ザ・クラウン 3 #6 ウェールズ公(相関図)

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ウェールズのこと、そしてチャールズ皇太子のことはわかるエピソード

#6 ウェールズ公 Tywysong Cymru あらすじ

20才となったチャールズ皇太子はウェールズ大公叙任式を行うことに。叙任式でのスピーチをウェールズ語で行うため半年間、アベリストウィス大学で学ぶことに。

相関図

まとめ

チャールズ皇太子

労働党からの要望

チャールズ皇太子のウェールズ大公叙任式が執り行われることに。王室は58年ぶりの叙任式に力が入る。
ウィルソン首相は、「真のウェールズの息子として認めてもらうために現地でウェールズ語を学んではどうか。近年ウェールズの分離主義者、国粋主義者から不満の声が高まっている。政府としては叙任式では皇太子にウェールズ語でスピーチしていただきたい」と要望。

寄宿学校ゴードンストウン校でのツライ学校生活を終え、ケンブリッジ大学に進学したチャールズは、演劇部に入部、楽しい大学生活を送っていた
母エリザベスからの通達

エリザベスはチャールズに1学期間ウェールズのアベリストウィス大学へ行くよう通達する。
当然チャールズは、「ケンブリッジが好きだし演劇も続けたい」とウェールズ行きを固辞するが、「個人の感情より責務を優先するべき」と有無を言わさないエリザベス。

 

ウェールズ

ウェールズ語講師テディ

チャールズ皇太子のウェールズ語講師に指名されたのは、アベリストウィス大学のエドワード・ミルウォード(通称テディ)。

テディは、「私は”プライド・カムリ”の副総裁で国粋主義者だ。ウェールズ大公も認めていない。チャールズ皇太子を指導することは私のあらゆる信条に反する」と指導を拒否したが、許されなかった。

チャールズの講師を引き受けたと知り、「信条に逆らってまで敵対する相手に仕える気?」と憤慨する妻シルヴィアに、「これは私たちのためだ。労働党の提案でウェールズ語で皇太子がスピーチする。TVでそれが放送されれば大勢が見る。チャンスだ」と説得するテディ。(テディの妻シルヴィアも国粋主義者)

ウェールズにやって来たチャールズ
【ウェールズ】
ケルト文化を継承している地方。かつては独立した地方政権であったが、1707年にイングランドに併合され現在はイギリスの一部。(現在のプリンス・オブ・ウェールズはウィリアム王子)
ウェールズ語はケルト語にルーツに持ち、英語よりずっと歴史が古い。ウェールズ自治政府の努力もあって今では義務教育の科目。街の標識などは英語との併記が標準。
ウェールズでは今も自治を目指す国粋主義者、分離主義者が活動している。

ウェールズではチャーリーを歓迎するどころか、「革命にYES、大公はNO」「この国を渡さない」と書かれたプラカードを持ち、「あなたはウェールズ人じゃない」と非難の声をあげる。

議論

テディはチャールズが部屋に入っても仕事を止めようとせず、座ったまま、「チャールズ」と呼び捨てにすると、「他の学生と同じように呼ばせてもらう。一礼をしなければならないようだがこれで十分だろ」と手を差し出す。

そんなテディの態度にチャールズは、「政治思想に反するボクを迎い入れてくれたことに感謝します」と言うが、「政治問題があるから私はここで教鞭を執っている。大学教育は誰に対しても平等であるべきだ。だから身分は関係なく同様に教育する。個人的な恨みはない。だが王室の存在がある種の画一性を押しつけウェールズの個性を奪っている」とテディ。テディの意見にチャールズは、「ウェールズはイギリスでもある。歴史的にも共に戦ってきた」と主張するが、「ウェールズ人はこれまで英国王室のために血を流し続けてきた。なぜだ?」とテディ。
だが答えることができないチャールズ。

テディは、「キミと議論するつもりはない」と言うと、チャールズを視聴覚室へと連れて行き、シャドーイングでウェールズ語を学ぶよう言う。だがチャールズのウェールズ発音はめちゃくちゃだった。

孤独

大学寮で”ディープ・パープル”を聞き隣室を訪ねたチャールズ。だが学生はドアを閉めチャールズを拒絶、ウェールズでの孤独な日々がはじまってしまうー・・・。

無知は罪

その夜、ウェールズ大学学長主催の食事会で出席者から、「きっと”ルウェリン・アプ・グリフィズ”が乗り移ったようなスピーチが聞けるのだろうと期待している」と言われるが、チャールズは「どなたですか?」と発言、その場の空気を凍らせてしまう。
翌日、ウェールズ語の発音レッスン中、「この音は摩擦音だ。芝居の発声練習と似ている」と言うと、得意そうにおもしろ早口言葉をいくつも披露するチャールズ。だがテディは笑顔を見せることなく、「遊び半分で来ているんだろう。昨夜わかった。キミは”ルウェリン”も知らなかった。私たちに恥をかかせたんだ。屈辱的だった。キミの無知が。教師としてキミに頼みがある。我々に敬意を払え。ここで学ぶことにほんの少しでも興味のあるフリくらいしろ。どうせキミも歴代の大公同様二度とウェールズに来ないのだから」と言う。

【ルウェリン・アプ・グリフィズとは】
初代にして真のウェールズの大公。イングランドのヘンリー3世が任命。
イングランドの圧力に加えウェールズ内部での権力闘争が激化、ウェールズは弱体化。イングランド王エドワード1世に敗れ、ウェールズはイングランドに占領され支配下に置かれることに。

