バーナード・コーンウェル氏の小説「サクソン・シリーズ」原作の、デーン人(ヴァイキング)の支配下となる9~10世紀のイングランドを舞台にした史実ドラマです。
# 1 あらすじ
866年、イギリス、ノーザンブリアに新たにデーン人たちが襲来、エフォウイック(現在のヨーク)に居住する仲間と合流する。ノーザンブリアは、3人の王(アエルラ王、オズバード王、イートレッド卿)が統治しており、軍勢で劣るため襲撃を躊躇していたアバだったが、予言者ストーリに背中を押され、襲撃を決める。
ウートレッド卿はアエルラ軍、オズバード軍と合流、開戦するが・・・・
相関図
まとめ
三国王が治めるノーザンブリア
ウートレッド卿
866年、ノーザンブリアの沖に新たなデーン人の船が襲来する。
べバンバーグのウートレッド卿は、弟エルフリックに女性や子ども、老人を高台に避難させ、領内の男を要塞に集めるよう指示すると、長男ウートレッドに、「何があっても手出しはするな、ヤツらは容赦なく殺してくる」といい含め、デーン人の監視を指示する。
今回襲来したのは、ラグナル、その父ラバン、息子の小ラグナルたち。
守備を固めるべバンバーグ砦に、数名のデーン人がやって来た。
ひとりの男は長男ウートレッドの馬に騎乗しており、ウートレッドの斬首を掲げると、放り投げ去ってしまう。
すぐさまウートレッド卿は、「長男に代わりお前は今からウートレッド、継承者だ。命をかけてこの地を守れ」と言い聞かせると、
弟エルフリックには、30人の兵士と残り世継のウートレッド(次男のオズバード)を守るよう指示する。
出陣
夜明け、ウートレッド卿はアエルラ王軍、オズバード王軍と合流するため進軍。
それを知ったウートレッド(元オズバード)は、馬で父を追い砦を出てしまう。
それを確認したエルフリックは、「兄(ウートレッド卿)が命を落としたら、あの子を始末しろ」と手下スカリオンに指示する。
デーン人居住区:エフォウイック(現ヨーク)
イングランドに襲来したラグナルたちは、先に襲来、エフォウイックに居住しているヴァイキングと合流する。
ノーザンブリア王国を手中に収めたいと企みながらも、三国(アエルラ王、オズバード王、ウートレッド卿)が相手であることに躊躇するアバ将軍に、「良い作戦がある」とラグナル。預言者ストーリも、「良いお告げがあった」と賛成したため、アバは3王国と戦う決断をする。
ヨークの戦い (867年)
エフォウイック(現ヨーク)の奪還のためアエルラ王軍、オズバード軍と合流したウートレッド卿軍
ウートレッド卿と兵士たちは、アエルラ王の指示でヴァイキングと戦うが、ヴァイキングの策略にハマり挟み撃ちにされてしまう。
父を追ってやって来たウートレッドは殺害される父を目の当たりにし、恐れることなく果敢に剣で立ち向かうが、小手先でやられ、殴られ、意識を失ってしまう。
ヴァイキングを撃破するべく同盟を締結、ヨークを奪還しようと試みたが、エッラ王とオスベルト王はともに戦死し、ノーサンブリア王国の試みは失敗に終わった
エフォウイックのデーン人居住区
ラグナルの父ラバン
大広間で、ヴァイキングたちがありとあらゆる方法で捕虜を拷問、処刑して盛り上がる中、ラグナルは、ウートレッドを父ラバンに託す。
ラバンはウートレッドを見極めるかのように、「チキンを切ってくれ」とナイフを渡すが、ウートレッドは、指示どおり肉を切り分けた。その行動に賢いと少年と判断したのか、「お前は捕虜だ、先のことはわからんが、忠告しておく。アバには気をつけろ。絶対に戦うな。イングランドはもうすぐすべての王国がヴァイキングのものになる」と言うが、「父さんが亡くなった今、ボクがべバンバーグの領主だ」と言うウートレッドの言葉に、「息子(ラグナル)がお前を生かしたのは、お前が戦士だからだ」と言う。
ウートレッドは同じく捕虜にされた少女ブリーダと手をつなぎ、ヴァイキングと暮らす覚悟をする。
磔の父
翌朝、ウートレッドとブリーダは、戦場跡で、武器や木材など使えるものを集める作業に就くが、そこには見せしめの磔にされた父の遺体が・・・ウートレッドは、涙を堪える
事件
ロイディス(現リーズ)を居住とするラグナル一家の奴隷となったウートレッドとブリーダ。ラグナル一家はふたりに家事を手伝わせながらも、大切に育て、ふたりは幼い娘テューラの良き遊び相手であった。
ある日、3人が森でお姫様ごっこで遊んでいると、キャルタンの息子スヴェンが仲間3人と現れた。
テューラはスヴェンが本物の剣を持っていることに気づき、ウートレッドとブリーダを逃がすが、「助けて!」とテューラの叫び声が!
