ザ・クラウン # 5 板挟み(相関図あり)

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今回はエリザベス2世の戴冠式にまつわるエピソードです。

#5 板挟み Smoke and Mirrirs あらすじ

1953年、エリザベスは戴冠式の準備をしながら、戴冠式の前に父が話してくれた言葉を思い出す。
メアリー太王太后の体調が思わしくないと聞き、帰国したウィンザー公は、姪のエリザベス2世の戴冠式への妻ウォリス・シンプソンの出席を拒否されたため出席を辞退する。
一方、エリザベスから頼まれフィリップは戴冠式委員長を任されることに。フィリップは、伝統に囚われない新しい戴冠式をしたいと計画するが、それが軋轢を生むことに。

相関図

まとめ

1937年5月11日 戴冠式前のジョージ6世

父王ジョージ6世に呼ばれた幼いエリザベスは、明日の戴冠式の練習を手伝うが、ジョージは”聖別”の儀式について、「聖なる油がパパに触れると神に繋がるんだ。儀式の中で1番大切だ」と教えた。

【聖別とは】キリスト教の於いて、人や物を世俗的な使用から引き離して区別することを言う。
大主教から聖別を受けた君主は、神聖な存在とみなされ、神から授かった権力を行使する存在となる。
王冠の重さは2キロ

戴冠式に向けて

エリザベスの提案

最近、時間があれば飛行機操縦に明け暮れる夫フィリップに、「戴冠式委員長をやって欲しい」と提案するエリザベス。フィリップは、「オレを憐れんで見栄えの良い仕事を与えなくていい」と言うが、「やるならすべてを仕切りたい」と条件を出す。エリザベスはOKを出すが、「戴冠式は千年の歴史のある儀式で決まりがある。やりすぎないで」と釘を刺す。

反対

式部長官、宮内庁官、外交団式部官、会計監査官を宮殿に呼び、フィリップを戴冠式委員長に任命することを発表するエリザベス。トミーは、「委員長はノーフォーク公爵です。ノーフォーク一族が仕切ることが慣例です」と意見、太后も、「検討しなおしては」と諭すが、「ノーフォーク公には副委員長をやっていただく。決意は揺るがない」とエリザベス。だが太后は、「ノーフォーク公爵が委員長をするべき」とトミーに意見を示す。
太后の懸念事項はもうひとつ、ウィンザー公のことだった。
「カンタベリー大主教が協力してくださる」と言うトミーに、「隙を見せないで」と忠告する太后。

ウィンザー公

パリ、ブローニュの森の新居

パリ市の所有地、ブローニュの森の邸宅へと引っ越ししてきたウィンザー公と妻ウォリスは収入を得るために取材を受ける。

ウィンザー公の私室には17年前、たった11ヶ月で退位した名残り”国王ボックス”まであり、「毎日、ほんのわずかな時間、昔を懐かしむ」と言う。

ウィンザー公は戴冠していない
帰国

母メアリー太王太后の容態が良くないと連絡を受け、妻ウォリスを自宅に残して帰国したウィンザー公は母親を見舞うが、母メアリーはすっかり弱っていた。

母メアリーは息子ウィンザー公と妻ウォリスの結婚を17年経った今も認めていないため、ウィンザー公は妻を連れて帰ることができなかった
カンタベリー大主教からの呼び出し

大主教に呼ばれランベス宮殿へとやって来たウィンザー公を待っていたのは、大主教、首相秘書コルヴィル、そして女王陛下秘書トミーだった。

「これは一体だ?奇襲か」と警戒するウィンザー公に、「戴冠式出席を見合わせしていただきたい」と大主教。ウィンザー公は、「クッキー(太后)の仕業だな。大主教ともあろう方が汚れ仕事か?恥を知りなさい。私も妻も出席したければする」と言い切るが、「それは無理です。王室は公爵であるあなたを招待する義務はあるが、奥様は対象外です」とトミー。ウィンザー公は、「王室の心の狭さと執念深さには呆れるよ、王位を放棄して17年だ、もう水に流すべきだろ」と言うが、「流せないこともある」とトミー。
結局、「愛する女性をのけ者にし侮辱する以上、戴冠式には出席しない。そして大主教、あなたはただの偽善者だ」と罵倒するが、そこに悲しい知らせが入るー・・・

メアリー太王太后逝去

息子エドワード(ウィンザー公)の想い

メアリー太王太后の死だった。
王族が悲しみに暮れる中、ウィンザー公は最期まで妻ウォリスを認めなかった母メアリーへの憎しみは消えず、形見分けの場にもウィンザー公は加えてもらえなかった。

メアリー太王太后逝去は1953年3月24日
葬儀

太王太后の葬儀に参列しながらフィリップは、亡き国王の葬儀と参列者も進行も何もかも同じことに気づき、「王室はずっと同じことを繰り返してる。一般国民は参列さえ許されてない。キミの戴冠式はこんな風にはしない。キミは急速に変わりゆく新時代のシンボルだ」と言うのだった。

