Netflixで独占配信
#2 男の世界 A Company of Men あらすじ
長期外遊中のフィリップ。王室船ブリタニア号で海軍時代を思い出し海軍士官と共に楽しいひとときを楽しむ。
一方イギリスはエジプト侵攻に失敗、1939年以来の危機に瀕していた。
相関図
まとめ
フィリップ、初の単独外遊
ブリタニア号での外遊を満喫するフィリップ
初の単独外遊中のフィリップは、王室船ブリタニア号で各国を訪問、公務をこなしながら海軍士官たちとの”男の世界”を楽しんでいた。
そんなわけですっかりエリザベスや子どもたちに電話連絡を忘れたまま2週間が経過。ようやくエリザベスに電話をしたものの上手く回線が繋がらず、結局会話にならず電話を切ってしまう。
それはフィリップの個人秘書マイク・パーカーも同じ。”ランチクラブ”には、【ニューギニアには不貞の概念がなく、男は楽しみ放題。口外なしで頼む】など報告の手紙を送るが、妻子に一切の連絡(電話、手紙)しないまま。
オーストラリア到着を前に船のデッキに海軍士官を集めたフィリップは、「政治家が傷つけた国家の名誉を我らが挽回しよう。個人的に海に戻れて嬉しい。イギリス海軍は私の人生において特別の場所だ。今からオーストラリアで公務をするために船を降りるが、また船に戻って来る」と演説した
メルボルンオリンピック開会宣言
オーストラリアでの公務をこなすフィリップ。
TVに映るフィリップの顔は生き生きしていた。王太后は、「フィリップにはひとりで注目を浴びることが必要だった」と言うが、エリザベスの気持ちはフクザツだった。
オーストラリアではオリンピックの開会宣言だけじゃなく、各地を訪問する激務だったが、フィリップはやりがいを感じながら、いろんな経験を楽しむ。
オーストラリアの公務中、大手新聞社記者ヘレン・キングがいつも同行、いつしかフィリップは、自分に笑顔を見せるヘレンを意識しはじめる。そんな中、ヘレンから取材依頼が入った。
普段ならインタビューはNGにしているフィリップだが、「あの視線はオレに気がある証拠だ。彼女は敵じゃなく味方だ」と取材を受けることに。
ヘレン・キングの取材
ヘレンとラブアフェアもあるのでは?と期待するフィリップに協力するマイク。
だがヘレンは冒頭からエジプトへの軍事介入についての意見を求める。フィリップは、「王族が語ることではない。ボクの意見は控える」と言うが、今度は、フィリップの生い立ちについて切り込むヘレン。
子どもの頃の亡命生活、母親の精神疾患、父親が愛人と逃亡したこと、姉の飛行機事故死など調べ上げた情報で質問するヘレンに過去がフラッシュバックしてしまうフィリップ。「話題を変えてくれ」と言うが、ヘレンはそれでも突っ込んだ取材を続けたため、耐えきれず部屋を飛び出したフィリップ。
フィリップは改めて自分の人生を見つめ直すことに。
フィリップのルーツはデンマーク王で、ギリシャを治める王室の一員だったが、第一次世界大戦後、叔父コンスタンティン1世がクーデターで退位。革命政府に追われギリシャを脱出して亡命。
フィリップの母親は亡命生活のなかで精神疾患に苦しみ、父親は愛人を連れてフランスに逃亡。
フィリップはイギリスの寄宿学校で教育を受けた。フィリップの4人の姉は全員ドイツの王侯家に嫁いだが、3人はナチス党員と結婚している(ひとりはヒトラーの親友と結婚している)
救難信号
再びブリタニア号へと戻ったフィリップは外遊を再スタートさせる。約9週間でイギリス連邦の遠い地域を巡るのだ。男たちだけの外遊に、おもしろ企画”ヒゲ伸ばし競争”をはじめたフィリップ。
そんな中、モールス信号を受信した王室船。
オーストラリア軍の巡視船からで、救難信号を受信。燃料切れで漂流している漁船を発見。生存者1名、肋骨骨折しているらしく医師の診察が必要だと言う。すぐさま救助に向かったブリタニア号は、遭難者を助けると、軍医による手術を施し助けた。
フィリップは、「遭難者を国まで送り届ける」と言うが、「ムリです。外遊の日程は厳密に決まっている。あの男を国に返すとなれば逆戻りすることになる。十分助けた。次の港で下船させる」と船長。だがフィリップは、「言葉も通じない異国に置き去りにはできない。カレを国まで送る」と譲らない。船長は、「司令官として拒否します。船を指揮できるのは司令官の私だけだ」と従うよう言うが、「これは王室船だ。女王の代理であるボクがカレを国に返すと言ってる。従ってもらう」とフィリップ。