ウートレッドが戻るとスヴェンがテューラの服を破いていた。ウートレッドはスヴェンに立ち向かう。
喧嘩したことを叱られ、喧嘩の理由を聞かれても、「クソ野郎だから」と本当のことを話さない強情なウートレッドにラグナルは、「喧嘩はいいが、その態度が問題だ」と体罰を与えようとするが、「悪いのはスヴェン」とテューラ。
キャルタン
ラグナルは息子ラグナルとウートレッドと共に、「お前の息子が領地に剣を持ち込んだ。掟に背いた上、娘に侮辱を与えた。その罰を下す」と言うが、「子どものことだ、許して欲しい」とキャルタン。
だがラグナルはそれを許さず、スヴェンの片目を潰すと、「ここから出ていけ」と追放を命じる。
その夜、ラグナルは、「今日のことはお前を誇りに思う」とウートレッドに”雷神トール”のお守りを渡す
キャルタンの画策
息子を隻眼にされた上、追放されたキャルタンは、「いい話がある」とべバンバーグ太守エルフリックを訪ね、「ウートレッド卿の息子が生きてる。買い戻してはどうか」と提案する。
交渉
ウートレッドを買い戻すための交渉がはじまった。
再会に笑顔を見せるウートレッドにベオッカ司祭は、「叔父上はお前を殺す気だ。戻るな。逃げなさい。ウェセックスのアゼルレッド王を訪ねなさい」と小声で忠告する。
交渉が始まった。ラバンはイートレッドが太守であることから銀貨300枚を要求するがエルフリックはそれを渋り、最終的に銀貨200枚で話しがまとまる。
だがラグナルが、ウートレッドを同じ金額で買い取ると言い、エルフリックは交渉に失敗、ウートレッドを連れ戻すことができなかった。
ロイディスに戻る道すがら、「もうボクは捕虜じゃないの?」と聴くウートレッドにラグナルは、「オレがお前を買った、オレの家族になった」と言う。
約10年後
ウートレッドは青年になった。テューラは明日結婚することに。
ラグナルはウートレッドにブリーダと結婚してはどうかと打診、夜、ブリーダが森で炭焼きをすると教える。
夜、炭焼き場でひとつになったウートレッドとブリーダ。
だがふたりはキャルタン、息子スヴェンが仲間とラグナル襲撃に向かっているのを見てしまう。
ウートレッドはラグナルに知らせるために森の中を走る・・・
キャルタンの襲撃
キャルタンはラグナル屋敷の出口を1つ以外全部塞ぐと、屋敷に火を放つ。
火事に気づいたラグナル一家は外へ避難しようとするが、扉が開かない。
キャルタンたちは、唯一開く扉から出てくるラグナル一家を一網打尽に殺害、ラグナルの父ラバンは、ラグナルに向かって放たれた矢が刺さり、倒れてしまう。
屋敷内に、ラグナル、シグリット、そしてラバンがいるのを確認したキャルタンは、ドアを閉めるよう指示。
もう逃げることは無理だった。
死を覚悟したシグリッドから短剣を渡されたラグナルは、躊躇ののち頷くと、シグリッドをヴァルハラへ送り、自らは火だるまとなりキャルタンたちに立ち向かう・・・が、殺されてしまう。
それを目の当たりにしたウートレッドとブリーダはなすすべもなかった。
叔父エルフリックの策略
朝になった。
キャルタンらは焼き払った屋敷跡から銀貨や武器など金目のものを探し始めるが、その様子を離れた場所から見ていたウートレッドは、叔父エルフリックの手下スカリオンがいることに気づく。
叔父が太守の地位を保持するため、世継である自分を殺害するためキャルタンに協力したと気付いたウートレッドは、「生かしておくわけにはいかない」と焼け跡に近づくと、スカリオンを殺害する。
一方、キャルタンの息子スヴェンはラグナルの娘テューラを凌辱目的で捕らえると連れ去る。
キャルタンたちが去ったあと、ラグナルの遺体を前にウートレッドは、「すべて奪われたままじゃ耐えられない。始まりの場所へ戻る」と決断する。
宣戦布告
ウートレッドは故郷べバンバーグ要塞へと戻ると、かつてラグナルが兄の斬首を掲げたときのようにスカリオンの斬首を掲げると、「べバンバーグのウートレッドだ。ここはオレの土地だ」と叔父エルフリックに宣戦布告するのだった。
感想
1話はまさしくこのドラマの序章でした。
最後の方に出てきた青年ウートレッド・ラグナルソンがこのドラマの主役であり、小説家バーナード・コーウェル氏の先祖。しかし実際は、9~10世紀には存在していない架空のキャラクターだそうです。
ドラマとしての見応えは、襲撃してきたデーン人が長男ウートレッドの斬首を持って宣戦布告する冒頭のシーンと、同じシチュエーションでデーン人に育てられたウートレッドが叔父エルフリックの部下スカリオンの斬首を掲げ、宣戦布告するシーンが重なるところですね。
ゾクッとするプロットだと思います。
すっかり史実ものにはまっています。
やっぱり事実は小説より奇なりです。
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