フィリップ殿下

戴冠式委員会で

戴冠式委員長となったフィリップは、錚々たるメンバーの前で、「17年前の亡き国王の戴冠式と同じ発想ではダメだ。今の時代に合わせよう。派手さを押さえ、平等さをアピールする。若い女性君主である彼女を象徴する戴冠式を開きましょう」とスピーチしある提案をする

フィリップの提案と混乱

その1つはテレビ中継だった。
ノーフォーク公は、「俗悪だ」と批判するがフィリップは、「テレビ放送が形を変える」と譲らない。
だがフィリップのある提案が原因で、エリザベスはフィリップと話し合わなければならなくなる。
それは、王冠は何のためにあるのか王室の存在意義とは何か、を考えるべき内容だった。

対立するエリザベスとフィリップ

テレビ中継すること、縮小版の戴冠式についてフィリップは、「クーデターを避けるためだ。国民が配給で凌いでいる時に豪勢な戴冠式は反発を受けかねない。テレビ中継し、大衆化する。国民に親近感を与えるんだ。後悔させない」と持論を展開、エリザベスはそれを受け入れるが、エリザベスが問題にしたのは、フィリップがエリザベスにひざまずくことを拒否したことだった。
「この時代、女王の配偶者が妻にひざまずくと言う行為は正しいのかな。隣に立つだけでいいじゃないか。妻にひざまずく姿は無力な夫に見える」と激しい抵抗を示すフィリップに、「妻にひざまずくんじゃない。王冠に対してひざまずくのよ。誰もが神と王冠にひざまずくの」と説明するエリザベス。だがフィリップは、「ボクを例外にしてくれ」と言い出す。エリザベスの答えは、”それはできないだった。

エリザベス2世戴冠式

ウィンザー公はブローニュの森の邸宅にゲストを迎え、「ウィンザー公の解説で戴冠式を見る会」を開く。
イギリス王室を小馬鹿にしてゲストを笑わしながらも、思わずイギリス国家を歌ってしまうウィンザー公。

聖別の儀式

金色の天蓋でエリザベス女王陛下の姿が遮られ、聖別の儀式が始まった。大主教の言葉に宣誓したエリザベスは、大主教によって聖なる油で両手、胸、頭を聖別され、神聖にされた女王となった

ゲストから、「女王が見えない」と言われ、ウィンザー公は、「戴冠式の中で最も神聖で最も厳粛で最も尊い瞬間だ。見られないのは、我々が人間だからだ」と説明し、画面に釘付けになる。

そしてウィンザー公は、「難解な神秘と儀式はあまりにも複雑すぎてどんな聖職者も歴史家も法律家もその意味を理解することはできないが、油で聖別された彼女は、女神となった」と言う。
ゲストからは、「それじゃキミは神になるチャンスをフイにしたんだな」と言う声があがるが、ウィンザー公は、「それより素晴らしいものを私は選んだ」と答える。

大主教により王冠を授かったエリザベス2世に参列者から、「女王陛下万歳」の声があがった。

そのあまりにも厳かな儀式を前にフィリップは、女王陛下にひざまずき、心身共に忠実な臣下になり、信頼、真実を持って命果てるまであなたをお守りすると神に誓った。

戴冠式は成功で終わった。

ウィンザー公爵の想い

ゲストが帰ったあと、ひとり私室で戴冠式の放送を見たウィンザー公は、スコットランドの正装でイギリス女王エリザベス2世にバクパイプ演奏を捧げたが、その頬には涙が伝っていた・・・

感想

儀式って面倒なもんだし、なんでこんなことしないといけないのかと思うことも多いけれど、エリザベス2世が聖別を受けウィンザー朝第4代女王となるシーンは、胸にグッくるものがありました。
個人的には戴冠式をウィンザー公の目線で描いた脚本が良かったと思います。
テレビ中継を見ながらイギリス国家を歌ってしまうウィンザー公や、ひとりで戴冠式を見てしまうところや、スコットランドの正装でバクパイプを演奏するウィンザー公に感動しちゃいました。愛のために退位し、家族を捨て、国を捨てたことに後悔はないのだろうけれど、やっぱり淋しさを感じることもあるでしょうね。
ウィンザー公があまりにも良かったのでフィリップが妻エリザベスにひざまずいたシーンが薄れてしまったけれど、カレの葛藤は理解できます。
でもフィリップはきっと聖別を見て、エリザベスのことを、妻でありながら、神の領域に行ってしまった人だと実感したんじゃないかなと思いました。
あの厳かな聖別式はすごいですね。

クラウン、面白いですねー。

エピソードの中に、”フィリップの叔父マウントバッテン卿がインドを手放し、妻をインドの初代首相に寝取られた”とウィンザー公がゲストに説明する場面があったので調べてみたところ、マウントバッテン卿はインド総督時代に、英国植民地だったインドが独立したことを揶揄したのかなと思います。マウントバッテン卿はハンサムでオシャレ、バイセクシャルだったようです。

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