今回のエピソードは、見応えがありました
このドラマ、硬派な内容だし、かなりストーリーが練られています。
IMDb 8.1 の高評価の意味がわかります。
このドラマ、たぶん男性向けかな
主な登場人物
キャスト名 | 説明 |
---|---|
エドムンド・リード | 警視庁警部補 |
ベネット・ドレイク | 部長刑事 |
ディック・ホッブズ | 巡査 |
ホーマー・ジャクソン | 大尉 アメリカ人軍医 |
フレッド・ベスト | スター紙の記者 |
ロング・スーザン | 売春宿の女主人 |
ローズ・アースキン | 売春婦 ジャクソン軍医のお気に入り |
エミリー・リード | リード警部の妻 |
デボラ・ゴレン | 孤児院の院長 |
フレッド・アバーライン | 元警部長 |
ジェームズ・モンロー | 警視総監 |
コンスタンタイン | 公安課警視 |
■ジョシュア・ブルーム | |
アイザック・ブルーム | 数学者 ジョシュアの兄 |
ボルスキー | ロシア大使 |
モリス(ゾトキン) | ロシアのスパイ |
#6 Tournament of Shadow あらすじ
ロンドンでは労働者のストライキが起こってた。中には過激なグループもあり、働く者を”スト破り”と呼び、襲撃する事件も起き始める。
そんな中、洋服店が爆破され、ひとりの焼死体が見つかる。リードは、身元を割り出そうと捜査を開始するが、モンロー警視総監は既にその死体が、ユダヤ人のブルームだと知っていた。その上モンローは、「この件は公安課が担当する。キミはストを収拾してくれ」と言う。
この事件に不可解さを感じたリードは独自で捜査をはじめるが・・
まとめ
1889年
リードとエミリーがマチルダを亡くして1年が経った。
エミリーはリードに、娘の部屋を片づけたいと言い出す。
その頃、ロンドンでは労働者がストライキを起こしていた。
中には過激なグループもあり、働く者を”スト破り”と呼び、襲撃する事件も起き始める。
爆破事件
洋服店が爆発した。
リード、ドレイク、ジャクソンは現場検証する。
現場からは焼死体1体、そして起爆装置が見つかる。
リードが見つけた缶箱には、写真と暗号のような手紙が入っていた。
リードはドレイクに死体の身元を割り出しを、ボッブズには、警視庁に緊急事態と知らせるよう指示するが、既に警視庁から2名が現場を見て帰ったと聞かされ驚く。
不可解
モンロー警視総監とリード
爆破は、洋服店、外国人労働者センターと立て続けに起きたが、モンロー警視総監は、「もうじき落ち着く」と言い、まだ身元が判明していないハズの焼死体が、”ユダヤ人のブルーム” で、公安課が監視をしていた過激な無政府主義者(アナーキスト)だと言う。
リードは、モンローが既に犯人を割り出してることに事件の不可解さを感じる
モンローは、「爆発事件については公安課が担当する。キミはストライキを収拾させてくれ」とリードに指示する。
しかしリードは、「ストの参加者は過激ではありません。過激なものは一握りです」と主張する。
なぜなら、確かに街は、ストの影響で麻痺状態ではあったが、公正な賃金請求は当然と考えており、ストを警察の力で鎮圧することはしたくなかったからだ。
それでもモンローは、「スト中に働こうとした者や、警察官がケガをさせられている。鎮圧しないと社会が乱れる。イースト地区は元凶だ」と言い、ジャクソン大尉をストに潜り込ませるよう命じる。
依頼と検死の結果
リードはジャクソンに、「暴力を煽る危険分子を突き止めたい。キミにしか頼めない」とスト潜入を頼むが、「冗談じゃない。俺は外科医だ。スト妨害者じゃない。金持のお偉い方のために労働者を妨害するなんてイヤだ」と拒否する。
しかしリードは、「多くの犯罪に手を染めているだろ?つべこべ言わずにやるんだ!」と半ば脅して承諾させる。
ジャクソンは、「ブルームは心臓をひと突きされ、死んでから爆破された」と検死を報告した。
警察署にやって来たゴレン
ジョシュア・ブルームとは
ゴレンは、亡くなったジョシュア・ブルームの兄アイザックの代わりに遺体を引き取りに来たと言う。
ブルームは、自分や兄らと一緒にキエフからロンドンへ逃げてきた仲間で、暴力を嫌う信念のひとだったと言う。
「爆弾を作る人ではない」とゴレン。
リードは爆発現場から見つけた缶箱の中身を見せ、「何か分かるか?」と聞くが、ロシア帝国の軍人の写真であることしかわからないと言う。
