ザ・クラウン2 # 9 父として(相関図)

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フィリップ殿下の過去がわかります。興味深いエピソードです。

# 9 父として Paterfamilias あらすじ

息子チャールズを母校であるスコッドランドの寄宿学校ゴードンストウンに通わせたいフィリップは、エリザベスや叔父ディッキーの反対を押し切るが、在学中の経験に思いを馳せる

相関図

まとめ

チャールズの進学問題

イートン校

フィリップの教育方針で一般校(バークシャー・グラマースクール)に通っていたチャールズだったが、イジメに遭うつらい学校生活だった。進学にあたりエリザベスは校長から、「王子は内気で繊細。イートン校進学が1番良い選択肢だ」と助言される。
母からイートン校に進学できると聞きよろこんだチャールズは大好きな大叔父ディッキーに報告、ディッキーはチャールズのためにイートン校の制服を仕立ててやる。

ディッキーことルイス・マウントバッテン卿はフィリップの大叔父。チャールズをとても可愛がっており、チャールズの良き助言者。
父フィリップの反対

だがフィリップは、「今のボクがあるのはゴードンストウン校のおかげだ。チャールズはゴードンストウン校に入れる」と譲らず、「パパもゴードンストウン校にひとりで行くのはイヤだった。姉の側にいたかったが一人前の大人になるには浮世離れした暮らしから離れるべきだ。ここは現実の世界じゃない」と言い、自分が着ていたセーターを着せると、「人の価値を決めるのは服や勲章じゃない。その人が持つ魂だ」と言い聞かせる。

【ゴードンストウン校とは】
スコットランド北部の名門寄宿舎。ユダヤ系ドイツ人教育者クルト・ハーンによって設立。在籍生徒の国籍は約35カ国ほど。強健な人格形成を目標に教育を行っている。
フィリップはゴードンストウンの一期生。(学校は建設中だった)

 

ゴードンストウン校での生活

父フィリップが操縦する小型機でスコットランドへと向かったチャールズ皇太子。
「息子を甘やかしたくない」と言うフィリップの考えのもと、チャールズは寮生活をすることに。

しかし王室はマスコミ対策のためと王室警備官を派遣する。そのことについてフィリップは、「自立させたいのに」と不満を漏らすが、「ご心配なく役目は心得ている」とハーン博士。
フィリップはその日のうちに近々開催されるゴードンストウン校名物の「チャレンジ大会」にチャールズをエントリーさせる。

チャレンジ大会とはゴードンストウン校名物の大会で、ハイランドの厳しい自然の中で持久力と決断力を試す過酷な行事。過去にフィリップも学生時代参加している

チャールズには窓際のベッドを与えられたが、窓が壊れていて雨が降り込む最悪の場所だった。チャールズはベッドをズラして雨をしのごうとするが、「ベッドを戻せ、報告書に書くぞ」とルームメイトに怒鳴られ初日からつらい経験をすることに。

大叔父ディッキー

ゴードンストウン校での生活を心配し、ある日大叔父ディッキーがやって来た。
ディッキーはチャールズをクルマに乗せると、「父親を失望させたくないからと話してないことがあるんじゃないか?他の誰にも口外しない。ツライ思いをしているなら言ってくれ。私が必ず何とかする」と言う。

エリザベスとフィリップの問題

ディッキーから話しを聞いたエリザベスは、「チャールズが苦しんでる。学校を地獄、捕虜収容所だと言ってる。退学させて連れ戻す。イジメられ傷ついた子は壊れた大人になる」と主張するが、「チャールズの進学先はオレが決める約束だ」とフィリップ。エリザベスは、「チャールズは未来の国王よ、王冠を戴する女王として、母としてゴードンストウン校を退学させると決めたの」と言うが、「王冠を言い訳に使うな。ボクとの約束だ。破れば大切な王冠に傷がつく」と離婚を脅しに使い絶対に譲ろうとしない。

