苦悩するマーガレットと王族の隠された真実のエピソード
#7 世襲の原則 The Hereditary Principle あらすじ
トニーと離婚、孤独のあまり精神のバランスを崩すマーガレットに友人アン・テナントはセラピストを紹介するが、マーガレットはそこで疎遠となった王族の存在を知り・・・・。
相関図
まとめ
最近のマーガレット王女
トニーと離婚したマーガレットの最近のお気に入りはデレク・ジェニングス(通称ダズル)。
マーガレットはダズルと楽しい時間を過ごし関係を深めようとするが拒まれてしまう。
エリザベスとのランチでマーガレットは、「ダズルと恋に落ちてたけど司祭になるからと関係を断られた」と打ち明けるが、「ほんとうの理由は同性愛者、みんな知ってる」と言われ驚く。マーガレットはデレク・ジェニングスが同性愛者だとは知らなかったのだ。それだけじゃなく、咳が続いていたマーガレットは喀血してしまう。
マーガレットは検査手術を受ける。(54才)
エドワードの誕生日会
バッキンガム宮殿で末っ子エドワードの誕生日パーティーが開かれた。
エリザベスは退院したマーガレットの体調を気遣うが、「これから男もタバコもない人生を歩む。王族として私の責務を果たす。だから姉さんにお願いがある。私が生きるためための目的を与えて欲しい」と頼む。
地位の剥奪
だがエリザベスはマーガレットに最悪の宣告をする。
エドワード王子が21才になったため順位が王女様より上に、臨時摂政の地位を譲らなければならないと言うのだ。
聞くなりマーガレットは、「それだけは奪わないで!要求したのは1つだけ、仕事をさせて。時間を埋める何かが必要なの。生きる目的が欲しい」と懇願するが、「私に権利があるならすべてあなたにあげてた。でも無理なの、規則なのよ」とエリザベス。だがマーガレットは、「ガマンさせられるのはいつも私だけ」と。
エリザベスはマーガレットに返す言葉もなかった・・・。
(セントビンセントおよびグレナディーン諸島)マスティク島の別荘
マーガレットは逃げるように別荘のあるマステック島へとやって来た。
だが出迎えた友人のアン&コリン・テナントはマーガレットを見るなりその様子に不安を抱く。マーガレットが明らかに不安定だったからだ。
甥チャールズ
マステック島の別荘にチャールズがやって来た。
「またダイアナが妊娠した。本来よろこぶべきだがお互い憂鬱になっただけ。もうほどんど会ってないし、会えば喧嘩で気が滅入るし悲惨だ。だからセラピストを頼ってる。実はアン・テナントに頼まれたんだ。セラピーを試してみない?アンがセラピストを紹介してくれる」とチャールズ。
知らない従姉妹
セラピー
ロンドンに戻ったマーガレットはアン・テナントの協力でセラピーを受けることに。
だが最初から高飛車な態度のマーガレットは、「私はセラピーには向かない」と言うが・・
しかしセラピストの促しで、「気分が落ちてる。スランプ状態を乗り越えようと努力したけど解決法がない」と本音を吐露したマーガレット。するとセラピストは、「親戚のことを知っているのか」と言い出す。
バーク英国貴族・准男爵名鑑
マーガレットから話しを聞き、「母の兄ジョック伯父さんの娘たちのことね?あの二人は亡くなったと聞いてる」とエリザベス。
ふたりは”バーク英国貴族・准男爵名鑑”で確認することに。
そこには、【ネリッサ1940年没、キャサリン1961年没】と記されていた。
アールズウッド知的障がい者施設
マーガレットは(従姉妹が亡くなっている)と言う記載に納得できず、施設にいる従姉妹たちを確認して来て欲しいとダズルに頼む。
戻ってきたデレクは、「ふたりは生きてた。だが幼児のようだった。でもキミたち姉妹のことは理解してる。王族の写真も持っていたし自分が王族の親戚だとわかってる。施設には従姉妹2人以外に彼女たちの従姉妹、つまりキミの又従姉妹が3人、計5人いた」と言う。
王太后の告白
障害者施設に親戚5人実在している。
