ラスト・キングダム 死すべき7人の王(映画版)

海外ドラマ
海外ドラマラスト・キングダム

5シーズンに渡って描かれたドラマ「ラスト・キングダム」。
「死すべき7人の王」はドラマのその後が描かれています。(2023年Netflix配信)
やっぱり、ドラマを見た人には見て欲しい映画ではあります。
映画をまとめているのでレビューは長めです。
これまでの登場しなかった王が出てくるので、最初は理解が追いつかないかも
なんせドラマではなく映画なので2時間で完結させるべく、端折っているところもあるので。
時系列と相関図を参照してもらえたらうれしいです

史実(時系列)

924年 エドワード王死去  
 

アゼルスタン、ウェセックス、マーシア、
イースト・アングリアの統一王となる

エルフウィアド死去
(父エドワードの死後数週間)
927年 アゼルスタンノーサンブリアを征服
”イングランド”最初の王となる。
 
934年 アゼルスタン、スコットランドに侵攻  
937年 アゼルスタンの支配に反旗を翻したヴァイキング、スコット人の連合軍がイングランドを侵攻、”ブルナンブルの戦い”となる。  
939年 アゼルスタン死去  

「7人の死すべき王」では、エドワード王が死去した924年から、アゼルスタンがブルナンブルの戦いに勝利する937年までを描いています。
映画がサクサク進むので、まるで1年以内の展開に感じますが、史実上では13年もの月日が流れています

相関図

あらすじ

ウェセックス、マーシア、イースト・アングリアを治めるエドワード王が死去、アゼルスタンとエルフウィアドは王位継承の座を争うことに。ウートレッドは内乱勃発を恐れ、エルフウィアドに降伏を促すが、アゼルスタンは非情にもエルフウィアドを殺害、力づくで王位を獲ってしまう。

まとめ

貪欲なアイルランド王アンラフ

エドワード王が死ねば王位を争い必ずサクソン人は内乱を起こすと読んだヴァイキング出身のアイルランドダブリン王国アンラフ(1人目)は密かにノーサンブリア西に上陸、村々を襲撃すると、娘アストリードをスパイとしてウェセックスへ送り込み、オークニー国王、シェットランド国王、マン国王に「同盟を結びたい」と伝令を送る。

エドワード王逝去と息子たち

ウィンチェスター:ウェセックス王国

エドワード王が逝去した。
エドギフ王妃は夫の死を悲しむ間もなく、エルフウィアドが送り込んだ兵士から逃げるべく、アルドヘルムの進言で、息子エドマンドと共にべバンバーグに逃亡を余儀なくされる。

父王エドワードの死の知らせ

父王の回復を祈りグラストンベリーの修道院で祈りを捧げるアゼルスタンの元に、”エドワード王の死の知らせにやって来たピヤリグ神父は、一刻も早くウィンチェスターに戻り王位継承を急ぐべきだと進言するが、アゼルスタンは側近イングルマンダーの、「まだ神からそのお告げはない」と言う言葉に従ってしまう。

イングルマンダーは占いを使うと、「神が戦えと言っている」と告げ、アゼルスタンに弟エルフウィアドと戦うよう進言する。

【イングルマンダーとは】
アゼルスタン軍の指揮官。テルウェールに自分の軍隊を持っている。
生まれはデーンだがサクソン人として生きてきたと言い、予知能力がある敬虔なキリスト教徒。
アゼルスタンはすっかりイングルマンダーに傾倒、マインドコントロールされている。

べバンバーグ(現バンバラ)ノーサンブリア王国

ウートレッドはエドワード王に忠誠を誓わず、べバンバーグ太守としてノーサンブリア一帯を統治していた。
そこへアルドヘルムがエドギフ王妃とエドマンド王子を匿って欲しいとやって来る。
事情を聞いたウートレッドは、ノーサンブリア王国はアゼルスタンを新王として認めると言うが、「そうなるとは限らない」とエドギフ。
ウートレッドは、アゼルスタンが信仰にのめり込み、すっかり変わってしまったこと、エルフウィアドが王位を狙い、貴族を味方につけ、豊富な資金力で兵士を雇い、イーグリスバーグ(マーシア)で決起したと聞き、「軍隊ができる前にエルフウィアドを止めべきだ」と判断、傭兵を装いイーグリスバーグへと向かうことに。
ウートレッドは息子オズバードにべバンバーグを託し、エドマンド王子の剣術を教えるよう頼む。

