ハウス・オブ・ザ・ドラゴン １ #8　潮の主

王の迫力を存分に感じた８話。

#8 潮の主　The Loed of the Tides あらすじ

レーナーが亡くなり（実は生きている）レイニラとデイモンが結婚してから６年が経過。
踏み石（ステップストーンズ）諸島での戦いでコアリーズ公が大ケガを負ってしまう。夫の回復を祈るレイニスにコアリーズの弟ヴェイモンドは、次の後継者を決めておく必要があると言い出す。ベイラからの手紙で、ヴェイモンドの画策を知ったレイニラとデイモンは申し立てをするため王都へと向かう

 

相関図

まとめ

息子レーナーと娘レーナを亡くし、レイニラ王女はデイモンと再婚から６年後ー。

ドリフトマークの後継者

踏み石（ステップストーンズ）諸島の戦いに参戦していたコアリーズ公が深手を負い、夕暮れ城（イーヴンフォール・ホール）で手当をしているとの知らせが届いた。レイニスは夫の受け入れる準備に入るが、コアリーズの弟ヴェイモンドは、「兄上の死を覚悟し、流木の御座の跡継ぎを考えておかねばならない」と言い出す。レイニスは、「夫の意向で次の潮の主はルケアリーズ。それを覆すのは反逆」と牽制するが、ヴェイモンドは、「レーナーの息子たちは落とし子だ。ヴァリリアの血筋を絶やすわけにはいかない。私こそがドリフトマークの跡継ぎ」と言い切る。レイニスは王命（レーナーの息子たちに出自を語れば王が舌を斬り落とす）で従兄弟が舌を斬ると言うが、「あなたの後ろ盾など不要。王家は私を支持する。最近、鉄の玉座に座っているのは王妃だ」と潮の主になる気満々のヴェイモンド。

 

ドラゴンストーン城

ドリフトマークのベイラからの手紙で、コアリーズ公が瀕死であること、ヴェイモンドがルケアリーズの血筋を疑っていると知り、王都へ向かうことに。
レイニラとデイモンはレイニスを味方につけたかったが、問題はレイニスが、息子レーナーをレイニラとデイモンに殺されたと思っていることだった。

 

王都

6年ぶりに王都へと戻ったレイニラ王女を出迎えたのはキャスウェル公のみ。
ヴィセーリス王が床に臥せってしまって以降王政は、アリセント王妃とその父、王の手オットー・ハイタワーが牛耳っており、レイニラ王女を出迎えないよう王の手が指示していたのだ。
そして赤の王城（レッドキープ）もすっかり変わっていた。

小評議会

ビーズベリー公はまだ現役の参議だが、すっかり年老いたカレは老害扱いされている。
議題が”次の潮の主”に変わった。コアリーズ公の意向はルケアリーズが後継者だが、落とし子疑惑があるため、参議の中でも意見が分かれる。アリセント王妃は、「明日、王女と他のものの申し立てを聞く」と会議を締める。

どうしようもない長男

またエイゴンが揉め事を起こした。給仕係ダイアナをレイプしたのだ。震えながら、「信じてください。誰にも口外致しません」と約束するダイアナにアリセントは寄り添いつつも、お金を渡すと、侍女ターニャが運んできたお茶を飲ませる。（エイゴンは妹ヘレイナと結婚）

 

父王の容態

６年ぶりに再会した父王は、やせ細り、左目を失い、痛みで呻きながら床に臥せっていた。

そんな兄上にデイモンは、「流木の御座の後継者について申し立てがあった。後継者はルケアリーズだと断言して欲しい」と頼むが、意識朦朧状態のヴィセーリスは事態を理解できない様子。
そんな父にレイニラは、デイモンとの間の息子（エイゴン、ヴィセーリス）を見せる。

自分の名前がついた孫息子にヴィセーリスは目を細め、よろこぶが、痛みが増し苦しみ出す。
ヴィセーリスはメイスターが処方しているお茶を飲むが、それは芥子の汁だった。

 

王女と王妃の再会

アリセントはレイニラとデイモンに挨拶に行くと、「久しぶりね」と余裕を見せるが、デイモンは、「久しぶりなのに出迎えもなしか」と牽制、レイニラも嫌味を込め、「王国を治めている王妃は忙しいのね」と言うが、アリセントは、「王の意向を代弁しているだけ」と言う。
だがデイモンとレイニラは、王政を牛耳るために父王に芥子の汁を飲ませ、判断力を鈍らせていると指摘。だがアリセントは、「陛下は痛みで苦しんでる。メイスターの勧めで芥子を使ってる」と言う。
デイモンは、「芥子を与えることが慈悲の行為だとして、王を救うためにターガリエンの紋章を外し、偶像や星印を置いているのもメイスターの勧めか」とすっかり変わってしまった赤の王城について問うが、アリセントは、「七神の星が導いてくださる。明日、私と王の手で申し立てを聞き、裁定を下す」と言う。

 

王子たちの再会

ジェイスは城の中庭を懐かしむが、ルークは、「ボクがドリフトマークの後継者に疑問を持たれるのはサー・ハーウィンに似てるからだ」と言い、明日の申し立てを心配する。そんな弟に、「どう思われようと関係ない」とジェイス。