この事実にスコットランド滞在中の母(王太后)を訪ねたマーガレットは、「5人も親戚が見捨てられてる。お母様の姪っ子よ?大好きな兄上の娘たちでしょ?思いやりはないの?」と怒りをぶつけるが、「仕方がなかった。すべては王位を捨てたエドワード8世のせいなの、複雑な話しなのよ」と王太后。だがマーガレットは、「ひどすぎる。冷血、残酷よ。私に対する慈悲のなさと完全に同じ問題だわ。長子じゃなければ捨てられ隠され死んだってことにされる。恥を知りなさい」と言い放つ。
改めて、「エドワード8世が王位を捨てた瞬間、ほんとうに何もかもっが変わった。ヨーク公の妻から一夜で女王となり君主の妻になった。同時に私の実家ボーズ=ライアン家はスコットランドの弱小貴族から国王直系の一族にになってしまった。その結果、兄の娘たちと従姉妹が犠牲になった。彼女たちが知的障害だと診断されたことが知られれば王族の血統、健全性を疑われる。世襲の原則が既に危ういのに知的障害が加われば即座に崩壊する。ウィンザー家側もジョージ3世、ジョン王子も問題がある。そこに私の家族の問題まで加えるわけにはいかなかった」と言う。
従姉妹はイドニア、エセルドレーダ、ローズマリー
ジョージ3世はポルフィリン症という遺伝性の病気を患っていたとされ、精神疾患があったとされている
マーガレットの伯父ジョン王子は、てんかんと診断され、13歳で亡くなっている。
真実
血族の真実を知ったマーガレットは改めてセラピーを受けると、「結婚を反対されたのも公的地位を奪われたのも離婚でさえ家族が夫の味方をしたのもすべては遺伝病が理由だった。そしてこの究極の辱め。この惨めさは私の血液に刻まれている。包み隠さず正直に言って。正気を失うのも運命なの?」と問うが、「いいえ王女。調べたところ、従姉妹たちの遺伝子異常は母方の祖父第21代クリントン男爵から受け継がれたもの。病気の原因である劣性遺伝子はクリントン家が持っている。ボーズ=ライアン家に伝わったのはフィネラ様を介してです。従姉妹さんたちは重度の発達障害。王女が抱えている問題とは関係ない」とセラピスト。
まったく関係がないと知り、「隠す必要などなかった。私の家族がしたことは許されない」とマーガレット。
王室の中枢
精神疾患の遺伝的素因がないとわかりマーガレットは、薬物療法、心理療法、運動療法、断酒をすることに。
だがデレク・ジェニングスは、「改宗してローマに来るべきだ。結局ボクに効果があったのは改宗だった。ボクたちが抱えている空虚さは信仰で消え去る」と改宗を勧めるが、「私が改宗すれば国家のスキャンダルになる。裏切りだと言われ称号を取り上げられ追い出される」とマーガレット。
だがデレクは、「それで自由になれる。王室は保身のために5人の存在を抹消したんだ。王室が守るのは中枢の人間だけ。中枢から外れたものなど守らない」と言う。するとマーガレットは、「私は中枢よ、女王の妹。これからもずっと中枢に居続ける。ここで闘う。あなたとはもう二度と会わない方がいい、でももし時間があるなら私のために祈って」と別れを決める。
療養のため再び(セントビンセントおよびグレナディーン諸島)マスティク島にやって来たマーガレットだったが、よくなる気配はなかった・・・。
感想
エピソードの冒頭、精神科病院の入院患者で王族が大好きな姉妹!?が登場。仕事柄、精神疾患の方を知っていますが、不思議と天皇陛下が好きだったり、政治が好きだったりするので、その流れかと思っていたら、王族だったと言うから驚きでした。
名鑑には、【ネリッサ1940年没、キャサリン1961年没】
と記されていたようですが、実際は、キャサリン・ボーズ=ライアンは、1926年7月4日生まれ、2014年2月23日没、ネリッサ・ボーズ=ライアンは、1929年2月18日生まれ、1986年1月22日没です。
ほんとうにその存在を隠されていたのですね。
マーガレット王女を苦しめ続けるのは、女王ではないと言う事実ですね。
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