結局、ブリタニア号はスケジュールを変え、トンガに男性を送り届けると、大歓迎を受ける。
フィリップは自分を解き放ちトンガでの3日間を過ごしたが、同時に祖国、家族に思いを馳せる。
政治の状況
トラファルガー広場は、「戦争反対」のデモに参加する民衆で埋め尽くされた。
国連とアメリカはイギリスのエジプトへの軍事介入に憤慨、追い込まれたイーデン首相は即時停戦と撤退を宣言するしかなかった。エジプトへの軍事介入は失敗に終わったのだ。スエズ運河はイギリスの手元に戻らず、莫大な国費を費やし、ポンドは下落。燃料の買い占めまで起き、1939年以来の危機に瀕していた。
マウントバッテン卿は、「ジョージ6世が残された平和と調和は崩壊し、良識のある外交政策で知られた我が国の評判は地に落ちた」と嘆く。
休暇の申し出
イーデンは鎮痛剤、催眠鎮静剤に頼りきりで、「飲んでも効果がない」と言い出す始末。医師は、薬で対処するのは限界と判断。イーデンはエリザベスと謁見し、体調不良を理由に数週間の休暇を申し出る。
エリザベスは休暇が必要であることに理解を示しつつも、「今、国は大変な時、もうしばらく責任を持って職務を務めるべきでは?」と意見するが、「ドクターストップです。不在中はバトラーが代行する」とイーデン。
そこでエリザベスは、いつでも連絡を取れるようロンドン周辺にいるよう言うが、イーデンは、「医師から暖かい場所でゆっくりするべきだと言われた」とジャマイカへ行くと言う。どこまでもわがままな首相に言葉もないエリザベス。
アイリーン・パーカー
離婚するために
アイリーンは離婚弁護士を訪ね、「夫と別居、できれば離婚をしたい」と言うが、「法的に離婚を許されるのは不貞、不合理な振る舞い、精神異常のいずれかで、証拠が必要だ」と言われてしまう。
そこでアイリーンは”ランチクラブ”の前でウェイトレスのリリーを呼び止め、「マイク・パーカーについて何か知っていたら教えて欲しい」と言うが、アイリーンがマイクの妻とわかり、「何も知らない」とリリー。
アイリーンは自分の連絡先を渡し、「何かあったら連絡が欲しい」と頼む。
リリーの決断と現実
リリーから連絡で、一緒に離婚弁護士を訪ねたアイリーン。
「マイクと何度かいろんな場所で会いました。仕事のことを聞いたのはあとのことで、妻子がいるとは知らなかった。すいません」と謝るリリーに弁護士は、「法廷での正式な供述と証言が必要だ」と言うが、「できません。仕事も信用も失う。ムリです」と去ってしまう。
”ランチクラブ”宛てのマイクの手紙
トンガでの外遊についてマイクが”ランチクラブ”のネイハム男爵宛てに手紙を送った。
仲間にマイクの手紙を披露した男爵。
リリーはその手紙を盗むと、「とても外遊とは言えない。まるで男のパーティーよ、港ごとの女がいる」と言い、アイリーンに”証拠”として渡した。
クリスマス(1956年)
スピーチを悩むフィリップ
季節は12月も半ば。
船上からフィリップにも”クリスマススピーチ”をと言う連絡が入った。夫として妻の女王に送るスピーチをと言われ、アイディアが浮かばず、悩むフィリップ。
エリザベス
クリスマス休暇を過ごすためサンドリンガム・ハウスへとやって来たエリザベスたちは、王室船からのフィリップのスピーチを聞く。
「南太平洋の果てにいる。自分の人生、生き方について考えた。当たり前だと思っていた自分の生き方を考え直す時間になっている。船の生活は良いが皆、孤独だ」と締めくくった。
エリザベスへの思いも込められたフィリップのスピーチに思わず、「これ本当にフィリップ?」と驚くマーガレット。
エリザベスもフィリップのスピーチを聞き、自分のスピーチ原稿を手直し、「夫からのメッセージが嬉しかった。家族全員があなたの幸せを祈り、あなたを待っている」と伝えたあと、イギリス連邦の人々にクリスマスメッセージを贈った。
ホームシック
王室船の中でエリザベスのクリスマススピーチを聞いたフィリップは、ひとり甲板に。
「彼女のスピーチに感動した。思いがけなく心に響いて、家族が恋しくなってしまった」と呟くのだった。
感想
フィリップの単独の外遊はある意味、良かったように思うけれど、マイクの妻アイリーンの離婚がきっかけで、ややこしくなりそう。
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