ウートレッドはデーン人を敵視したエドワードはイングランド統一王の器ではないとし、忠誠を誓わず独立したが、アゼルスタンが王位に就いた暁には、忠誠を誓うと約束していた。

フィナンの妻イングリスは3日3晩、”7人の王と愛する女性が死ぬ”と言う予知夢を見たと言うが、ウートレッドは、「自分は王ではないし愛する女性もいない」と一蹴する。

イーグリスバーグ(現アリスバーリー)マーシア王国

雇われ兵士としてイーグリスバーグの町へと入ったウートレッドたちだが町はすっかり荒廃していた。
ウートレッドはアゼルスタンがエルフウィアドの戦の申し入れを受け進軍してくること、エルフウィアドはアゼルスタン軍を門前で背後から挟み撃ちにする作戦を立てていると知り、戦になる前に手を打つため動き出す。

兄弟の戦い

夜が明けた。
アゼルスタンは指揮官イングルマンダーと共に兵を率いてやって来た。
アゼルスタンは門前で、エルフウィアドに向かい、「降伏しろ。しなければ門を破り皆殺しだ」と宣言するが、「降伏はしない。門も開けない。落とし子を話す気はない」と一歩も引かないエルフウィアド。
しかしアゼルスタンは既に背後から襲撃予定だったエルフウィアド兵士たちを襲撃、捕らえていた
アゼルスタン優位は一目瞭然だった。
ウートレッドは兄弟の戦いを止めるべく、「私を信じて降伏するのです。門は私の兵士が押さえた。兵数でもアゼルスタン軍に勝ち目はない。戦いは不要だ」と説得、エルフウィアドは仕方なくウートレッドの説得を受け入れることに。

裏切り

エルフウィアドは門を開けアゼルスタンに降伏を示すが、アゼルスタンは受け入れると見せかけて、エルフウィアドを刺し殺すと・・・

「兵士を皆殺しにしろ」と襲撃を指示、その合図でアゼルスタンの兵士たちはイーグリスバーグになだれ込み、降伏を示す兵士を次々と殺し始める。
その光景は虐殺だった。
ウートレッドは、「兵士は降伏してる!殺すな!」と叫ぶが、お構いなしの指揮官イングルマンダー。
ウートレッドもどさくさに紛れた兵士の襲撃に遭い、刺され、琥珀の剣を盗まれてしまう
それでもウートレッドはアゼルスタンを見つけ出し、「すぐに兵を引け、敵は降伏してる。攻撃をやめろ!」と要求、アゼルスタンは、攻撃中止を指示する。

アゼルスタン軍の指揮官イングルマンダー

しかしイングルマンダーが、「勝利は目の前だ。攻撃再開を指示しろ」と言い出す。
ウートレッドは、「お前は嘘をついて弟を殺した。雇われた兵士に罪はない。考えろ、今は国をまとめるときだ」とアゼルスタンの卑怯な行為を叱責する。
アゼルスタンは、「ウートレッドが正しい」と攻撃再開は指示しなかった。

面白くないイングルマンダーは今度はウートレッドに、「約束を守りノーサンブリアをアゼルスタンに渡せ。アゼルスタンに忠誠を誓えばイングランドはひとつの国になる」と言い出すが、「王になら誓うがまだ王ではない。ウィンチェスターで渡す」とウートレッド。イングルマンダーは、「言い逃れだ!」と納得しないが、アゼルスタンは、「ウートレッドは約束を守る男だ。宮殿に来い、和解しよう」と言う。

自分の思い通りにならないアゼルスタンにイングルマンダーは、「なぜ私たちの計画がバレた?ウートレッドがあなたに見張りをつけているのかも。アルフレッド大王を裏切った男をいつまで信じるのか」とウートレッドとの決別を示唆するが、アゼルスタンはウートレッドへの信頼を口にする。

