アンオーソドックス #3

海外ドラマ
海外ドラマアンオーソドックス
原作者デボラ・フェルドマンの自伝「アンオーソドックス」をNetflixがドラマ化した作品。
ニューヨーク市ウィリアムズバーグ地区のハシド派コミュニティに育ち、2009年、女性に何の決定権も与えられない同派の生活を夫もろとも捨てて、幼い息子とともにベルリンに逃亡。4年後にその体験を自伝『アンオーソドックス』として発表されました。
これまであまり明かされなかったハシド派(超正統派ユダヤ教)の世界を知ることができる非常に興味深いドラマです。

#3  あらすじ

現実を突きつけられたエスティだったが、退路を断たれたエスティは、ロバートに協力を頼む。
一方モイシェは犯罪まがいの方法でエスティを見つけ出そうとする。

相関図

まとめ

エスティの現実

オーディション

行く場所のないエスティはこっそり音楽院で寝泊まりを続けていた。
自分の実力を思い知ったエスティはオーディション辞退を申し出るが、すでにオーディション日(5月16日)が決定、キャンセルはできないと言われてしまう。
その頃、母リアはエスティ宛に届いた”シャルハルム音楽院”からのオーディション通知を受け取り笑顔を見せる。

妊娠

病院を受診し、「妊娠しているか確かめたい」と言うエスティ。
医師は中絶について説明しようとするが、エスティは、「中絶はしない。失われた600万人(ホロコーストの犠牲者)を取り戻す」と言い切る。エスティは妊娠していた。

友だち

エスティは図書館のインターネットで仕事探しをしようとするが、パソコンの使い方さえわからない。
そんなエスティを助けたのは、サリムだった。
サリムはエスティを助けると、「ロバートとダージアが心配してる。連絡して」と言う。

賛美歌

ネット検索したものの、良い仕事などすぐ見つかるハズがなかった。
途方に暮れ歩くエスティは、賛美歌に引き寄せられるよう教会に立ち入り、美しい歌声に、涙を流す。

覚悟

現実を思い知ったエスティだったが、ウィリアムバーズに戻る道などなかった。(ベルリンで踏ん張るしかない)と決意したエスティはロバートに協力を頼む。

 

祖母

エスティからの電話を無言で切った祖母。
それ以来、様子がおかしい祖母を心配し、エスティの祖父、父、叔母が自宅にラビを呼ぶ。
ラビからエスティが妊娠していると聞き叔母マルカは、妊娠しているのに家出をしたエスティの気持ちがわからないと言うが、祖母は、「リア(エスティの母)にもっと優しくしておくべきだった」と言い、エスティから電話がかかったが、自分から切ったと告白する。

ベルリンで

モイシェとヤンキー

ベルリンでエスティを捜すヤンキーとモイシェ。
モイシェは、「もう一度エスティの母親を訪ねたい」と言うヤンキーを、ユダヤ人墓地に連れて行き、祈りを捧げると、売春店へと連れて行くと、「トーラーみたいなもんだ。誰にも知られない」と言い、経験するよう言う。
断れず、女性と部屋に入ったものの、ヤンキーは、「妻以外とはできない」と拒否するが、「女性がわからないんだ。どうやったら快楽を与えられる?」と聞くことに。

一方、モイシェはベルリン時代の友人イゴールに、ポーカーをしたいと言い出す。

ヤンキーとリア

ヤンキーはひとりでリアの勤め先の介護施設を訪ねる。
リアの職場は”ユダヤ人介護施設”だった。
ヤンキーはリアがイディシュ語を使っていることに驚くが、「仕方ない、教養も技術もない。昔は苦手だったイディシュ語もここでなら役立つ」とリア。
ヤンキーは、「ウィリアムバーグに居れば苦労しないのに」と言うが、リアは、「酒浸りの夫から誰も救い出してくれなかったし、散々戒律やウワサ話しに傷つけられた。エスティが逃げたくなる気持ちがわかる」と言う。
リアから本当にエスティの居場所を知らないと言われたヤンキーは、連絡先を書いた紙をリアに渡すと、「何かわかったら連絡して欲しい」と言うが、リアは、ヤンキーが帰ったあと、そのメモを捨ててしまう。