リードは、ジョシュアは殺された可能性があると言い、兄アイザックと会いたいと言う。
ロシア秘密警察 ”オクラナ”
ジョシュアの兄アイザックは、「弟は露骨なアナーキー(無政府状態)を望んでおらず、暴力を嫌っていた」と言い、”オクラナ”と呼ぶロシア秘密警察は急進的なユダヤ人を敵視している。オクラナは海外にも弾圧の手を広げており、ジョシュアはロンドンでオクラナのスパイを見つけ証拠(缶箱の中身)を掴んだ。
手紙は軍の暗号文であり、写真の中の誰かが犯人にちがいないと言う。
「”オクラナ”は、ジョシュアを殺し、すべての急進的思想家を凶悪に見せようとした」とアイザック。ゴレンも、「ロシアのやり方。だから大勢が亡命した」と言う。
リードはアイザックに暗号文の解読を頼む。
街頭演説する男
ジャクソンは、ドッグに潜入した。
ある男は、労働者らの前に立ち、「警察とスト破りは金の亡者だ。抗議するだけでは成果がない。抗議だけでは権力者は変わらない!」と演説する。
スト中の労働者からは、「抗議の声は届く。お前らアナーキスト(無政府主義者)の望みは暴力だ。公正な賃金の要求じゃない!」と反対の声もあがるが、男は、「暴力を望んでいるは権力者の方だ。奴隷労働と自由のどちらを選ぶんだ?自由を手にしたければ武器を取れ!正義の力を見せてやろう!」と労働者らを鼓舞するのだった。
助けられたドレイク
スト中の労働者からの怒号が飛び交う中、働く労働者の警護任務を遂行するドレイク。
そこへ演説していた男がやってきて、「”スト破り”を通すのかっ!」と邪魔をする。
ドレイクは、「下がれ、今すぐ!」と労働者を守る
しかし仕事を終えた彼らの前に立ちはだかったのは、武装した労働者たちだった。
「”スト破り”と警官だ。やっちまえ!」そう指示したのは、演説していた男だった。
ドレイクは立ち向かうが、武装した集団の襲撃には勝てず捕まってしまう。
演説していた男は、「革命は、国家の首を取ることで始まる。コイツの首をかっ斬れ!誰がするんだ?」と仲間を煽る。
しかし誰も手を挙げず、「それでも闘士かっ!」と演説していた男は吠える。
その時、「俺がやる!」と言う者が!
ジャクソンだった。
ジャクソンはドレイクの前に立ち、上着の内側の隠し銃を見せた。
演説していた男からナイフを受け取ったジャクソンがドレイクの首にあてがった時、
ドレイクは隙をつき、銃を奪い、なんとか窮地を乗り越えた。
潜入捜査
ジャクソンの行動は武装集団のリーダーらに認められ、彼らと酒を酌み交わすことに。
演説していた男の思想は、「テロこそ武器なり。自由は戦って奪うもの」だった。
ジャクソンは、スト闘争の激化を望んでいると、興味を持たせるように仕向けた。
ジャクソンはそのあと、男を尾行し、ロシア大使館へ入ったのを確認した。
捜査 1
リードの独自捜査
ブルーム事件の不可解さが気になるリードはアバーライン警部からブルーム事件担当が警視庁公安課の花形コンスタンタイン警視と聞く。
アバーラインはリードに、「娘の死に執着するな。もう1年経った。忘れるんだ」と声をかける。
しかしリードは、「エミリーが娘の部屋を片づけろと。できない。娘はまだ生きている。そう感じる」と言うのだった。
ジャクソンからの情報
「過激派リーダーはモリス。ロシア大使館へ入って行った」
ジャクソンからの報告を聞き、リードはロシア帝国の軍人の写真を見せる。
ジャクソンはその中のひとりを指さし、「モリスだ」と言う。
リードは、「モリスが殺人犯だ。ブルームが見つけたスパイだ」と言い、このあとモリスと会うジャクソンに同行するようドレイクに指示し、リードはひとりロシア大使館へと向かった。
ロシア大使館
リードはロシア大使館のボルスキーに写真を見せ、モリスがここへ来ただろと追及するが、「知らんな」とボルスキー。
ボルスキーは、ユダヤ人の過激派が元凶だと話しを逸らす。
リードは、「あんたがモリスを送り、スト参加者を暴漢にしたんだ。モリスを解任しなければ後悔することになる」と圧力をかけた。
暗号の解読
署に戻ったリードを待っていたのはアイザック。
暗号文には、「オクラナが、”ゾトキン”と言う名の破壊工作員を送った。ゾトキンの使命は、急進派の名でロンドンを爆破すること」とわかる。
モリスはゾトキンの偽名だったのだ。
しかし、暗号文には爆破場所まで書かれていなかった。
「至急ロシア人爆破犯を指名手配する」リードは叫ぶ!
