ウートレッド、シグトリグルはエフォウィックを奪還できるのか
# 5 あらすじ
覚悟を決めたスティオラはブリーダの前に姿を現し、決闘を申し込む。
その頃、古代ローマの下水道を使いエフォウィックの町へと侵入したウートレッド、シグトリグルは、ブリーダ率いるデーン軍と戦うことに。だが思わぬことが起こり事態は変化する。
一方、エセルフリーダが病気で余命いくばくもないと言う情報を得たエセルヘルムは、自分の孫エルフウィアドをマーシア王にするべく動きはじめる
相関図
まとめ
エフォウィック(現ヨーク)
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ブリーダとスティオラの決闘
ブリーダの前に、「あなたたちの蛮行を許さない。私と勝負しなさい」とスティオラが現れた。
だがそこに侍女ヘラが連行されて来る。ヘラは仲間を逃がそうとして兵士に飛びかかったのだ。
スティオラは、「彼女は役に立つ。これ以上民を殺さないで」と頼むが、ブリーダはヘラを殺害すると、「これはデーン殺しの娘に味方するものへの警告だ」とエフォウィックの民たちに宣言する。
覚悟を決めたスティオラは、「私と勝負しないさい。私はエフォウィック王の妃で勇者ウートレッドの娘。神々が味方する」と決闘を申し込むが、監禁されているエフォウィックの兵士たちは、「戦ってはいけない、おやめください」と必死で止めるー・・・。
その頃、古代ローマの下水道からエフォウィックの町へと侵入したシグトリグル、ウートレッドたちは、今、まさにはじまろうとする決闘を見ることに。
ウートレッドは、「合図を待つ」と言うと、秘密裏に監禁されているエフォウィックの兵士らを解放しはじめる。
ブリーダとスティオラの一騎打ちがはじまった。
スティオラが劣勢になったとき、シグトリグルが放った矢がブリーダを狙い飛んで来た!
寸でのところでハズレたが、その矢が合図となり、解放されたエフォウィックの兵士が雄叫びをあげ、突進する。デーン軍との戦いがはじまったー・・・
同じ頃、エフォウィックの門が開くのを12人の精鋭兵士たちと待っていたピヤリグ神父。
開門と同時に先鋭部隊は突入、ピヤリグ神父はエフォウィックの民衆たちを森の中へ誘導する。
信用できなくて・・・
戦いの中、隠れていたハズのヴィビケが塔の屋根に登り、降りられなくなっていた。
ブリーダは駆け寄り、「こっちへ来て」と両手を広げるが、ウートレッドはヴィビケの近くまで登り、「来るんだ、そこは危ない」とヴィビケに手を伸ばす。だがブリーダは、「その男はダメ、ママを信じて飛ぶのよ」とウートレッドに託そうとしない。
ウートレッドは、「ブリーダ、オレに任せろ」と言うが、ブリーダは、「母を信じて飛びなさい。捕まえてあげる」とヴィビケを促す。その言葉にヴィビケはブリーダめがけて飛ぶが、届かず、落下、死んでしまう。
争いの中、ヴィビケを抱いて歩くブリーダに気づいたデーン兵士は、ブリーダを庇うと、「退却」を指示、エフォウィックの門を出ていく。
シグトリグルは、「オレは王の弟だぞ、ブリーダに騙されたんだ」と訴えるログンヴァルドルを捕らえ、エフォウィックを奪還した。
娘を助けることができたウートレッドは安堵するが、スティオラから、「なぜブリーダを逃がしたの?仕留めなければまた襲ってくる。決着をつけるなら今よ、多くの民が殺された。父さんができないのなら・・・」と言われるが、ウートレッドは、「子どもの死につけ込みたくなかった。だがオレがやる。終わらせる」と決着をつけるためにブリーダのあとを追うことに。
制裁
シグトリグルは捕らえたデーン兵に死の制裁を与えるが、その中には弟ログンヴァルドルもいた。
だがログンヴァルドルは、「騙されたんだ。オレは兄貴の味方だ。戦でも兄さんの命を助けた。頼む、助けてくれ、兄弟だ」と懇願されてしまうー・・・
ウィンチェスター ウェセックス王国
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手下ブレサルの情報
