を決めたウェンジェは、パラボラアンテナの向きを太陽に向けると、「来て。私たちは自分の問題も解決できない。この世界の征服を手助けする」と打ち、ボタンを押すー。

 

感想

少し面白くなってきました。
1話のわけがわからない難解な部分を我慢すれば、見ることができそうです。
1967年代の中国と、2024年のロンドンの話の行き来も苦痛じゃなくなったし、むしろ、そのつながりをどうしていくのか、気になるところ。
そしてやっぱりマイク・エヴァンスとウェンジェは若い頃に知り合っていたんですね。

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