エピソード題「ルリタニア」とはアンソニー・ホプキンスの小説に出てくる架空の都市名だそうです。
#6 ルリタニア Ruritania あらすじ
王室に対する世間のイメージを回復させるため、首相として優れた手腕を発揮するトニー・ブレアに助言を求めるエリザベス。だがその提案は王室伝統を覆すものだった。
相関図
まとめ
王室の市場調査
第73代首相トニー・ブレアは支持率66%を叩き出す人気に。その一方で王室の人気は下がるばかり。この状況にエリザベスは、「私たちの立ち位置を知るべき時だと思う」と市場調査をしたいと言い出す。主任秘書官フェローズは反対するが、「ただの調査です」賛成する補佐秘書官のジャンブリン。

調査は無作為に選ばれた2千人を越える18才以上を対象に行われた。その結果、王室は世間を理解していない、税金のムダ使い、思いやりがないなど散々な結果で、挙げ句に、王室は今のまま存続するべきと回答したのはわずか10%だった。

チャールズは、「結果から学べることはある」と前向きだが、王太后やマーガレット、フィリップは、「ただのアンケートに過ぎない」と本気で取り合おうとしないがエリザベスは、「首相の支持率が上がってるのには意味があるはず」とブレアを意識した発言をする。
ますます上がるブレア首相の人気
コソボ紛争勃発
ブレアはNATO同盟国をまとめ、セルビアに空爆を開始したと言い、「ミロシェヴィッチは恐ろしい独裁者だ。カレを阻止する道徳的意義がある。自由を尊むなら中立ではいられない。これは皆さんの戦いでもある」と首相官邸前で会見。戦争をはじめたにも関わらず、その力強く愛のある会見はイギリス国民の心を掴んだ。

だが数日で終わるはずだった空爆作戦は思っていた成果が出ず2週間が経過。進捗がない状況に。ブレアはセルビア軍をコソボから追い出すため地上部隊を送り込みたいとアメリカ、クリントン大統領にオファーするが、「国民のほとんどが知らない国のために兵の命を犠牲にできない」と出兵を拒否。それでもブレアはエリザベスとの謁見で、「正義のために諦めない」と断固たる姿勢を見せる。
ブレアのスピーチ
ブレアはクリントン大統領の説得を続けるが、クリントンは首を縦に振らない。
ブレアは、「アメリカが出兵しないのは政治的利益がないからだろう」と推測するだと推測するが、妻シェリーは、「利益のアピールじゃなく良心に訴えるのよ、あなたはそれができる」と背中を押す。

ブレアはシカゴ・ビジネス・フォーラムで、「コソボ難民が受けている非道な仕打ちを見ればNATOの軍事行動に誰も疑問など抱かない。世界で一番力がある国、アメリカの助けがいる。協力して欲しい」とスピーチ。その演説は大きな反響を呼んだ。

翌日の朝刊1面は【道義的リーダー、ブレア】の文字が並び、世論に押され地上部隊の出兵をクリントン大統領は決めた。
エリザベスと婦人会
エリザベスは婦人会(ウィメンズ・インスティテュート)の会合に参加、婦人会のこれまでの活動、過去の功績を讃えつつウェットに飛んだスピーチで女性たちを笑わせた。

イギリス最大の女性組織で1915年の創設以来、女性の地位向上のために活動している中流階級の婦人会。政治、宗教から独立した団体であり、会員は多様な考えを持つ女性で構成されている。エリザベス女王が特に目をかけていた団体
ブレアに意見を求めるエリザベス
この結果にエリザベスは、「世界で最も優れた生まれながらのリーダー」とブレアに賛辞を贈ると、「あなたは誰よりも上手に国民感情を読み取ってる。だから聞きたい。あなたが国王なら今の王室をどう改革する?」と意見を求める。

フェローズとジャンブリン
エリザベスがブレアに改革案を求めたことについてフェローズは、「女王としては軽率な言動だ」と言うが、補佐官ジャンブリンは、「助言を求めただけで従う必要はない。憲法上首相は陛下の首席顧問だ」と意見。それは的を射ていた。

