ラスト・キングダム最終話
#10 あらすじ
ウートレッドがフィナン、シトリックと共にエルフウィンを助け出そうとする中、エセルヘルムは孫息子をウェセックス王にするべく、コンスタンティン王をコントロールしようとするが、コンスタンティン王は、自らの手でノーサンブリアを勝ち取ろうと大胆な作戦に出る。
一方、べバンバーグを死守したいウィットガー。エドワードはイングランド統一の夢を懸け、軍を率いてべバンバーグを襲撃するが・・・。
名軍入り交じる最後の死闘を描くラスト・キングダム最終話。
相関図
まとめ
べバンバーグ(現バンボロー)ノーサンブリア王国 ①
ウートレッドの合図を待つことができず、ウェセックス軍とマーシア軍を率いたエドワードは、「エセルヘルムとエルフウィン姫を差し出せ。断れば要塞を包囲し、攻撃する」と宣言。
エドワード王の宣戦布告にウィットガーは矢を射り、(応じる気はない)と意思を示す。
統制できないエセルヘルム
エドワードの宣戦布告にエセルヘルムは、「要求に応じる必要はない。スコット軍が来るまでの時間を稼ぎましょう。まずは婚礼を済ませて」とコンスタンティンを説得するが、ウィットガーから、「守備は完璧だが念の為にエルフウィン姫を避難させてはどうか」と提案されたコンスタンティン王は、婚礼をやめ、エルフウィンをウィットガーに預けることに。
思惑どおりに事が運ばないことにエセルヘルムは、「ここは難攻不落の砦、エドワードには好きなようにさせておけば良いのです」と言うが、「待つのは性に合わぬ。エドワードが門まで来たら応じる」と自らの考えで動くと宣言されてしまう。
その頃、ウィットガーの兵士に捕まったフィナンとシトリックは、隙を見て反撃、脱走に成功する。
ウィットガーの策略
べバンバーグを死守したいウィットガーは、エルフウィンを櫓へ連れて行くと、姫の喉に剣をあてがった姿をエドワード軍に見せる。
エルフウィンは果敢にも、「こんなことをしても意味はない。王は私を助けない」と言うが、「ならば突き落とせ!残忍さを示す」とウィットガー。
その時、背後からウィットガーを襲い、首に剣をあてがう兵士が!
べバンバーグ兵士に変装したウートレッドだった。
ウートレッドは臣下ヤーヒャに、「エルフウィンを解放すればウィットガーを殺さない」と迫り、エルフウィンを解放させると、「逃げろ!」と叫び、自分もエルフウィンの後を追う。
「逃がすな!捕らえよ!」とウィットガー。
ウィットガーはウートレッドにべバンバーグを奪取される恐怖から半狂乱となり、コンスタンティン王とエセルヘルムに、「同盟は何の得にもならず、それどころかオレの要塞にウートレッドが入り込んだ」と怒りをぶちまけるが、「だったら捜せば良いだけの話し」とコンスタンティン王は武装兵を動かすことに。
エドワード王の襲撃
その時、砦の門を木槌で打ち込む音が聞こえ始める。
エドワード軍が先制部隊を動かしたのだ。
要塞を守るため、べバンバーグ兵士は必死で応戦、次々と弓矢で殺され、溶かした熱い銅をかけられ苦しみもがき、焼き殺されはじめるエドワードの兵士たちー・・・それでもエドワード王は動じない。
しかし応戦するべバンバーグ兵も苦戦を強いいられていた。
門を破壊されるのも時間の問題と焦るヤーヒャは、その時、数キロ先の教会から狼煙があがっているのに気づく。それは、コンスタンティン王の甥:ドムナム率いるスコット軍がべバンバーグに近づいて来た合図だった。「助かった」とヤーヒャ。
エルフウィンの救出
脱走したフィナン、シトリック、そしてヒルドと合流したウートレッドは、広間を見下ろすエルフウィンを発見、(そこで待て)の合図を送るとヒルドに、「オレたちが衛兵の注意を引く。エルフウィンをピヤリグ神父のところへ届けて欲しい」と頼む。
ヒルドはエルフウィンを庇いながら、二度と持ちたくなかった剣で兵士を倒し、海門へと逃げようとするが、そこに大勢の兵士が走り込んできた。