ハーン博士の言葉とチャールズ

父フィリップが獲得した”チャレンジ大会”の写真を見つめるチャールズ。
「チャレンジ大会は我が校の偉大なる伝統だが勝つのはとても困難だ」とハーン博士。チャールズから、「ボクには無理ですか」と言われハーンは、「キミにはこの学校ですべきキミだけのチャレンジがあるんじゃないか。キミの父上も葛藤していた。キミとは違う種類の重荷を背負っていたが諦めずに友の助けで打ち勝った」と言うが、「チャレンジ大会に出ます。父も期待しているから」とチャールズ。

チャレンジ大会で

スタートから遅れを取るチャールズ。

優勝カップ授与のためゴードンストウン校へとやって来たフィリップに、「生徒は2時には戻るでしょう」とハーン博士。だがどれだけ待ってもチャールズは戻って来ない。王室警護官は、「チャールズとは途中ではぐれた」と生徒から聞き、慌てて探しに出る。
フィリップはチャールズの帰りを待つが、結局戻らなかったため、授賞式をはじめる。
そこへ王室警護官に連れられチャールズが戻ってきた。
(建物の陰に隠れていたチャールズを警護官が見つけた)

 

フィリップの過去

スコットランド、ゴードンストウン校入学

1934年ドイツ、ヴォルフスガルテン城に姉夫婦と暮らしていたフィリップは、”天才から指導を受けるべき”と言う父の考えの元、クルト・ハーン博士が設立したスコットランドのゴードンストウン校に進学することに。
飛行機を怖がる姉セシルとゴードンストウン校へとやって来たフィリップを出迎えたのはハーン校長と、貴族や王族でもない生徒たちだった。

スコットランドは寒く、寄宿舎生活は厳しかった。
早朝から起こされ、学校の周囲を走り、水シャワーを浴びる毎日。負けず嫌いのフィリップはそのルーティンに耐えるが、授業の一貫である土木作業だけは、「これは労働だ。ボクはやらない」と拒否する。
その態度に生徒のジムは、「オレたちより偉いと思ってるのか?」と言うが、「事実そうだ、王子だ」と言い返すが、「全部知ってるぞ。お前の姉貴は全員ナチ野郎だ。親父はお前を捨てて商売女と逃げ、母親は完全に精神を病んで病院だろ。お前は王子でもなんでもない。働け!」と蔑まれ、殴り合いの喧嘩に。だがジムに窓から池へと落とされてしまう。

フィリップは、「先に手を出したのはジムだ」と正当防衛を主張するがハーン先生は、「気持ちはわかる。私も国を追われ逃亡した身だ。怒りも理解できる。だが時代を担うのは優秀な若者、痛みを受け入れられる者だ。世界を救うために憎悪と怒りを消し去れ、エゴもだ」とフィリップに要求する。

その夜ドイツの姉セシルに電話したフィリップは、「こんなところに居られない。皆イかれてる。迎えに来て」と頼むが、セシルは、「妊娠しているから行けない」と言う。

フィリップの仕返し

「チャレンジ大会」は生徒同士協力し合うチーム戦だった。その練習中、フィリップは塀を登るジムに手を差し伸べることもなく、「この間の借りだ」と殴りつけて下へと落としてしまう。
ハーンはフィリップを呼び出すと、「あれは正当防衛だ」と主張するフィリップに、「全員と仲良くしろとは言わん。だがプラトンの理想主義に従って欲しい。罰としてキミとジムのふたりで正門を作れ」命じる。

フィリップは、「休み中に罰として正門を作れと言われた。ドイツに帰れない」と姉セシルに電話。セシルはフィリップがドイツに帰省しないなら結婚式に出席するとロンドン行の飛行機に乗ると言う。