ブレアの提案
「アドバイザーたちは皆、改革が必要だと言ってる。ダイアナ元妃の死で改革を求める声が高まってもいる。まずは長子相続制から改革してはどうでしょう」と提案するブレアに、「基本的には異論はない。でも何世紀も続いてきた法律を変えるのは簡単じゃない。イギリス連邦国の承認もいる」とエリザベス。だがブレアは、「意志さえあればできる。名ばかりの役職の廃止が必要だ」と提案書を手渡す。

内閣が提出した提案書には、カトリック教徒と結婚の許可、首相の任命権、議会の解散権、君主が軍の最高司令官であることなどの改革、また王室式典関係の役職(世襲制の鷹匠、白鳥の番人、女王のハーブ湿布職人、女王の砂浜案内人、ガラスと陶磁器の管理人、王室天文学、10人の紋章官・・・)がリストアップされていた。
改革に向けて
エリザベスは王室の執務に就く職員ひとりひとりと面接することに。

それぞれ歴史ある継承されている役職に触れ、改めて、「伝統に誇りがある」と感じたエリザベス。
内閣の提案書を見たチャールズは、「多少の譲歩はするべきだ。王室の合理的で民主的な運営に異論はない」と言うが、「君主の代理である黒杖官が庶民院の扉を3回ノックする意味は議会から君主への警告だ。すべての行為には歴史的意味がある」とフィリップ。皆の話しを聞いていたエリザベスは、「君主制は合理的でも民主的でも公平でもない。叙任式、戴冠式、公式訪問で国民が私たちに魔法や神秘、超越的なものを求める。別世界に国民を連れて行くのが私たちの義務」と結論、「同意だ」とフィリップ。

エリザベスの結論
議会開会式に関する提案について結論を求めるブレアにエリザベスは、「一族で話し合った。改革は意味があると思ってる。大切なのは何を維持するか見極めること。王室の全役職を見直したがどれも浪費などしていなかった。貴重な専門知識の集積で世代を超えて一族に受け継がれている技術。それを継続可能にしているのが王室。普遍こそ王室は使える魔法。伝統が私たちの強み。尊重してもらいたい。近代性だけが正解じゃない」と結論を伝えた。

秘書官ロバート・フェローズの決断
エリザベスの決断を受けフェローズは、「王室が王室たらしめるものを失うかと心配しましたが安心しました。大切なときに王室は国民感情を読み間違えた。その責任の大部分は私にある。私が立ち去るべきだと判断しました。ロビン・ジャンブリンは柔軟で改革には適任。いけにえも必要、私が去れば国民の溜飲も下がり、陛下はジャンブリンからより良い助言を受けられ私には余暇ができる。お仕えできて幸せでした」と辞任を表明した。

エリザベスとブレア首相
労働党の考えで中流階級へのアピール目的で婦人会(ウィメンズ・インスティテュート)でスピーチしたブレア。だがイギリスの近代化を主張、「変えるべきは政治だけじゃなく、憲法、そして王室」とスピーチするが、政治色の強いスピーチに途中から手拍子が起こり、会員たちは次々と退席した。
感想
日本には皇室があり、日本国憲法で天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定められています。義務教育で学びますよね。だけど、皇室が必要か不必要かなど考えたことも討論したこともないし、必要ないと言い切れる根拠も、必要と言える根拠も持ち合わせていないです。
以前王室(皇室)がない北米の方が王室関連雑誌が売れると言うネット記事を読んだことがあります。結局のところないものねだりなのでは?王室(皇室)がある国は、それを税金のムダ使い、必要ないなどと言い、ルーツがない国はそれに憧れる。
「ザ・クラウン」をここまで見てきて、伝統を守る意味や、それを守り続ける大変さ、難しさを知ると同時に、壊すと決めてしまえば、それはいとも簡単になくなるものなのだと思い知りました。
それは太古からの風景や寺院の保存と同じだな~と。
ブレア首相の改革も決して間違いではないけど、伝統を守ることの意味をこのエピソードで知った気がします。そして主任秘書官ロバート・フェローズさんが去ることになりました。



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