精神的に追い込まれたスカイラー。一方ウォルターはどんどん強引になっていく。
#4 51才 Fifty – one あらすじ
ウォルターは51才になった。ガンを宣告されツライ治療に耐えた1年を思い、家族で祝いたいと言うウォルター。しかしスカイラーの気持ちは冷め、子どもを守ることに必死になる。
一方、DEAの捜査はマドリガル社にまで及び、リディアの不安は募るばかり。
相関図
まとめ
振り切れた感情
事故を起こしたクルマの修理が終わった。
クルマを引き取りに行ったウォルターは、そのクルマをたったの50ドルで修理業者に売ると、自分には高級車(クライスラー300 SRT8)を、ジュニアにも念願のダッジ・チャレンジャーSRT8をリース契約してしまう。
凍っていく心
高級新車2台を見ても、何も言わないスカイラーに、「気に入らないんだろ。だがあれは自分への誕生日プレゼントだ。ジュニアのは、父親が息子を甘やかしたと皆が納得するだろう。心配いらない、2台ともリース契約だ。怪しまれない」と説明し、札束を置くウォルター。
それを見て、「再開したの?」と聞くスカイラーに、「あぁ60万ドルを取り戻さないとな」とウォルター。
考え込んでいた様子のスカイラーは、突然、ジュニアをアリゾナ州の全寮制の学校に入れたいと言い出す。
「子どもたちには新しい環境が必要」と言うスカイラーの真意がわからず、「何を心配してる?怖がることはない。もう安全だ。前向きに楽しく暮らそう。明日は私の誕生日だ。お祝いしてくれるんだろ?チョコケーキがいい」などと呑気なことを言うが、スカイラーの心は冷めていく一方だ。
翌朝、ウォルターは51才の誕生日を迎えた。
スカイラーはジュニアに言われ、ホワイト家の伝統”ベーコンでのお祝い”をウォルターにするが、その行為にまったく心はこもっていない。
DEAの捜査
マドリガル社の捜査
マドリガル・エレクトロモーティブ社のオフィスで、苛立ちながら仕事をするリディアに、電話がかかる。
仕事中だと声を潜めるリディアに、「警告だ。30秒後に警察が来る」とマイク。
程なくして捜査官を伴いDEAのハンクとゴメスがやって来た。
リディアはハンクたちを倉庫に案内すると、資材担当者のロンを教える。
資材担当者のロンは、DEAに逮捕された。
リディアはオフィスに戻ると、「ロンが逮捕された。マズイ状況よ、ロンは不服そうに私を睨んでた。DEAの捜査官が14人も来た。ロンは私の協力者だった。警備を買収して荷物を運んでくれてた。現実的に考えて、その役は私にはできない。もうムリよ」と怯えたように捲し立てるが、マイクは、「代わりを送る」と言うと電話を切ってしまう。
捜査状況
難航する捜査にハンクは、「マドリガル社は胡散臭い。ドイツとアルバカーキを結ぶ仲介役がいるハズだ。リディアが怪しい」と言うが、「まさか、生真面目すぎるだろ」とゴメス。
実際、逮捕したフリングの関係者は誰ひとり口を割らず、マイクが彼らを黙らせているのではないかと推測したハンクは、マイクに張り込みをつかせることに。そしてブルーメスが市場に戻ったことも確認された。
ラボの焼死体がハイゼンベルクでは?考えていたDEAは、違う可能性も探ることに。
オファー
ラミーは自分がエルパソに戻った後のDEA主任にハンクを推薦すると言う。
「現場を離れることにはなるが、引き受けるか」と言われ、ハンクは受ける決意をする。
誕生パーティー
ウォルターは誕生パーティーを楽しみにしていた。
スカイラーは、ハンクとマリーを呼び、ウォルターの希望どおり”チョコケーキ”を用意する。
そんな経緯もあり、会話が弾まないパーティーになるが、ウォルターは、「この1年はツラかった・・」と肺ガンと告知された時の衝撃、抗がん剤、放射線治療の苦しさを話し、スカイラーの支えで今があると感謝するが、それをウォルターたちに背を向けて聞いていたスカイラーは、突然、プールに入ってしまう。
それはまるで自殺するかのような行為で、スカイラーはウォルターに助け出される。
マリーの申し出
「こんなことは前にもあったのか?」とハンクに聞かれ、否定しながらも、最近は上手くいっていなかったと告白するウォルター。
ハンクからカウンセリングを受けさせるべきだと言われ、ウォルターも納得するが、スカイラーがそこまで追い込まれていたと知り、ショックを隠せない。
マリーは、「2人の時間を持つべき」と、子どもたちを預かると言うが、「それで解決できるとは思えない」とウォルター。しかしそれがスカイラーの希望だと聞き、了承するしかなかった。
スカイラーの本心
結局、マリーが子どもたちを預かることになった。