知らされた悲劇とフィリップの苦しみ

連絡を受けたハーンはフィリップを呼び出すと、姉セシル一家が飛行機墜落事故で亡くなったと告げる。

その事実に部屋を飛び出したフィリップは寮を抜け出してしまう。
フィリップがいないことに気づいたハーンは生徒たちと手分けして学校周囲、森を探し回るが、フィリップは湖でボートに乗っていた。
「列車に乗って叔父さんと合流しダルムシュタットへ行け。お姉さんの葬儀に出なさい。ツライだろう。戻ったら我々がキミの家族になる。この学校がキミの家だ。戻るんだ、強くなれ、フィリップ!」と必死に語りかけた。

姉の葬儀で

フィリップはディッキー叔父と合流、ドイツ、ダルムシュタットでの姉一家の葬儀に参列した。
町中ナチ党の中、姉一家の葬儀が行われた。

葬儀の席でフィリップは久しぶりに両親と再会するが、母はフィリップがわからないのか、抱きしめることも言葉をかけることもなかった。

そして父親はフィリップを見るなり、「よく顔が出せたな。お前さえいなければ、お前が規則を守っていればセシルはあの飛行機に乗らなかった。お前のせいで愛する娘を失った。追い払え!」と残酷な仕打ちをしたのだった。

スコットランドへと戻る前、ディッキーはフィリップに、「今は父親が憎いだろう。だがいずれお前が父親になったらすべての親同様、未熟さを思い知り、我が子から憎まれる。そのときはじめて息子から許しを請う難しさを知る」と言葉をかけた。

自分に立ち向かう

寮に戻ったフィリップは真夜中にも関わらず、ひとりで正門を作り始める。
ただ無心で取り憑かれたように正門を作り続けるフィリップ。夜も眠らず、怒りや悲しみをぶつけるかのようにただ無心に正門を作った。

生徒たちからは、フィリップを手伝うとの声があがるが、「頼んでくるまで手伝うことはない」とハーン博士。
フィリップは鉄門設置までひとりでやり遂げたが、どうしても鉄門の取り付けだけはひとりでできなかった。
とうとうフィリップは仲間に、「助けて。手を貸してください」と頼む。

ハーンは生徒全員で鉄門を取り付けると、「よくやったな」とフィリップに声をかける。

 

父と息子

フィリップは”チャレンジ大会”を終えたチャールズをロンドンに帰省させることに。
自ら小型飛行機を操縦しながら、「棄権したことを気にすることはない。お前に体力テストは向かない。それでも自ら大会に出ると決めた」とチャールズを慰めるフィリップ。だが、「お前の歳でパパは遥かな痛みを味わった。姉に酷いことをしたんだ。だがあの学校とハーン先生がパパを強くした。痛みや葛藤は神からの贈り物だ。逃げずに掘り下げろ。今、打ち勝てば将来悩まなくて済む。強くなれ!お前ならやれる!」と檄を飛ばしはじめてしまう。しかし飛行機は天候不良で乱高下、チャールズは死の恐怖に怯えるだけでフィリップの話を聞く余裕すらない。その様に、「たかだ飛行機だ怯えるな!そんなに弱くてどうする!」と怒りを倍増させるフィリップ。

チャールズは5年間、ゴードンストウン校に在籍。のちにチャールズは学校時代を、「地獄」「刑務所」と形容していると言う。チャールズは自分の息子たちをイートン校へと進ませた。

感想

今回のエピソードは個人的にとても興味深かったです。
ここまで「ザ・クラウン」を見てきて、フィリップが魅力的な男性であることはわかるけれど、一方でプライドが高く、女王の配偶者の立場を受容していないと言うイメージでした。
子育てって、時に親は自分の気持ちを抑えてでも、子どもに適した道に進ませなければならないことがあるわけです。私もその経験を痛いほど経験してきました。だから自分の信条を押し付けるフィリップに、間違っていると思ったけれど、フィリップの生い立ちを知り納得できました。と同時に、子育てって連鎖していくんだなと思いました。現在のイギリス国王チャールズ3世は見るからに優しそうですから、5年間のゴードンストウン校生活に耐えられたと思います。

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