ヒルドとエルフウィンは捕まることを覚悟するが、兵士たちはふたりに目もくれず通り過ぎると、海門から船で逃げてしまう。そのおかげでヒルドはエルフウィンを無事にピヤリグ神父の元へと届けることに成功する。
コントロールできないコンスタンティン王とエセルヘルム
エルフウィアドは、「負けたも同然、ボクが父上に許しを請います」と言うが、「お前はすでに反逆者だ。動じず王となる時を待て」と言い聞かせるエセルヘルム。
ふたりのやり取りを聞いていたコンスタンティンは鼻で笑いながら、「たいそうな約束だが教えてやろう。潮目が変われば策を変えるべきだ」と言い切るが、そこに、「スコット軍が近づいている」との報告が入る。
その知らせにいきり立ち、「私の読み通りだ。勝つのは私たち」と言い出すエセルヘルム。
しかし門は破壊される寸前だった。
それでもエセルヘルムは、「エドワードは衝動で動く男、私の思惑どおり真正面から来た。存分に攻めさせればいい。背後から来るスコット軍には気づかない」と言うが、コンスタンティン王は、「ならばエドワードの自尊心を利用するまで。私も参戦する」と宣言、海門を開いて戦いを望まぬ兵士を逃がし、兵を門から下げて手薄にし、エドワードに要塞を捨てたと思わせる作戦を実行することに。
またもエセルヘルムはコンスタンティンのコントロールに失敗する。
その作戦を聞いたウートレッドは、エドワード軍の背後からスコット軍が迫っていることを知らせるため、櫓の出ることに。
たまらない思いでエドワードの命令を待つアルドヘルム、アゼルスタン、そしてウートレッドの息子。
だがエドワードは、動こうとしない。
戦に参戦しようと意気込むコンスタンティンにエセルヘルムは、「戦は兵士に任せるべきだ」と言うが、「それは腰抜けの発言だ」と言われてしまい、思い通りに操縦できないエセルヘルム。
そこへウィットガーが、「海門を開けたせいで多くの兵士が逃げ出した」と怒りやって来た。だがそんなことなど気にもとめず、「逃げると見せかけた。敵は進軍してくるぞ、兵を下げろ」と命じるコンスタンティン。
ウィットガーの臣下ヤーヒャは躊躇するが、「お前の主は私に忠誠を誓った、やれ」とコンスタンティン。
仕方なくヤーヒャは櫓の兵士に撤退を指示する。
その頃、櫓にあがったウートレッドは、エドワード軍の背後からスコットの大軍が押し寄せているのを見て、挟み撃ちにする作戦だと気づく。
ウートレッドは何とかそれをエドワードに伝えようとする・・・・
エドワード
その頃、劣勢から巻き返していることに気づいたエドワードに、偵察に出ていたアルドヘルムから、「海門から多くの兵士が逃げている」との報告が入る。それがコンスタンティン王の戦略と考えもしないエドワードは、「歩いて兵を率いる」と出撃を決める。
ウートレッドの息子は、「敵軍が迫っているのかも知れない。危険です」と忠告するが、エドワードは、「神は味方だ。兵士でもないヤツは黙れ、お前は戦場に必要ない」と耳を貸さず出撃してしまう。
エドワード軍 vs べバンバーグ兵、スコット軍
べバンバーグ要塞
ウートレッドはエドワード軍の出撃を止めようと櫓から、「攻撃を止めろ!」と叫ぶが、まったく伝わらない。
コンスタンティン王は兵士を門前に集め突撃の準備に入るが、エセルヘルムは孫息子エルフウィアドと要塞の上階に避難することに。
エドワード軍の出撃
徒歩で要塞へと出撃するエドワード軍
背後からスコット軍の襲撃を受けるエドワード軍
その時、コンスタンティン王の甥ドムナム率いるスコット軍が雄叫びをあげながらエドワード軍の背後から襲撃をかける。
それに気づいたアルドヘルムは盾の壁を作るが、スコット軍の攻撃に、崖へと後退することにー・・・
エドワードは、「このままでは海へと押し込まれる、押し返すのだ!」と指示するが、スコット軍の圧力はすごく、兵士が崖から落ち始める・・・
そのとき、要塞からコンスタンティン王率いる軍が飛び出し、エドワード兵士を始末しながら、エドワード軍に近づいていくー・・・
ますます劣勢となるエドワード軍
この状況を櫓から見ていたウートレッドは、森にいる娘スティオラに気づく。
すぐさま従者と共に馬で森へと向かうウートレッド。
ウートレッドとスティオラ
ウートレッドは、「頼む、兵を貸してくれ」と言うが、「負け戦に加わる気はない。エドワードは自滅した」とスティオラ。
ウートレッドは、「やるしかないんだ。危険は承知だ。お前の兄もアゼルスタンも戦ってる。彼らを見捨てるのか?サクソンの王への恨みはわかる。だがオレが約束する。同じ神々を信じるものとして提案させてくれ。デーンの戦士よ、オレとノーサンブリアのために戦ってくれ。勝ち取った土地はサクソン人とデーン人が共に暮らせる場所にする。森に潜むことなく土地と家を持って暮らすんだ。サクソン人のためじゃなく自分たちのための戦いだ。先祖が命がけで得ようとしていた土地を得て母国を築くんだ。ついてきてくれ。サクソン人とデーン人の誇りにかけて約束する」と言い切る。その熱い心にスティオラや仲間たちは戦う覚悟を決める。
デーン戦士の加勢
崖まで追い込まれたエドワード軍。
もうムリかと思われたその時、ウートレッドがデーン戦士を率いて参戦する。
激しい戦いでスティオラの臣下ウォーランドは死んでしまうが、デーン戦士の反撃で持ち直したエドワード軍。
この状況に、「要塞を焼き払い、人質をできるだけ多く取れ!」と臣下に指示するコンスタンティン王。
べバンバーグ要塞
松明を持つスコット兵が要塞めがけて走り込む中、要塞に陣取っていたウィットガーと臣下ヤッヒーは弓矢で撃退、要塞を必死で守る。
一方、撤退しはじめるスコット兵士を見たエセルヘルムは、エルフウィアドを安全な場所へと匿うことに。
べバンバーグの奪還
要塞に残るウィットガーを見つけたウートレッドが要塞へと走り込むと、「近づくな!命はないぞ」とウィットガーが立ちはだかる。
ウートレッドは、「1対1で戦え」と言うが、「あんたの方が剣の腕は上だ」と言い、兵士とヤッヒーの3人がかりでウートレッドに襲いかかる。
ウートレッドは兵士とヤッヒーを始末し、ウィットガーと対峙するが、「オレは降伏しない。べバンバーグは代々息子が親父を殺してる。今度はお前が息子に殺される運命だ」と言われ、上階からウィットガーを突き落とし殺害する。
ウートレッドはべバンバーグを手中に治めるが・・・要塞は炎に包まれていた・・・
真実とエセルヘルムの最期
ウートレッドが要塞へと張り込むのを見たアゼルスタンは、応戦のために要塞に入るが、そこでエセルヘルムを発見する。
アゼルスタンは、「こんな殺し合いを仕向けておいて隠れていたのか!」と言うとエセルヘルムの首に短剣をあてがう。
だがエルフウィアドが現れ、「やめてくれ。キミと戦いたくない。命だけは助けてくれ」と剣を向ける。
アゼルスタンは、「いい加減に目を覚ませ、コイツはキミとウェセックスを何度も裏切ってる。さぁ自分の口で誰を殺したか告白しろ」と迫るが、エセルヘルムは、「孫を守るためだった。孫は許してくれる」と決して真実を告白しようとしない。
なんのことか?とエルフウィアドに問われても、真実を言わないエセルヘルムの業を煮やしたアゼルスタンは、「キミの母親、王妃を殺したのはコイツだ。皆が知る事実だ」と告げる。それでもエセルヘルムは、「真実じゃない。理由はある。人違いで起きた事故だったんだ」と言い訳するが、「お祖父様の刺客がやったのですか?お祖父様は父上に責任を押し付けましたよね?」とエルフウィアド。
それでも、「王に責任があるのだ。カレの無関心が王妃を追い詰めたんだ」とエセルヘルム。
だがエルフウィアドは、手から剣を落とすと、「好きにすればいい・・・」と力なく去ってしまう。