中庭で、サー・クリストンとエイモンド王子の対戦がはじまった。
エイモンドは素晴らしい剣さばきと身のこなしでクリストンを負かすほどの腕前を見せる。

 

ロビー活動

ヴェイモンド

ヴェイモンドは王の手ハイタワーとアリセント王妃に面会する。
ヴェイモンドを推しているハイタワーはアリセントに、「戦いの脅威が迫る中、王土で一番の艦隊を子どもに指揮させるワケにはいかない」と言い、ヴェイモンドも、潮の主になったなら王に協力すると約束する。

レイニラ

レイニラは、孫娘（ベイラ、レイナ）を立派に育て上げたレイニスに礼を尽くすと、ルケアリーズを支持して欲しいと頼むが、レイニラは、「あなたがレーナーにしたことは？」と言い出す。

レイニラは、「私はレーナーを愛していました。本当です。私はカレの死には関与していないと誓います。そして申し出をしたい。ベイラとジェイス、レイラとルークを婚約させたい」と提案する。
しかしレイニスは、「孫娘たちをダシにして御託を並べるのは自由だけど明日ハイタワーは先制攻撃を仕掛け、あなたをひざますかせるわ。私は誰も支持しない」とレイニラと距離を取る。

 

父と娘

レイニスの支持を得られず、四面楚歌のレイニラは、痛みで呻く意識朦朧の父王に、「”氷と炎の歌”は真実だと思う？父上は、共通の敵と闘うために王土をまとめろと言ったけれど、私が世継ぎになり分裂した。女王の座を望んでた。でもあまりにも荷が重い」と涙を流す。ヴィセーリスはうわ言のように、「我が唯一の子」と呟くが、「女王になれと言うなら私を守って。私の子どもたちも」と言う懇願には呻き声を出すだけだった。

 

王の決断

翌朝、痛みを堪え治療を受けたヴィセーリスは王の手に、「今夜の晩餐の準備をしてくれ。私の家族が集まってる。皆で食事がしたい」と頼み、痛みに呻きながらもヴィセーリスは芥子の汁を拒否する。

 

申し立て

鉄の玉座の間に集まった親族たち。
王の手ハイタワーは、「コアリーズ公の回復を願いつつ、後継者の選定を王に代わり申し立てを聞き、裁定を下す」と宣言すると鉄の玉座に座る。

ヴェイモンドは、兄コアリーズ公を長年支え、真のヴァラリオンの血筋であることを強調し、自分こそが潮の主だと言うが、それに異を唱えたのがレイニラ。「レーナーと私の息子たちも同じ。血筋を重んじると言いながら正統な継承権を奪おうとしている」と反論するが、「今はヴェイモンド公の番よ」とピシャリとレイニラを押さえるアリセント。

気高さ

ヴェイモンド公に続きルークの代理人としてレイニラが申し立てをはじめようとしたとき、広間の扉が開き、七王国の王ヴィセーリスが鉄の玉座の間へと入って来た。
病で痩せ細り痛みに苦しみんで床に臥せっていたヴィセーリスが、冠載、マント姿で杖をつきながら鉄の王座へと歩みを進める。その姿は壮絶だったが気高ささえ感じられた。

息があがり苦悶の声をあげながらも鉄の玉座への階段をあがろうとするヴィセーリスに王の楯が駆け寄るが、ヴィセーリスは、「手を貸すな」と断ると、ひとりで階段を昇りはじめる・・だが体制を崩し、冠が落ちてしまう、冠を拾い、手を貸したのは弟デイモンだった。デイモンは、鉄の玉座に座った兄ヴィセーリス王に冠載する。

王の務め

鉄の玉座に座ったヴィセーリス王は、潮の主（後継者）は決まっている。物言いがつくのはおかしいと正した上で、「この中でコアリーズ公の意向を知るのはレイニス王妃だけだ」言う。
王の前に進み出たレイニスは、「夫はドリフトマークの跡継ぎをルケアリーズにと望み、私もその意思を支持する。そしてジェセアリーズとベイラ、ルケアリーズとレイナの婚姻の申し出をお受けする」と明言。
それを受けヴィセーリス王はルケアリーズが潮の主（後継者）だと宣言する。

反逆

だが納得できないヴェイモンドは、ヴィセーリス王に向かい、「あなたは法を破り、伝統に背いて娘を世継ぎにした。その男がヴェラリオンの後継者を決めるだと？認めん、断る」と言い出す。
「言葉を慎め」と言うヴィセーリス王にヴェイモンドは怒りに震えながら、ルケアリーズを指差すと、

「コイツらはヴェラリオンの血筋じゃないし私の甥孫でもない。落とし子で、レイニラはアバズレだ」と言い放ってしまう。
王命【レイニラ王女の息子の出自を疑うものは舌を引き抜く】を平然と無視し、公然の前で娘と孫息子を貶めたヴェイモンドにヴィセーリスはターガリエンの短剣を抜くと、「舌を斬り落とす」と立ち上がるが・・・