モリスとの接触
集会中、ジャクソンは約束の場所でモリスを待ち、ドレイクは待機するが、結局モリスは現れなかった。
モリスは遠くからジャクソンとドレイクを観察し、ふたりが警察関係者であることを見抜いたのだった。
陰謀
リードは、ゾトキン(モリス)のほんとうの狙いを伝えるため、警視庁に向かうが、まったくちがう場所へと誘導されてしまう。
そこに居たのはコンスタンタイン警視。
リードはゾトキンの企みについて伝えるが、「ゾトキンに近寄るな。公安はゾトキンがモリスでだと知ってる」とコンスタンタイン。
ゾドキンは、英国入国時、逮捕されたが、二重スパイとして利用するため釈放。ロシアの情報をもらっていると言う。
そして、思想は脅威。人気があるブルームは危険と判断し、始末したと言う。
「既に爆発事件は起きている。警視も共犯だ。モンローに報告する」とリード。
そこへ「私の命令だ」と現れたのはモンロー警視総監。
彼らは、
・アナーキストを分裂させる目的でゾトキンを送った。
・ブルームの存在が脅威だったので、始末した。
・爆破したのはゾトキン
コンスタンタインは、ゾトキンの方が、アメリカ人の潜入者(ジャクソン)より役に立つ。ゾトキンがいればストにも終止符が打てると言う。
モンローは「我々の目的はこの国を守ること。キミは管轄の仕事に戻れ」とリードに言い、去って行った。
コンスタンタインはリードに、「作戦を打ち明けたのはキミが邪魔をするからだ。秘密は守ってくれ」と言うが、「クタバレ!」とリード。
するとコンスタンタインの部下がリードの肩を掴む。
コンスタンタインは、マチルダの死について、リードに責任があると我々は知ってると言うのだった。
娘マチルダのこと
ゴレンに真実を告げる
「殺人犯と動機はわかったが、警察に守られてて何もできない」
リードがゴレンに真実を告げると、ゴレンは「安全だと信じて英国に来たのに、ロシア警察と同じ。帰って!」と怒りをリードに向ける。
しかしゴレンがリードの肩口を押した時、酷く痛がるリードを見て、大ケガをしているのを知ってしまう。
娘マチルダの死の真相
リードはマチルダをボードに乗せ、湖で遊んでいた時、突然、別のボートがぶつかってきた。
船は割れ、マチルダがスベリ落ちるように池へと沈んでいくー。リードは手を伸ばし、マチルダを掴もうとしたが、その時、何かがカレの肩口に溶け落ち、意識を失ったと言う。
「遺体は出てない。私はマチルダが生きてると思ってる。だが、私のせいだ。警視たちが知ってた」とリードが自分を責めるのだった。
リードは、自分を気遣ってくれるゴレンに思わずキスをする。
ゴレンもそれを受け入れた
その時、「モリスを逃がした」と報告に来たドレイクが、ふたりを見てしまった。
エミリーとリードの距離
リードが自宅に帰るとエミリーは喪服を脱いでいた。
驚くリードに「施設に行く」とエミリー。
「行かないでくれ。私がキミを必要としてるんだ。少しは私のことも考えてくれ」と言うリードを置いてエミリーは出て行ってしまう。
ストを終結させるために計画
絶体絶命
ゾトキンはジャクソンに声をかけ、待ち合わせの場所に行かなかったのは、警察につけられていたと説明。
「組織にサツのスパイがいる。俺の家は見張られてる。お前の家へ行こう」と言う。
ゾトキンを連れて娼婦宿へ戻ったジャクソンは、コンスタンタイン警視とカレの部下に傷めつけられ、拘束されているスーザンを見て「この野郎」と銃を構えるが、後ろからゾトキンに頭を殴られ気絶させられてしまう。
コンスタンタイン警視の要求
意識を取りもどしたジャクソンは、椅子に拘束されていた。
コンスタンタインは、「自白の供述書」にサインをしろと言う。
その供述書には、倉庫の爆破はジャクソンとスト参加者が起こしたテロと言う内容だったと言う。
更にコンスタンタインは、「過去10年の米国出国記録に、ジャクソン大尉の名前がない。ピンカートン探偵事務所に在籍した記録もない。ホーマー・ジャクソン、お前はほんとうは誰なんだ?罪を着せる人間が必要だ。キミになってもらう」とコンスタンタイン。