ランコファ(現ランコーン)から戻って来たエセルヘルムの手下ブレサルは、「エセルフリーダは重病で、春まで命がもたない」と報告。弟王も知らないその情報にエセルヘルムは、エセルフリーダは跡継ぎを自分で決める気なのではと推測、賢人会が世継ぎをエルフウィンに決定する前に、世継ぎに最もふさわしいのはエルフウィアドだとアピールしたいエセルヘルムは、まずは賢人会がマーシア女王にどれほど忠実であるか探りを入れるよう命じる。
不信感
エドワードは、サクソン兵がシグトリグルを助けず、エセルフリーダが援軍を送らなかったことについて、「わからん。なぜ姉上は平和を損ねるようなことをしたのだ?」と考えあぐねる。
エセルヘルムは、「姉上は我が国がするべきだった反対勢力との断絶をされたのでは」と言うが、エドワードは、「あり得ない。ピヤリグ神父から知らせがない。イーグリスバーグに使者を送る。何か裏がある」と言い出す。
エセルヘルムの策略
手下ブレサルから、マーシア太守の中には、エセルフリーダをよく思っていないものも多いと聞いたエセルヘルムは、「賢人会議を尊重していると示せ」とカネを渡すと、「必ず王妃より先に周りしろ。私もあとから孫を連れてイーグリスバーグへ行く」と言う。
エフォウィック(現ヨーク)奪還のあと
ブリーダを追いきれなかったウートレッドたちは、仕方なくエフォウィックに戻ることに。
ウートレッドとシグトリグル
弟だけじゃなく同胞にも裏切られ、同盟国マーシアとウェセックスにも裏切られる形となり、「オレが弱かったのだ。和平などなかった」と何も信じられず、ただ自分を責めるシグトリグル。ウートレッドは、「だが奪還した。スティオラも無事だった。怒りはオレもあるが、エドワードは援軍を出したとピヤリグ神父は言ってる」と擁護を口にするが、シグトリグルは、「あなたは彼らに尽くしてきたのに、この仕打ちだ。キミの娘も見捨てたのだ。もう尽くす義理はない。改めてオレに忠誠を誓い、同胞側について欲しい」と言うが、「オレの居場所はランコファだ」とウートレッド。
スティオラもウートレッドに、「多くの裏切りに遭いシグトリグルは苦しんでいる。導いてくれる人が必要。力を貸して欲しい」と言う。
フィナンの告白
フィナンは意を決してエセルフリーダの病状について告白する。
戦いが終わるまでは伝えるなと口止めされていたと言い、「王妃は待っておられる。会いに行くべきだ」と。「いつか一緒にいられる時間があると思っていた。酷い別れ方をした」と後悔の言葉を口にするウートレッドにフィナンは、「まだ間に合う」と背中を押す。
ウートレッドはスティオラに、「エセルフリーダが危篤だ。イーグリスバーグへ行く。マーシアとの和解のチャンスだ。一緒に来るか?」と言うが、スティオラはシグトリグルの側にいることを選んだ。
ウートレッドは従者と共にイーグリスバーグへ向け出発する
エセルフリーダの病
イーグリスバーグへの帰路、エセルフリーダの病状は日毎に悪化、エルスウィズは、薬で治せないなら神の力が必要だと譲らず、体力のないエセルフリーダをベネディクト神父の祈りに参加させる。
だがイーグリスバーグへ戻って来たエセルフリーダの衰弱は激しかった。
エセルフリーダは、「今のうちにあの娘に王座を譲らなくてはならない」と娘を呼ぶよう言う。
エセルフリーダの決断
今日も友だちと男の子の話しで盛り上がるエルフウィンは、母親からの呼び出しに、「ランコファでのことをまだ怒ってるの?自由にやってる私が気に食わないのよ」と愚痴りはじめるが、その態度にアルドヘルムは、「母君はこの国に尽くして来られた。民と姫を守るためです。姫は母上の希望であり、心です。あなたがすべてなのです」と抑えきれない感情をぶつけてしまう。
エセルフリーダは娘にすべてを話し、「マーシアの女王になりなさい。そうすれば身は守られる。他に道はない」と言うが、「まだ早すぎる」とエルフウィン。