モイシェの行動

その頃モイシェはリアのアパートに忍び込み、部屋を物色。郵便物から、”シャルハルム音楽院”からの封書を見つけてしまう。

モイシェはシャルハルム音楽学院前でエスティを待ち伏せ。ダージアと出てきたエスティを尾行する。

 

初体験

ヤエルが演奏するとクラブに誘われたエスティ。
爆音で流れる音楽に身を委ねて踊る若者たちにカルチャーショックを受けるが、ロバートとの距離は縮まる。

エスティを尾行しているモイシェはその様子を盗撮する。

その夜エスティは、ロバートと関係を持つ。

 

過去

セックスの問題

ヤンキーとエスティは夫婦の営みにトライするが、セックスの知識がなさすぎて前戯なしではじめてしまい、エスティはあまりの痛みにギブアップする。
その後もエスティは挿入痛でヤンキーを受け入れることができず、1週間が過ぎたある朝、ヤンキーが出勤したあとアパートに義母ミミがやって来た。
あろうことかヤンキーは母親にセックスができないと相談していたのだ。
ミミは、「あの子はデリケートなのよ、自信を失う前に何とかして」と潤滑ゼリーを手渡す。

夫と義母の問題

エスティは、(夫婦のことを赤裸々に義母に話すのは止めて欲しい)とヤンキーに伝えたかったが、当のヤンキーは、「母は何でも知ってる。仲良くやって」とエスティの気持ちを理解しようとしない。
だがその夜も、やっぱり痛みでセックスができないエスティにヤンキーは、「どうしてなんだ?母さんは兄弟の妻たちはできると言ってた。みな結婚して9ヶ月後には赤ちゃんが生まれてる」と愚痴を言い出す。

体裁ばかりの世界

マザコンの夫に、苦痛なセックス。
エスティは実家に帰りたいと言うが、「世間体が悪い」と拒否する叔母マルカ。
エスティは、「努力してるけど痛くてできない。方法もわからない。私たちはYouTubeも見られない」と不満をぶつけるが、マルカは、「ユダヤ人はYouTubeなど見ない。それでもみんな子沢山。帰らせない。でないとシャピロ夫人(ヤンキーの母)があなたのを欠陥品だと言い回る。これ以上おばあちゃんを苦しませないで。子どもを作らないと家庭での立場は弱いまま。本気で子作りするのよ」とエスティを説得。
エスティは大好きなピアノのレッスンを止める決断をする。

性教育の指導者

ユダヤ人指導者に性教育を受けるエスティ。
指導者はエスティに、心と身体がバランスを崩して膣痙を起こしているのだろうと言い、リラクゼーション治療を施すと、膣拡張器を渡す。

あらゆる痛みに耐え

エスティの苦痛などお構いなしのヤンキーは、ベッドでエスティを待ち構えるが、それを見たエスティは堪らず、「私にはできない。どんなに痛いかわかる?快楽なんてない」と訴える。
するとヤンキーは、「結婚してもうすぐ1年だ。生殖はトーラーに書かれた義務だ。快楽を得るための行為じゃない」と言い出す。
何もわかっていない夫に、「快楽はタルムードも認めてる。夫には妻の性的欲望を満たす義務がある。それにお義母にいちいち詮索させないで!いつでも見張られている。上手くいくわけがない」と気持ちをぶちまけるが、「母の善意だ」と言い返し、エスティの気持ちを理解しようとしないヤンキー。
その言葉にエスティは怒りを顕わにしながらベッドに横になり、痛みに耐え、性行為に挑む。
エスティの苦痛とは反対に、その快感に感動するヤンキー。

 

感想

興味深い。
超正統派ユダヤ教の世界もだし、新しい世界に飛び込むエスティにも。
でもやっぱりエスティにはユダヤ教の教えがベースなんだなと思うのは、ヤンキーとの子ども生む決断に迷いが一切なかったこと。
そこは、失われた600万人(ホロコーストの犠牲者)を取り戻すと言う信念があるんだな~って。
そう言うところも興味深い。

私は完全な無宗教で信仰の意味がわからない。
「ありのまま、心のまま」に生きたいと思ってる。
でも戒律の厳しい宗教の中で生きているひとたちは、厳しい戒律を守ることで、神から認められるとか
神から守られるとか、自分が犯した罪が軽くなるとか思っているのだろうか。

コメント

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