またまたウィンザー公爵が登場。
この人、マジでヤバい人物だったのかもと言う歴史が明らかに
#6 暴かれし過去
遊んで暮らす日々に虚しさを感じているウィンザー公は、国に仕えたいと再びイギリスへと入国する。
その頃、第二次世界大戦時の最高機密文書”マールブルク文書”が歴史学者たちに発見される。「如何なるときも公表するべき」と言う歴史学者の圧力でエリザベスはその極秘文書を読むが・・・
相関図
まとめ
エピソード内容をわかりやすくするためドラマとは時系列を変えてまとめています
マールブルク文書とは
1945年、欧州戦線の終戦が間近となりつつあるドイツ。ヒトラーの個人通訳者パウル・シュミットの助手フォン・ローシュ中尉がアメリカ軍に逮捕された。
パウル・シュミットはローシュ中尉に最高機密文書の焼却処分を指示したが、ローシュ中尉は最も貴重な文書をドイツ、テューリンゲンの森の地中に埋めた。
ローシュ中尉はそれをアメリカ軍に掘り起こさせると、文書を引き渡す代わりに、戦犯刑事免責を要求。その文書は【ヒトラー宛ての手紙やフィルムなど極秘資料】でマールブルク文書と呼ばれることに。
マールブルク文書には、ナチ最高司令部とウィンザー公の関係を記したものがあった。
戦後ナチス政権機密書類は英仏米歴史家に研究の為に解放されたが、「国家機密」と成り得る文書が発見された場合公表する事を禁ずる権利を各政府が保持した。
そんな中、外務省職員がナチとウィンザー公との秘密通信書類を発見、チャーチル首相が知ることに。
チャーチルはジョージ6世と王妃と謁見。国益に甚大な損害が生じる上、王族の顔に泥を塗る内容だったためジョージ6世は、「何があっても公表しないで欲しい」と強く要望した。
公務に戻りたいウィンザー公
パリで悠々自適生活を送るウィンザー公だが、愛犬パグの誕生日パーティーをしたり、仲間とカードゲームに興じたりする日々に虚しさを感じていた。
「国に仕えたい。生きる目的が欲しい」と言うウィンザー公に妻ウォリスは、「王室はあなたを認めない。公務など許すわけがない」と言うが、ウィンザー公は自分を支持する有力者と会うためロンドンに向かうことに。
入国したウィンザー公
執筆活動のためのリサーチと言う名目でウィンザー公が入国した。
フィリップだけじゃなく王太后も入国には反対だったが、エリザベスは許可した。
ウィンザー公のために集まり敬意を表す支持者たち。エリザベスも伯父のために王室のクルマを用意、ウィンザー公はそのことに満足する。
ウィンザー公はフルーティ宅に滞在。支持者のジョンは、「ロンドンに来た真の目的は内密にして活動する」と言い、ソールズベリー卿、ダッドリー卿、外務大臣セルウィン・ロイドなどを招くディナーを開くことに。その席でウィンザー公に”非公式な大使”はどうだろうかと提案。
外務省を訪れたウィンザー公は、支持者の根回しのおかげで、フランス駐在大使など3つの重要なポジションを準備、政府はウィンザー公の職務復帰を承認した。あとはエリザベスの承認だけだった。
話題の若き伝道師ビリー・グラハム
イギリスではアメリカ人牧師ビリー・グラハムが大人気だ。
TVでグラハム牧師の説法を聞いた王太后は、「アメリカの狂信者だ」と否定的だがエリザベスは、そのカリスマ性に好意を抱き、秘書官マイケルに、グラハム牧師と会いたいと言い出す。
マイケルは、エリザベスが英国国教会の首長である以上、グラハム牧師の支持者だと思われてはならないと忠告した上で、ウィンザー王室礼拝での説法に招待することに。
いやいや出席するフィリップと王太后をよそにエリザベスは傾倒、「女王と言う立場を忘れひとりのキリスト教徒でいたい」と言う。
明るみになったマールブルク文書
公表を迫る歴史学者たち
バッキンガムシャー州ワッドン・ホールにあるドイツ戦書公表部で非公開文書=マールブルク文書が発見された。歴史学者たちは公表部上官ウィラー・ベネットに、「我々の使命はナチを守ることではない。イギリス政府が隠してもいずれアメリカ政府が公表する」とし、真実を公表する義務がある主張。ベネットはマクミラン首相に謁見し、マールブルク文書を渡した。
マールブルク文書の存在を知ったエリザベス
エリザベスと謁見、「チャーチルとあなたのお父様である元国王が隠蔽した文書を公表せざるを得ない」と報告したマクミラン首相。
とうとう世に出てきた”マールブルク文書”に王太后は、秘書官マイケルと共に説明。
「手を尽くして隠蔽したが、知らぬ間に複製がアメリカに送られていた。アメリカがマールブルク文書の公表を迫っている」と言い、王太后は、「あなたが帰国を許した男はそう言う人物よ、覚悟した方がいい」と言う。
エリザベスは”マールブルク文書”を読んだ。
ウィンザー公と謁見するエリザベス
ウィンザー公がバッキンガムにやって来た。
「また国に仕えたい。外務省から3つの重要な仕事をオファーされている。すでに政府には打診、内閣の支持は得られると思う」と言い出すウィンザー公にエリザベスは、
・父国王ジョージ6世と政府を裏切りドイツとの和平を支持するとウィンザー公が確約したこと
・イギリス軍が命賭けで戦っている戦時下、支援の見返りに安全なスペインへの移住を約束されたこと
・「ヒトラーの和平を望む考えは自分の考えと一致する」と発言、政府はバハマに赴任させたこと