次の瞬間、デイモンがヴェイモンドを斬首。
こうして大揉めに揉めたドリフトマークの後継者問題に片がついた。

 

王の願い

晩餐会が開かれた。
テーブルについたヴィセーリス王は、「こうして家族で集えたことに感謝する。今夜は祝の席にもなった」とジェイスとベイラ、ルークとレイナの婚約を祝い、「これで一族の絆もより強まるだろう。そして未来の潮の主、ルークに乾杯しよう」と言う。
だがヴィセーリスは、「一方、悲しみも感じる。私が最も愛するものたち疎遠になっている」と言うと仮面を外し、「私の顔は醜くなってしまったが、今夜はありのままを見せたかった。王ではない、父として、兄として、夫として、祖父としての私を。私に残された時間はもうない。いがみ合うのはもう止めろ。ドラゴン一族が分裂していては力を失う。争ってる場合じゃない。お前たちを愛する老いぼれのために争うのは止めるのだ」と言う。

その王の節なる願いにレイニラは盃を持って立ち上がり、これまで父王ヴィセーリスを献身的に支えてきたアリセントを称え、感謝を伝え、謝罪する。それを受けアリセントも、「我々は友に子を愛す母親。王女とその家族に乾杯します。あなたは立派な女王になれる」と王位継承を改めて認める発言をする。
晩餐は和やかな空気になるが、空気が読めないエイゴンは、ジェイスをからかいはじめ、エイモンドも立ち上がり構えるが、ジェイスはその屈辱に耐え、「従兄弟に乾杯する」と。

ジェイスはエイゴンの妻ヘレイナをダンスに誘う。
笑い合いながら語らう家族に満足そうなヴィセーリス。だが体調は悪化し、ヴィセーリスは退席する。

 

エイモンド

だがヴィセーリスが作った和やかな宴席はエイモンドの発言で一転する。
エイモンドは、「最後にオレから我が甥っ子たちに一言」と言うと、ジェイス、ルーク、ジョフリーに対し、”ストロング”と言うワードを使い、落とし子だと匂わすスピーチをしたのだ。

ジェイスは、「もう一度言ってみろ！」とエイモンドに殴りかかるが、押し倒されてしまう。アリセントはエイモンドを諫めるが、「ボクは甥っ子たちを”強い”と褒めただけ。本人たちは恥じてるようだけど」と言いきる。ジェイスは再びエイモンドに殴りかかろうとするが、デイモンがそれを止める。
レイニラは子どもたちを部屋に返し、晩餐会はお開きになった。
レイニラは子どもをドラゴンストーンに送り、改めてドラゴンで王都へ戻ると言い、王都を去る。

 

氷と炎の歌

アリセントは痛みに苦しむヴィセーリスに寄り添うが、芥子の汁を飲み、朦朧としたヴィセーリスは、「お前は私に真実なのかと聞いたろ、エイゴンの歌は真実だ。約束された王子。王土をまとめ冷たい闇に立ち向かう。お前だ。お前がやれ、必ずやるんだ。必ずだ」と口にする。アリセントは、そのうわ言を王の最後の言葉と理解、「わかりました陛下」と言う。その後ヴィセーリス王はこの世を去ったー。

 

感想

８話、泣きましたけど
ヴィセーリス王は素晴らしい王だったと思います。最後まで一番大切にしている【家族】のために生きたんだと思います。民にとって良き王だったかは不明だけど、戦争を起こすことも巻き込まれることもしなかったと言う点では及第点の王だったのかも知れません。カレが後を継ぐものに残した問題は、ただひとつ、伝統を無視した女王を王位継承にしたことだけだと思います。

死期迫るヴィセーリスが王マントを身に着け、冠載姿で鉄の玉座の間に現れ、玉座へと進むシーンにはグッときました愛する娘レイニラのため、そして私欲なく正しく導くために、痛みも堪え王としての役目を果たしたヴィセーリス王は尊敬に値する。さすがのデイモンも手を貸し、王冠を載せました。あのシーンは、「兄上こそが王です」と伝えているように見えました。素晴らしいエピソードでした。

だけど芥子の汁を飲み、意識朦朧のヴィセーリス王の言葉を鵜呑みにしてしまったらしいアリセント。せっかくヴィセーリスが命を縮めてまで和解を説いたのに、またまた王位継承問題で、あの一番王に向いていないエイゴンを王にすると言いそうな予感・・・・

デイモンって１話から存在感がある男でした。
次男に生まれたことで、屈折した性格になったのだろうとは思うけれど、ここぞって時には誰よりも信頼できるところがあるし、なんせ命を惜しむことがない行動力は魅力的。
最初は顔立ち的にデイモン苦手・・と思っていたけど、今やデイモンが何をやらかしてくれるのかとワクワクしてしまってます。

エイモンドの雰囲気はデイモンと似てますね。
そしてエイモンドはデイモンを気にかけている様子。狂気が似てるのかも。
それに比べバカなんですかっ！のアホ長男エイゴン。あるあるです。
個人的にジェイスくんのフェイス、私の好みです（笑）どうでも良い情報でした締めくくっておきます（笑）