それでも、「私の病気のウワサはすぐに広まり、王座の奪い合いが始まる。あなたが以外が王になれば、あなたは殺される。王座に就くことは簡単ではない。多くのものを犠牲にするけれどあなたは1人じゃない」と言う母の説得で、エルフウィンは、「強くなります。マーシアの女王になる」と心を決め、母の手を握りしめる。
エセルフリーダは長年仕えてくれたアルドヘルムにも心からの感謝を伝え、「もうひとつだけ頼みを聞いて欲しい。マーシアのため、王座に就くエルフウィンを導いて欲しい。力を貸して」と頼む。アルドヘルムは光栄だと快諾、すぐに太守を集めると言うが、アルドヘルムもまた哀しみくれる。
エセルヘルムの陰謀
姉の重病説
結局、エドギラはエドワードの愛人になっていた。
そこへエセルヘルムが、「姉上が重病で余命いくばくもない」との情報をもたらす。
エドワードは、「ウソだ。王より先にそなたは知るはずはない」と意に介さないが、エセルヘルムは、エセルフリーダがエフォウィックに援軍を出さなかったのは、後継者問題を重視したのだろうが、シグトリグルは援軍なしに町を奪還したと言う。
密告
エルフレド王妃は今、聖カスバートを見たと言う少女アーリスを宮殿に迎え、”王が公認した奇跡”として豪華なタペストリーを作り、それをホーリー島を巡礼するアーリスに託すプロジェクトを動かしていたが、エドワードは、「この行為は政治的に軋轢を生むやも知れぬ。キミのせいでウェセックスが窮地に立つ」と叱責する。
この事態にエセルヘルムは、「大切な時に王の機嫌を損ねるな。エセルフリーダが亡くなれば賢人会議でエルフウィアドが後継者に選ばれる手筈をつけてある」とエルフレドに言い聞かせるが、それを立ち聞きするエドギラ。
エドギラはすぐさまエドワードに密告。
エドワードはエセルヘルムがすでにマーシア太守を買収したと知り、「イーグリスバーグへ行き、姉との別れをする」とエセルヘルムに投げかける。するとエセルヘルムは、「伯母様に懐いているエルフウィアドをお連れてなってどうですか?私も同行しましょう」と言い出す。
エフォウィックを追われたブリーダ
ピヤリグ神父はエフォウィックの民たちを、安全が確認されるまで森の中で保護しようと誘導するが、ブリーダのデーン軍に囲まれてしまう。
ブリーダたちはエフォウィックの民を全員殺害、最後に残ったピヤリグ神父を、「神々がアイツを寄こしたのには理由があるはず」と言い、連行することに。
エフォウィックの再建に向けて
ログンヴァルドルへの制裁
弟に死の制裁を下すことが出来なかったシグトリグルは、ログンヴァルドルを檻に入れ、監禁していた。
スティオラは苦しむシグトリグルを気遣うが、「弟は罪を犯した。償わさねばならない」と言う。
そこでスティオラは、「神々に託してみてはどうか」と勧める。
シグトリグルから、「ここで楽に死ぬか、公の裁きに身を委ねるか選べ」と言われたログンヴァルドルは、公の裁きを選んだ。
ログンヴァルドルは、”煮えたぎる鍋に手を入れ、金属の棒を掴んで9歩歩く”と言う【オーディンの9の夜】の制裁を受けることに。(成功なら神々のご加護で恩赦を与えられるが、失敗すれば剣の制裁を受ける)
スティオラは、シグトリグルに話しかけようとするログンヴァルドルの言葉を遮ると、「始めよ」と命じる。
ログンヴァルドルは煮えたぎった鍋に両手を入れると、金属のバーを掴む・・・
感想
エセルフリーダが死の床にいると知り、ウートレッドはブリーダを追うのを止めてイーグリスバーグに向かったけれど、常軌を逸しているブリーダは、森に逃げ込んだ民衆を全員殺害、ピヤリグ神父を連れ去ろうとしていました。この展開なら、ウートレッドとブリーダ、ふたりの怨念の関係は、どちらかが死ぬまで続くようだし、きっと描かれるんでしょうね。
しかしエセルフリーダの病は一気に悪くなりましたね。次の4話目で亡くなっちゃうのかな。
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