スコティア王国 コンスタンティン王

エドワードの息子たちの争いの末、アゼルスタンが弟を刺殺、勝利したと知ったコンスタンティン王(2人目)は、アゼルスタンと条約の継続(停戦を続けること)を打診する伝令を出すと言うが、「アイルランドのダブリン王国のアンラフ王が会いたいと要請されている」と臣下ドムナム。その集会には、マン王国、シェットランド王国、オークニー王国の王が集うと言う。

アゼルスタンの戴冠式

アゼルスタンをコントロールするイングルマンダー

ピヤリグ神父によりアゼルスタンは戴冠、ウェセックス、マーシア、イースト・アングリア国王となった

アゼルスタンは戴冠式にイングルマンダーの姿がないことに怒り、欠席した理由を問いただすが、悪びれもせず、「聖書を読んでいた」とイングルマンダー。だがウートレッドも欠席したと知ると、「愚かな男だ。あなたを苦しめている」と批判、抱きしめると、キスする。アゼルスタンは驚くが、欲望のままキリスト教徒には禁断の関係を持ってしまう。

だがアゼルスタンは禁断の関係を持ってしまったことに、「これは神への冒涜だ。重罪だ」と悩み苦しむが、イングルマンダーは、「信仰を深めれば良いのです。デーン人にもキリスト教を布教するのです。それで神は認めてくださる」と言い含める。

すっかりイングルマンダーにマインドコントロールされているアゼルスタンは、イングルマンダーの進言で、ノーサンブリア最南端のエフォウィックを襲撃、統治下にすると、サクソン人だけじゃなく、ブリテン中の王に貢物を持ってくるよう要求する。

ウートレッドの苛立ち

アゼルスタンがエフォウィックを統治下にしたと聞き、ウートレッドは、自分の統治下と知っていてもなお侵攻、統治したことに違和感を隠せず、従者と共にエフォウィックに向かうことに。

エフォウィック(現ヨーク)ノーサンブリア

暴君アゼルスタン

アゼルスタンは”教会の建立費”の名目でサクソン人だけでなくブリテンの王からも貢ぎ物を徴収、条約継続のためやって来たスコティア王国コンスタンティン王の臣下ドムナムを無下に扱った挙げ句、頭を下げるよう要求するなど無礼極まりない暴君ぶりをみせる。
ウートレッドはアゼルスタンの振る舞いと思えないと言うが、ピヤリグ神父は、「陛下は頻繁に神に許しを請うているがその理由はわからない。だが諸国を征服して民に洗礼を強制すると言い出している」とアゼルスタンの暴君ぶりを暴露する。

ウートレッドはアゼルスタンを止めようとするが、アゼルスタンはストラスクライドのオワイン国王(3人目)の先祖が立てた岩(悪魔の岩)を神への冒涜を理由にオワイン国王の目の前で破壊、屈辱を与えただけでなく、恩義があるウェールズ(ウェラス)ハウエル王(4人目)にまで服従を求める有り様。

エドワード王時代、ウェールズ王国ハウエル王はテテンホールでのクヌート軍との戦いに援軍を出し、エドワード王を勝利に導いた(ココ

ウートレッドはアゼルスタンと話をしようとするが、テント内でアゼルスタンとイングルマンダーが親密な関係であるのを見てしまう。

アゼルスタンはウートレッドの土地に踏み込んだ理由について、「(ウートレッドが)約束を守らなかったからだ」と主張するが、「お前に過ちに気づいて欲しかった。デーン人に改宗を迫るなど敬意がなさすぎる」とウートレッド。しかしアゼルスタンは、「罪を償うためだ」と言う。
それがイングルマンダーとの関係を示唆していると気づき、「誰と寝てもいいが欲にかられた者の言葉を聞くべきじゃない」とウートレッド。だがその言葉で禁断の関係がウワサになっているのかと焦るアゼルスタン。ウートレッドは、「誰も何も言ってない。オレは気にしない。お前は優しいが弱い。イングルマンダーは権力が欲しいだけだ。だから弟を殺させたんだ、目を覚ませ」と説得するが、アゼルスタンには届かない。