上記を知ったと言うが、「かつてヒトラーは友人だった。国王として心から信じ、英独は決して敵対してはならないと言う信念を貫いただけだ。のちのヒトラーがモンスターになるとは想像だにしなかった。むしろ私たちが同盟を拒んだことでヒトラーを怪物にしたのかも。その結果悲惨な戦争が起きた。あのときの私には和平がすべてだった」と反論すると、「私はキミと和平を結びたい。イギリス国民は良識がある。根拠のないウワサでドイツのプロパガンダだと信じない」と言う。
フィリップの助言
聖書を読んでいたエリザベスはフィリップに、「伯父を許す時ではないかと思う。私にとって許しは大切なことだ」と言うが、「真剣に聞いて欲しい。トミー・ラッセルズと伯父さんのことを聞くべきだ」と助言するフィリップ。
エリザベスが知った真実
トミーを訪ねたエリザベスは、「キリスト教徒として許しを与えたい。伯父の公務復帰認めたい」と言うが、「そのお考えは誤りだと思います。ご決断される前にまず事実を把握するべきです。何もかも。マールブルク文書は一部に過ぎない」と話し始める・・・・・
エドワード8世(現ウィンザー公)は即位後すぐ、廷臣(仕える家臣など)を自分の気に入った人物に入替えた(その中にはナチ支持者コーブルク公もいた)。ウォリスは同盟国の機密を手に入れるため駐英ドイツ大使:リッベントロップと男女の関係に。そのせいで政府は機密文書を手に入れることができなくなったが、エドワード8世が退位したため杞憂で終わった。だがウィンザー公の”公人であることの放棄”はウソだった。退位後ウィンザー公とウォリスは1937年ナチス政権下のドイツを訪問、ヒトラーをはじめとする主要人物と面会。2度敬礼したと報じられた。ヒトラーはウィンザー公の訪問を要人の非公式訪問とし、ヘスの屋敷で、【ウィンザー公を再び国王に押し上げる計画】を立ち上げた。それは、ドイツがイギリスに勝利した暁には、弟ジョージ6世国王を引きずり下ろし、ウィンザー公を再び英国王に任命すると言う取決めだった。見返りはドイツ軍がヨーロッパ全土を掌握する自由を得るもの。ウィンザー公はナチス親衛隊士官学校、悲劇が起こる前のアウシュヴィッツ強制収容所も訪問していた。
パリがドイツ軍占領下となったのも、ヒトラーのフランス侵攻軍事計画を載せたドイツ軍機がベルギーに不時着した時、ウィンザー公がすぐにナチの友人に(連合軍が情報を手に入れた)と連絡、そのおかげでドイツ軍は計画変更した結果だった。
その上、ウィンザー公はドイツ政府に、「ドイツ軍の空爆にイギリスは疲弊している。このまま空爆つまり虐殺を続ければイギリスは和平の準備を早めるだろう」と提案までしたと言う。そのことを知ったチャーチルは、ウィンザー公をバハマ総督に任命、ヨーロッパから追い出したのだった。ウィンザー公は、”マールブルク文書”は捏造だと主張した。
伯父ウィンザーへの通告
エリザベスはウィンザー公を呼ぶと、「姪として願いを叶えたかったが公務に就くことは却下します。その上で、今後は如何なるときも一切の入国を禁じます。私の決断です」と伝えるが、「一体誰に毒された?王太后かラッセルズか?キミに意思などない。だからキミは好かれるんだ。意思のある最後の国王は私だ。だから私は国を追われた。だが私のわがままか、王室の冷酷な仕打ちかどちらが国に損失を与えて来た?」とウィンザー公。エリザベスは毅然と、「私たちはこれまであなたに関するウワサを無視してきた。悪質なでっち上げだと取り合わなかった。退位したのだから。でも真実を知った以上、キリスト教の信条すら汚しかねない。私はあなたを許さない。逆にあなたはご自分を許せるのですか?」と問う。ウィンザー公は無言でパリへと戻った。
許すと言うこと
ウィンザー公に厳しい通告をしたものの、伯父を許すことができなかったことに敬虔なキリスト教徒のエリザベスは苦しんでいた。悩んだ末、再びグラハム牧師をバッキンガム宮殿に呼び、「許しについて意見を聞きたい」と言う。グラハム牧師は、「答えは明白です。誰もが許しに値する。それでも許せない時は、自分を許すことを願う。心の底から許せない人のために祈るのです」と説いた。
正しい選択
その夜、マーガレットが祈りを捧げていると、フィリップが酔って帰ってきた。
なんとフィリップは王太后とトミーと飲んでいたと言い、「驚いたろ?今までの確執を忘れ、哀れな愚か者を追い払ったキミの勇敢な決断を祝ったんだ。キリスト教徒として失格なんて一瞬でも思うな、キミはこの国とキミの家族の名誉を守り抜いたんだ」と言うのだった。
感想
原題「Vergangenheit」はドイツ語で「過去」の意味です。
イギリス王室の詳しいことなど何も知らず、このドラマを見ているので、離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリスを愛したがために王位を捨ててまで愛を貫いたロマンチックな男性と言うイメージだったので、今回のエピソード内容は、ウィンザー公は問題児だし、国益や国民のことなど何も考えていない人なのだと思いました。
ついでにウィンザー公の妻ウォリスは枕営業してまでドイツ軍に近づいた?とか。
それが事実なら、ほんとうに許しがたい夫婦。
最後にウィンザー公がまさにナチス政権時代のドイツを訪問、ヒトラーとも会ってる写真が出てきました。
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