しかしジャクソンは、「モリスはお前の手下になるような男じゃない。モリスを操ってるつもりだろうが、お前が操られてる。ヤツは空の倉庫なんかよりロンドンを爆破するぞ!」と言うが、拷問を受け続け、「OK、サインする」と言う。
しかしジャクソンは、隙をついて何とかふたりを気絶させ、脱出した。
爆破事件を阻止するために
モンロー警視総監の考え
リードはアバーラインを呼び出し、「なぜ公安課がマチルダのことを知っている?私は警部にしか打ち明けていない」と問いただす。
アバーラインは、「言わされた。お前が作戦を邪魔するから。そして、お前に最終警告しろとモンローから言われた。嗅ぎ回るのを止め、沈黙するんだ。でないとお前に不利なことをでっち上げ、辞職させると」と言う。
ジャクソンの情報
悔しさのあまり署内の部屋で暴れていたリードの元に、ケガを負ったジャクソンがやってくる。
「コンスタンタインがモリスに爆弾を。空の倉庫を爆破すると言ったがそんなワケがない。コンスタンタインは娼婦宿でノビてる」と。
それを聞いたリードは「馬車を用意しろ!」と叫んだ。
ロシア大使ボルスキーを拘束
リードはドレイクとジャクソンを伴いロシア大使ボルスキーを拘束する。
ボルスキーは、「コンスタンタイン警視に聞くんだな」と言うが、「コンスタンタインは真実を知らない。暗号を解読した。ゾドキンの目的はロンドンを大惨事に陥れることだ。場所を言え!」リードは迫る。
するとボルスキーは、「もう遅い。毒の雨にやられるさ。お前の負けだ」と言う。
その言葉でドレイクは、「薬品倉庫だ!」と気づく。
薬品倉庫で
薬品倉庫に着いた3人は、時限装置が時を刻む音を聞き、爆弾を探す。
しかし倉庫にゾドキンが隠れており、ドレイクとジャクソンは襲撃される。
時限爆弾を見つけたリードは、爆弾の解除をジャクソンとドレイクに頼み、ゾドキンを追いかける。
ジャクソンはドレイクの助けを借り、なんとか事件爆弾を止めた。
リードはゾトキンを追いかける。
すると、「まだ始まったばかりだリード。声のする方へ来い」とゾトキン。
そこには身体中に爆弾を巻きつけたゾドキンが立っていた。
ゾトキンは、「ロンドンを破壊した上にユダヤ人のせいでできれば最高だ」と言うが、後ろから近づいたジャクソンに導火線を切られ、ドレイクのパンチを浴び、気を失った。
解決して
事件は解決した。
モンロー警視総監はリードに、「爆破を阻止し、ストは無事に終わった。警視庁はキミに感謝する」と言う。
コンスタンタインは左遷されるが、ゾドキンは、ロシアが拘束している英国スパイと交換されることに。
リードは虚しさを抱えたままアイザックを訪ね、何もできなかったと謝罪した。
アイザックはフクザツな気持ちを吐露し、リードのことを信仰の人なのかも知れないと言うのだった。
感想
エピソード題の「Tournament of Shadows」は、ロシア大使館ボルスキーが言った「影追いゲーム」と言う意味ですね。
ロシアも絡んでのかなり政治的な難しいネタでした
モンロー警視総監にコンスタンタイン公安警視
こんな位に高いひとがロシアに騙され、ロンドンの街を大惨事に陥れられそうになったと言うのに、モンローはおとがめなし、コンスタンタインは左遷で終わるなんてね?
もっとリード、ドレイク、そしてジャクソンが評価されるべきだわ。
あー、そういえばジャクソンは何者なんでしょうね?
記録にないのは事実なのでしょう。
リードとゴレンは惹かれあってたんですね。
リードがゴレンに気持ちが揺らいでるのは、娘マチルダを亡くして(失踪)以降、夫婦仲がギクシャクしてることが原因のひとつかも知れませんが。
リードとゴレンのキス現場を目撃してしまったドレイクの気持ち、考えてやってぇ~(笑)
上司だわ、奥さん知ってるわ、自分はローズに失恋したわのドレイクなんだから。
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