アルドヘルム

真夜中、密かにやって来たアルドヘルムは、イングルマンダーがウートレッドを神の敵と宣言、信徒に殺害するよう命じ、自分は関係がないことを装うため、既にエフォウィックを出発したと言うと、ウートレッドたちを逃がす。

だが翌朝、アルドヘルムはウートレッドに情報を流し、アゼルスタンに背いた罪で突き出されることに。

アンラフの娘アストリードが見ていてリーク密告した

「これまで共に戦って来た。今のあなたは自分を見失っている」と説得するアルドヘルムに、「私を裏切りウートレッドと組んだ。私もそうする」と言うと処刑を命じる。
アルドヘルムはアゼルスタンの決断を受け入れ、自ら首を吊った。

モン・アイゲ(マン島)

アイルランド、ダブリンのアンラフ王の呼びかけで、オークニー国王(5人目)シェットランド国王(6人目)マン国王(7人目)、そしてスコティア王国のコンスタンティン王(2人目)が集まった。
アンラフは、アゼルスタンが彼ら国王の諸国を狙っていると言い、「侵攻してくる前に戦い奪おう」とアゼルスタン軍との戦を煽るが、「スコットランドは参加しない」とドムナム。だがアンラフは、「戦争になる。どちらにつくか選べ」と迫る。

ウートレッド vs イングルマンダー

兵を率いてべバンバーグにやって来たイングルマンダーは、「ウートレッドの要請で警備に来た。エフォウィック滞在が長くなるからべバンバーグの守備を手伝う」と言うと、開門を要求、ウートレッドの息子オズバードはイングルマンダーを要塞内へと入れるー・・・

が、イングルマンダーを要塞へと入れたのは、ウートレッドの作戦だった。
アルドヘルムからイングルマンダーがべバンバーグを制圧する気だと聞き、ウートレッドたちは先に帰還していたのだ。
イングルマンダーを捕らえたウートレッドは、「アゼルスタンをコントロールするのもここまでだ」と言うと、地下牢にぶち込み、アゼルスタンに、「イングルマンダーを返して欲しければ、ノーサンブリアとの和平と不可侵を約束し、改宗させるな」と伝令を送る

イングルマンダーの画策

数日後、ウートレッドは女中ワッサの導きで向かった洞窟で、イングルマンダーの兵士に捕らわれてしまう。

イングルマンダーはキリスト教徒のワッサを、「協力しなければ地獄で焼かれる」と脅し、協力させた。

べバンバーグはイングルマンダーの兵士に制圧された。
地下牢から出されたイングルマンダーはエドギフ王妃をリンディスファーン修道院送りにし、エドマンド王子とウートレッドの息子オズバードをイングルマンダーのテルウェール軍に入れると言う。

根底にあるもの

アゼルスタンは忠誠を求めても拒否するウートレッドに、「では死んでもらうしかない」と剣をあてがう・・・

が、処刑することができず、「私が代わりにやる」と言うイングルマンダーを制すると、武器を取り上げ、身ぐるみはがすと、「我が国から追放する。地の果てをさまよえばよい。逆らえば息子の命はない。カレに情をかけるものは王の敵と見なす」と宣言、追放してしまう。

アゼルスタン、スコットランド侵攻

服従を強いられ、アゼルスタンのスコットランド侵攻に加わることになったウェールズ(ウェラス)国王ハイラルは村々を襲撃して進軍する中、「スコットランドは敵ではない。キリスト教徒に刃を向けるなど神はお許しにならない。兵士も望んでいない」とアゼルスタンを諭すが、アゼルスタンは聞く耳を持たず、挙げ句には、「反対する兵士を排除してあなたの息子を呼ぶ」と脅す始末。

助けられたウートレッド

薄い布1枚の姿で寒い北の大地に放り出され、死にかけていたウートレッドはデーン兵士に助けられる。
彼らはウートレッドをシェットランド諸島へと連れて行くが、そこにはマン島、オークニー島の兵士と王たちも集結していた。”ノーサンブリアの王”と紹介されたウートレッドは、「王ではない」と答えるが、「我々は味方だ」とアンラフ。

ウートレッドは同盟にスコットランドのコンスタンティン王が加わっているのを見て、「同盟を破るのか?」と迫るが、「停戦を破ったのはアゼルスタンだ。異教徒と手を組んだのは国を守るため」とコンスタンティン王。