ウォルターから、「ジュニアも何とか説得したよ。子どもたちは違う環境になった。これは偶然かな?どういうことか説明してくれ」と言われ、「この家に子どもたちを置きたくない。安全じゃないから」とスカイラー。
ウォルターは、「何度も話したハズだ。間違いなく安全だ」と言うが、「2週間前は殺し屋が来て殺されるところだった。あなたは床下で狂ったように叫び続けていたし、それにまたメスを作ってる」とスカイラー。
ウォルターは、「前とは違う。私が仕切ってる」と説明するが、スカイラーは、「この先、ずっと順調だと思ってるの?」と疑問を投げかける。
それでもウォルターは、「当たり前だ。私が舵を取ってる。危険な目には遭わせない。ガスが死んで脅威は消えた」と言いきる。
「危険なのはあなたよ。私の手も血で汚れてる。テッドのことは私のせいよ」とスカイラー。
ウォルターは、「自分を責めるな。家族を守るための不可抗力だった」と言うが、スカイラーは、「やめて。あなたの都合のいい正当化にはウンザリよ。私も共犯。堕落したけど、子どもの件は譲らない。ドラッグを扱い、人を傷つけ殺しても平気な顔をして暮らす家には置いておけない。ビジネスを再開するのは勝手だけど、子どもたちはこの家から遠ざける。手段は選ばない。子どもたちは絶対に戻さない」と言いきる。
ウォルターは、「キミが自殺未遂を企てても、病んでいると思われるだけだ。キミは入院し、子どもたちは私が面倒をみる」とスカイラーを煽るが、一歩も引かないスカイラーは、「自分を傷つけてあなたをDV夫だと通報する」と言い出す。
とうとうウォルターは、「警察沙汰にしたいのか?イヤがるジュニアを転校までさせて私に挑み、子どもを奪う気ならやってみろ!」と言うが、「ただあなたから子どもたちを引き離したいだけよ。最悪の作戦だけど、私は臆病者。警察に行く勇気もなく、資金洗浄を続け、あなたをこの家からもベッドからも追い出すことができない。だから待つしかない。じっと耐えてね」とスカイラー。
「待つ?何をだ?」と聞くウォルターにスカイラーは、「ガンの再発よ」と言うのだったー。
ビジネス
リディア
リディアは慣れない操作盤をいじり、倉庫の監視カメラを切ると荷物搬入口を開けるが、そこに立っていたのはジェシーだった。
リディアは見知らぬ男がいることに過剰反応し、マイクが送り込んだ男だとわかるまでは、ヒステリックな状態で、「刑務所行きはイヤなの。だから慎重になってる」と挙動不審だ。
そして、「あの缶を在庫リストから消してある」と棚の1番上のメチルアミンを指す。
ジェシーがフォークリフト使い、缶を下ろしていると、「待って!あれは何?」と大声を出すリディア。
缶の底にGPSが取り付けてあったのだ。
メチルアミン
翌朝、ウォルターとマイクはジェシーからの報告を聞く。
焦った様子で写真を見せ、「原料で彼女と繋がってることがDEAにバレる。おしまいだ。他にメチルアミンを調達できる業者はない」と言うジェシーにマイクは、「どこか引っかかる。GPSは缶の底にあったんだろ?警察の仕事としちゃずさんだ。しかもリディアはこの缶を指定した。これは彼女の仕業だ。在庫を監視されていると見せかけ、オレたちに手を引かせるために仕組んだんだ」と言うと、リディアを始末すると言う。
ジェシーは、「もう一度彼女と話して、メチルアミンの提供を続けさせればいい。原料の提供がないと困るんだ」と言うが、マイクは、「彼女には1度チャンスをやった。イカれた女と続ければ、オレたちが危ない」と言う。
しかし、「メチルアミンが最優先だ。生産量は減らさない」と言うウォルターの一言で、リディアとの契約を続けることに。
ウォルターの苛立ち
ウォルターはジェシーから誕生日プレゼントに腕時計を受け取る。
自宅に帰っても、一言も話さないスカイラー。
「すぐにカネが入る。大丈夫か?」と資金洗浄について聞いても、タバコを吸い続けるだけのスカイラーに、苛立ったウォルターは、「この腕時計は私を殺そうとした男からもらった。そんな男も変わった。キミも変わる」と言うのだった。
感想
スカイラーの反応が一般的な反応だと思う。
彼女にしてみれば、この1年ですべてが変わってしまったし、脊椎損傷したテッドのあの姿を見て、「何も言わない」と言われてしまえば、もう、後悔と自己反省しかないよね。
ウォルターは、と言うと、マイクの警告も聞かず、自分が仕切ってると言い切ってるけど、ドラッグの恐ろしい世界を知らないまま、突っ走ってる限り、確実に破綻するよねと思う。
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