改めて自分の責務に気づいたチャールズは図書館でウェールズの歴史を学ぶと、「ウェールズの息子にはなれないが、ウェールズ語はしっかり学びます」とテディに約束する。
その真摯な態度に頷いたテディは、「せっかく監視のない地にいるんだ。気ままで自由な夜を過ごすといい」と言うが、「友だちはいませんが気にしないでください。ひとりで食事をするのは慣れっこです」とチャールズ。

ふれあい

テディはチャールズを自宅に招く。
そんな夫に、「どういうつもり?あなたは講師で友だちじゃない。まさか気に入ったの?」と妻シルヴィア。
テディの息子アンドラスからウェールズ語を教えてもらい、手料理を頂いたチャールズは、ふたりからウェールズの現状を聞く。

テディとシルヴィアはカペリン・セリンと言う小さな村の出身だったが、政府がイングランド・リバプールの飲料水のために貯水池を造ったため村は水没、なくなったと言う。

はじめて知る真実にチャールズは、「怒るのは当然です。だから誰もボクを歓迎しないんだ」と言うが、テディは、「皆が望んでいるのは自決権だ。一方的に支配され指図されるのが不満なんだ。彼らは我々の状況も気持ちも理解していない」と言う。その言葉にチャールズは、「そうですね、よくわかります」と言う。

その夜、「彼は両親が子どもを寝かしつけるのを初めて見たんだと思う。傷ついてる顔をしていた」と言うシルヴィアに、テディは、「ほらな、キミも彼に同情してる」と言う。

チャールズの意思

毎日、テディがウェールズ語翻訳した叙任式スピーチ原稿を練習するチャールズはある日、「私にも叙任式の招待状が届いたが越えられない一線がある。信念は曲げたくない」と叙任式には出席しない旨を伝えるテディに、「このスピーチにはボクの思いは反映されてない。ボクがウェールズで学んだことをボクの言葉で少し追加しました。翻訳してもらえませんか」と原稿を渡すチャールズ。(スピーチ原稿は憲法と外交の専門家が作成したもの)

 

1969年7月1日 カナーヴォン城

いよいよチャールズ皇太子がウェールズ大公となる戴冠式の日がやって来た。王族一族もウェールズに集まる。
エリザベス女王への忠誠を誓い戴冠を受けたチャールズ。

ウェールズ語のスピーチ

いよいよスピーチの時が来た。テディとシルヴィアは”プライド・カムリ”の仲間たちとTV中継を見つめる。

チャールズは見事なウェールズ語で予定原稿を読むと、自らの言葉でスピーチしはじめる。
「・・・ここには誇るべき歴史がある。ウェールズの人々が独自文化を重んじ保持したいと願うのは当然です。この地には守るべき国として魅力がある。我々はそれを尊重するべきです。ウェールズの個性、気質、意志、そして声をですー・・・」
チャールズのスピーチはテディの心を動かし・・・

ウェールズの人々の心にも響いた。

師との別れ

テディを訪ねると、「戻る前にお礼を言いたくて寄りました。4日間ウェールズを周り、現地の人々と会って話しを聞きます」と言うチャールズにテディは、「よくやった」と褒める。
チャールズのスピーチ内容を王室がどう受け止めたか気にするテディに、「ウェールズ語はわかりませんから」と笑うチャールズ。

 

女王、母、そして息子

4日間ウェールズを周り宮殿に戻ったチャールズは女王との謁見を希望するが、エリザベスは”寝室で短時間”と条件をつけ、大きな責務を果たした息子を労おうともせず、背中を向けたまま。

そんな母の態度にチャールズは、「何もなしですか?帰って来たのに、”ありがとう”も”よくやった”もないのですか」と言うが、「家族が何かをするたびに感謝していたらキリがない。ウェールズ語のスピーチを翻訳したものを読んだ。あなたはウェールズに自分を重ねたのね」とエリザベス。チャールズは、「ウェールズとボクの苦しみは似てる。ボクの意見はいつも無視、ボクがどんな人間であるかも無視、声を奪われている」と訴えるが、「王族には発言権はない。全員が犠牲を払い自分を抑えている。これは義務よ。人はいつも私たちに笑顔や同意を望むけど、それを示せば意見を表明したことになる。王室の人間にその権利は与えられてない」とエリザベス。だがチャールズは、「お母様にはできてもボクにはむずかしい。ボクは生きてる。人格がある。心があり意思がある。ただの象徴(シンボル)じゃない。ボクは本当の自分を見せる」と言う。

だがエリザベスは、「そんなもの誰も聞きたくない、それが真実よ」と言うのだった。

 

感想

チャールズ国王ってハンサムでもないし、なんか内気な感じで好きじゃないな~とか思ってたけど、こんなエピソード見たら、親の愛情を感じることなく、意思とは違う人生を歩まざるを得なかった気の毒な人物でもあるんだなぁと思うわけです。
行きたくもない厳しい中高生活をスコットランドで過ごし、寮生活、やっとケンブリッジで学び、演劇に出会ったのに、またもウェールズへ半年間。このドラマを見るとイメージが変わります。

実際の戴冠式の写真がこれのようです。

話は変わりますが、私の一押しドラマ「アウトランダー」のシーズン6~7前半に出演してるトム・クリスティーは、ウェールズ語講師テディ役の俳優ですね。
彼はウェールズ出身だそうです。

 

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