アゼルスタン軍に村々を襲撃されたコンスタンティン王はアンラフたちと同盟を結んだのだ。

アンラフはスパイを送り込み、アゼルスタンの情報を掌握しており、王たちもそれを共有していた。
コンスタンティン王とシェットランド王、そしてアンラフ王は、「この同盟に加わり、暴君に立ち向かおう。多くの命を救いたいなら、ひとり王を殺せばいい。でなければ戦争になる」と言う。
だがウートレッドはイングルマンダーがアンラフの息子でスパイだと知ってしまう

驚愕の真実

アンラフ王たちからアゼルスタンを殺すよう命じられたウートレッドはウィンチェスターへ入ると、アゼルスタンと謁見、「私を許し、息子をお返しくださるなら陛下に忠誠を誓う」と申し入れる。
アゼルスタンはそれを受け入れる。

ウートレッドはアゼルスタンに忠誠を誓うと、驚愕の真実(”イングルマンダーはアンラフ王の息子でスパイ。キリスト教に改宗などしていない”)を伝える。
アゼルスタンは動揺し、「ウソだ」とウートレッドに殴りかかるが、「今ならまだ先手を打てる。あいつまだ陛下が真実を知ったことに気づいていない。アイツは聖人だと陛下に信じ込ませ、コントロールしていたんだ。信じて欲しい。彼らの同盟は巨大だ。このままじゃ征服される」と言うが、アゼルスタンは、「ウソだ、信じない。消え失せろ!」とウートレッドを宮殿から放りだしてしまう。

しかしそこへフィナンとシトリックがタイミングよくやって来た。
ふたりは宮殿で働くデーンの女から、ウートレッドが迎えに来るよう言ってると伝令を受け取ったと言う。
それを聞き、「べバンバーグの守りが手薄だ」とすぐに戻ることに。

襲撃されたべバンバーグ

ウートレッドの予感どおりべバンバーグはアンラフの手下の襲撃を受けていた。
フィナンは妻イングリスを捜すが姿がない。それどころか誰の姿も死体さえもなかった。
そこへ隠れていたエドギフが出てきた。
リンディスファーン修道院にいるはずのエドギフだが、べバンバーグが襲撃され、多くの死傷者が出たと聞き、修道院長から手当をするよう派遣されたが、ケガ人は岩場に閉じ込められたと言う。

ウートレッドたちは岩場に駆けつけ、仲間や家族、民を助けようとするが、皆、岩の中で死んでいた。
フィナンの妻イングリスも。

ウートレッドは、これはアンラフがアゼルスタンをおびき出すためにやったのだろうと推測、「アンラフたちが上陸するのはウィラル半島にあるイングルマンダーの砦だ。そこに私の息子とエドマンド王子がいる」と言う。

テルウェール(ウィラル半島)

ウートレッドたちはテルウェールの砦に着くが、そこは襲撃された後だった。
オズバードとエドマンド王子を捜すウートレッドは、砦の教会に居るアゼルスタンに驚く。
「そなたの話しはウソだと信じ、イングルマンダーに会いに来たが事実だった」とアゼルスタン。
イングルマンダーはアゼルスタン軍が進軍して来たのを見て、サクソン兵士を虐殺、逃げたと言う。
そして殺戮の間、隠れていたオズバードとエドマンド王子はアゼルスタンに保護され、無事だった。

「この1年、私は自分を見失っていた。これは罰だ。同盟軍とブルナンブルで戦うことになる」と言うアゼルスタンにウートレッドは、「勝つことだけを考えよう、戦わせてくれ」と言うが、「私のために戦う必要はない。命を捨てるな。エドマンドを安全な場所へ匿うのだ。私が死んでも王位が継承される。ウートレッドたちは戦いに加わることを禁じる」と頑ななアゼルスタン。
殉教者になる気のアゼルスタンを見捨てられず、ウートレッドは、「イングランドを作るのは王じゃない。統一とは民がひとつになること。大事なのはイングランド人がひとつになることだ」と言うと、皆の意見を聞く。
息子オズバード、ピヤリグ神父、エドマンド王子も、フィナンもシトリックも戦うことを選んだ。