アゼルスタンは、「真実を告白したことに免じて命は助けてやる」と言うが、エセルヘルムは自ら自害してしまう。「私の名誉ある死を孫に伝えてくれ」と言う言葉を残して・・・
北欧の雷神トール
炎に包まれる要塞に立ち尽くすウートレッド。もう消火は不可能だった。
アゼルスタンは逃げて欲しいと懇願するが、「ダメだ、最後まで見届ける。オレはべバンバーグで死ぬ運命なんだ」と動かないウートレッド。
その時、空から雷鳴が聞こえ、雨が降り出す。
雨の勢いで鎮火しはじめる要塞。べバンバーグ兵士たちの歓声が聞こえたー・・・
べバンバーグ領主ウートレッド
スコティア王国のコンスタンティン王がべバンバーグ要塞に、アルドヘルム、キンラフ、ウートレッドの息子たち人質を引き連れ、人質交換にやって来た。
「私がべバンバーグ領主でありこの要塞一帯を継ぐ者」と名乗るウートレッドを、「支配者だと理解した」と受け入れるコンスタンティン王。だが、「6対1の人質交換では割が合わない。スコットランドに忠誠を誓え」と言い出す。だがウートレッドはそれを拒否する。
コンスタンティン王は、「私は今後もここを狙う。忠誠を誓えば長い和平を望めるぞ」と言うが、ウートレッドは、「いつでも受けて立つ。だがあなたが長い和平を望むならこちらの条件を話す」と持ちかける。
ウートレッドは息子ウートレッドと娘スティオラと再会、抱き合う。
ウートレッドとエドワード王
エセルヘルムの反乱に加担したスコット軍に勝利したエドワードは、「キミの武勇伝は後世語り継がれる。命の恩人だ。デーン戦士にも救われた。今後はこの地で平穏に暮らすことを認める。ノーサンブリアのウートレッド卿、継承権の奪還を心より祝福する」と言う。
エルフウィンも祖母エルスウィズと再会を果たし、許婚のキンラフと再会
イングランド統一を阻む存在
父王アルフレッドの夢、イングランド統一を実現させたと信じて疑わないエドワードは、改めてウートレッドの活躍を賞賛すると、「皆の前で忠誠を受け入れ、イングランド統一のよろこびを分け合いたい。これからもスコットランドに勝ち続けよう」と言うが、「コンスタンティン王は手を引きました。べバンバーグをあなたに譲らないことが条件です。べバンバーグは中立を貫き、国の平和を維持します。ノーサンブリアはイングランドの支配下には入らず独立国として残る」とウートレッド。
その返事にエドワードはウートレッドを睨みつけ、「ここにきてウェセックスを裏切るのか」と言うが、ウートレッドは、「イングランド統一はいずれ実現する。あなたは立派に領土を広げた。だがこの国を統一できるのは民が一致団結して従える王です。あなたはその器じゃない。サクソン人とデーン人の対立を招いた人物だ。統一が実現する未来を静かに待つべきだ」と言い切る。
ウートレッドは中庭に集まる兵士たちに、「べバンバーグに!」と盃を掲げる。兵士たちはウートレッドコールで答える。
感想
約4ヶ月、壮大なイングランドの史実ドラマ「ラスト・キングダム」にどっぷりハマり切りました。
多少の脚色はあるにしても、これが今のイングランドの土台なわけで、ほんとうに見応えがありました。
べバンバーグの櫓に立ち、これまでの過去に思いを馳せるラストシーンは、ドラマを見続けてきた私まで胸に迫るものがありました。
戦争によって運命を狂わされ、たくさんの人に愛され、愛する女性を3人失い、サクソンとデーンの間で生きたウートレッドにはこれからも試練があるのでしょう。
シーズン5に渡って夢に見てきた奪還を果たしたウートレッド卿の息子ウートレッド。
サクソン人でありデーンとして生きた男の人生は見応えがありました。
このドラマには、「死すべき7人の王」と言う映画があります。
引き続き映画ではありますが、みるつもりです。
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