ブルナンブルの戦い 937年

アンラフたちは6つの軍隊で高地に野営を張っていた。

ブルナンブルの戦い

出陣を前に奪われた琥珀の剣を持つ兵士を見つけたウートレッドは、無事に琥珀の剣を取り返すと、「オレについて来てくれ。必ず勝てる」と兵士を鼓舞、近くまで進軍するが、6つの同盟軍はかなりの兵数で、圧倒される兵士たち。ウートレッドは、「不安を敵に見せるな。オレの指示に従え」と兵士を鼓舞する。そこへ加わるアゼルスタン軍。
ウートレッドは釘を地面に撒く作戦で同盟軍の動きを止めると、固まって後退する作戦で戦うことに。

激しい戦闘でピヤリグ神父は刺されてしまう。
同盟軍はアゼルスタンを捕らえようと狙うが、それを守るイングランド軍。
しかしアンラフの娘アストリードは矢に射られ死んでしまう。

ウートレッドの指示で火矢を放ちのろしをあげたエドマンド。それを見たオズバードは兵を率いて同盟軍を背後から襲撃。後方からの攻撃に同盟軍は乱れ、5人の王の息子は死んでしまう。
息子を殺されたコンスタンティン王は兵士を連れて戦場から逃亡、そしてアゼルスタンはイングルマンダーと一騎打ちに。ウートレッドは援護に向かおうとするが、刺されてしまう。
それでも立ち上がり、アゼルスタンの元へと向かうウートレッド。しかし再び刺され倒れてしまう。

戦いのあと

5人の王は逃げてしまった。
アンラフはまだやれると言うが、息子たちを失ったスコットランド、マン、オークニー、シェットランド、ストラスクライドの王たちは、「もう終わりだ」と言い、「アイルランドに戻る船がほしい」と言うアンラフを放って去ってしまう。
フィナンとシトリックは倒れているウートレッドを発見、アゼルスタンは捕らえたイングルマンダーを処刑に処した。

ウートレッドの帰還とアゼルスタンへの忠誠

フィナン、シトリックらは重傷のウートレッドを連れてべバンバーグへと戻るとべバンバーグを奪還。
ウートレッドは皆の祈りが届いたのか奇跡的にも回復する。
アゼルスタンはウートレッドの手を取りひざまずくと、「私に仕えただけでなく戦ってくれた。父の変わりに導き、私を許してくれた。そしてイングランドの夢が救われた」と感謝を伝える。
ウートレッドは、「王の資質を証明したらノーサンブリアを渡すと約束した。イングランドの名の元、大勢が戦いで死んだ。彼らのためにもイングランドを統一して欲しい。だが条件がある。絶対に結婚しないと誓え、子どもを持つな。エドマンドが争うことなく王座を継げるように」と言うと、互いにひざまずき、宣誓する。
ウートレッドは、「あなたはウェセックス、マーシア、イースト・アングリア、ノーサンブリアの統治者だ」と忠誠を誓い、イングランド王が誕生した。

フィナン、エドギラは生きて欲しいと言うが、ウートレッドはヴァルハラの幻想を見る。
そこには育ての父ラグナル、兄ラグナル、そしてブリーダの姿が・・・

ブルナンブルの戦いは歴史上最も多くの死者を出した戦いと言われている。
アゼルスタンの統治は15年間続き、中世イングランドの最初で最高の王とされる。
デーン人による侵攻は1066年ノルマン人による征服まで続いた。

感想

ウートレッドは架空の人物だけど、ここまでドラマを見てくると、過去のバンバラ城にウートレッドがいたような気持ちになりますよね。
いつかチャンスがあれば、バンバラ城に行ってみたいな~。

多少フィクションがあったとしても、これは史実であり、こうやってヨーロッパ、イギリスの今が作られたと言うことに、ちょっと感慨深いものが。
平和より侵略、領土を増やす、国を豊かにする、そういうことに執着するのが人間の性なのかな。
それは今も変わってませんね。
プーチンがウクライナを侵略しようとしていることも、それを守ろうとすることも何百年前から何も変わっていない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました