あの人のことが少しずつ明らかに。
# 4 混沌
後藤礼於(れお)は藍を探し当て、自宅に侵入したが・・・。一方、大悟は洋介を連れて人質交換場所に着くが、そこで岩男が、洋介が後藤を裏切ったのではないかと言い出す。
相関図
まとめ
後藤藍の運命
藍と京介を襲い後藤礼於(れお)
京介の連絡で藍宅に駆けつけてきたのはジャーナリストの宇多田だった。だが時はすでに遅く、部屋はむちゃくちゃで、藍と京介の姿はなかった。だが、「間に合わなかったか・・」と呟く宇多田の前にカマを持った男が!
後藤礼於(れお)だった。
後藤礼於(れお)は宇多田を拷問し、「後藤藍と食われ損ないのガキはどこや?」と迫るが、「何も知らない、呼ばれて来ただけで本当に知らないんです」と宇多田。とうとう礼於(れお)は、「知らんのなら死ね!」とカマを振り上げるが、「止めて!」と女性の声が。後藤藍だった。
京介と藍は、アパートの中のレスパイトルームに隠れていたのだ。
「恵介たちに何かあったんですか」と聞く藍に礼於(れお)は、「死ぬヤツに教える必要はねぇわ」とカマを持って近づくが、京介は礼於(れお)の顔面に、クレゾール(薬品)の瓶を投げつけた。悲鳴をあげて化学熱傷の痛みに悶える礼於(れお)。だがそれでも礼於(れお)は立ち上がり、「家畜のガキがぁ」とナタを振り上げる。
だがそれを止めたのは宇多田だった。背後から美術品で殴りつけたのだ。
藍の決断
宇多田から、「後藤家の祭りを止められるのはあなただけだ」と言われた藍は、供花村へ行く覚悟を決めるが、幼い頃、生贄にされ、”あの人”に食われかけた恐怖を思い出した京介は過呼吸になってしまう。藍は京介を抱きしめ、「ここで待ってて。必ず帰るから」と言うと宇多田と供花村へ向かうことに。
”あの人”とは
供花村へと向かう道すがら宇多田は、
現人神(あらひとがみ)はこの世に人間の姿で現れた神のことで、供花村では700年以上前からその存在が言い伝えられてきたと言う。
と話すが、「神じゃない。あれはただの子どもです。年をとっても中身はいつまでも子どものまま」と藍。
供花村の橋
人質交換
指定された供花村の橋に人質の洋介を連れてやって来た大悟に恵介は、「3つ数えたら人質を離せぇ」と言うが、それを止めたのは岩男だった。「1つ確認させぇ。洋介はなんで捕まっとるんじゃ?お前の腕なら警察全員を撃殺すことも簡単なはずじゃ。そやのになんで全員が捕まり、家畜のガキまで取られた。答えろ、おめぇ裏切ったな」と責めるが、「違う、ワシは皆のことを一番に考えとる。誰にも死んでほしくないだけじゃ。こんなん間違ってる。あの子らは家畜じゃない。何も知らん子どもじゃ。そこの2人(有希とましろ)も何も関係ねぇ人らだ。もうええよ兄ちゃん、全部終わりにしようや」と訴える洋介。
だが恵介は、「黙っとれ洋介!間違ってるんはお前の方じゃ」と言うが、「恵介、子どもの居場所を教えたんわお前だろ」と暴露する大悟。だがその真実は、「裏切ったんは親父じゃ。恵介が始末した。どうする恵介、弟も自分で始末するか?」と言う言葉で打ち消された。すると、「その前に、このふたりは用なしじゃ。洋介のことは好きにしろ、こっちも好きにする」と有希とましろを撃った真、だが恵介はそれを阻止し、「これ以上もう誰も殺さんでくれ」と言う。
だがその行動は真の怒りに火を注いでしまった。「やりよったな、お前は今、後藤より家畜の命を守った。おめぇも裏切りモンじゃ。跡継ぎならもうおる、ワシらが立派に育てたる。安心して死んでくれ」と言うと恵介に銃を向けるが、今度はそれを岩男が阻止した。岩男は指の力で真の顔面を潰しながら、コンクリートの柱に頭を打ちつけて殺してしまったのだ。
呆然とする後藤家の隙をつき、次々と後藤の男たちを銃撃しはじめる大悟。大悟は、「有希、逃げろ」と言うが、銃撃された岩男に飛びかかられてしまう。岩男に首を締められ気を失いかけた大悟だが、なんとか岩男を撃ち、窮地を逃れた。
この状況に恵介も銃を構えるが、「子どもの居場所を教えたのはお前だろ、全部終わらせるんじゃねぇのかよ。お前一体何がしたいんだ」と大悟。だが恵介の答えは、「わからん、どうすりゃいいんかワシにもわからんのじゃ」だった。
”あの人”
その時天井から”あの人”が襲ってきた。
大悟は、「ましろ、逃げろ」と叫ぶと、”あの人”の足に絡みつき阻止しようとするが、胸を踏みつけられ、動けなくなってしまう。一方恵介は、”あの人”を前にまったく反応できない。
”あの人”はましろを奪い去ろうとするが、有希の必死の抵抗にあうと、「かぁちゃん・・」と呟く・・・
次の瞬間、大悟は拳銃で”あの人”を何発も撃つが、”あの人”は死なず、ましろを抱いて走り去ってしまう。
有希は大悟に、「ましろが死んだらあんたのせいよ、早く追いかけて」と言うと、倒れてしまう。そして”あの人”を追いかけた大悟も意識を失い倒れてしまう。
龍二たち
橋にやって来た龍二たちは死んでいる親族(岩男、真)を発見、恵介、洋介の姿も、駐在(大悟)と有希、ましろの姿もないことに、「何があったんじゃ」と驚くが、「洋介が裏切って危うく死にかけた。で、この状況なんじゃ」と理(サダム)がやって来た。
供花村、奉納祭の準備
奉納祭の準備が進む供花村。
恵介の苦悩
恵介と洋介は宮司の宗近を頼り、ケガをした有希と大悟を境内に運んでいた。
宗近から、「有希さんは脳挫傷かも知れん。早く病院に連れて行った方がええ」と言われた恵介は、「阿川の妻を連れて村を出ろ。私はやることがある」と言うが、「親父を殺したみたいに今度は駐在を殺すんか?」と洋介。驚く宗近。
恵介は、「殺したくなかった。あんなヤツでも親父じゃ」と言うが、「なんで兄ちゃんはひとりで抱え込もうとするんじゃ。ワシには思ってること、話してくれてもええやろ」と洋介。だが恵介は、「ワシはお前とは違う。お前は誰ひとり見殺しにせんかった。ワシは今まで大勢の子どもを見殺しにしてきた。ワシが殺したようなもんじゃ。後藤のことはワシに任せ」と言い切る。
宗近から有希を町の病院へ連れて行くと言われ、「有希を助けてくれ」と頼む大悟に洋介は、「あんたさえおらんかったら誰も死なずに済んだ」と言い放つと病院へと向かう。
仁の店から逃げた村人、仁と邦
仁の店から逃げた仁と邦は、騒動について大げさに脚色して話すと、「転がってる死体を見て思ったんじゃ。後藤もただの人間じゃって。なんで今まで怖がっとったんやろ。ワシらさえその気になれば後藤なんかなんでもないわ。ワシらが言いなりになると思ったら大間違いじゃ。もう少しで後藤は滅びるで」と邦。その言葉に村人は、「ワシらさえその気になれば後藤なんか屁でもない」「後藤が死んでいくんは最高じゃ」と賛同、一体感で盛り上がるが、なぜか仁は黙ったまま。(様子がおかしい)
警察の動き
後藤理(サダム)にトラックで追突され、有希とましろを連れ去られた千堂刑事は大ケガを負ったものの生きていた。だが椎名から、「菊田が殺され、金丸と荒垣と連絡が取れず、おそらくもう(殺された)」言われ、衝撃を受ける。
そこへ県警本部長がやって来た。諸辺署田中署長は状況を報告するが、「捜索は中止だ。キミらは後方支援に回れ。SATを出動させ実力行使し、供花村を制圧する」と八千代本部長。田中署長は、「後藤恵介や主犯格を確保すれば後藤家が無力化できる。祭りの日の夜、後藤家は必ず儀式を行う。子どもを生贄に捧げる場所さえ分かれば」と言うが、「手ぬるいぞ。方針に変更はない」と本部長。
そこへ後藤藍がやって来た。「私が話せることをすべて話します。どうか恵介と洋介を助けて欲しい」と藍。
後藤家にとっての”あの人”
「会わせたいもんがいる」と銀に連れられ恵介が向かったのは、来乃神神社の神殿だった。
「後藤家の象徴”あの人”じゃ。供花村の神じゃ」と銀は”あの人”を紹介する。
銀から、「これを捧げろ」と言われたのは”人間の手足だった”。人肉を貪り食う”あの人”を見ながら銀は、「これを守るのが後藤家の役目だ。わかったな」と言い聞かせた。
恵介と大悟
「なんで助けたんだ」と言う大悟に、「お前のことは憎い。けどもうこれ以上子どもらを犠牲にしたくない。”ましろ”はまだ生きてとる」と恵介。大悟は、「どこにいるんだ?教えろ」と迫るが、「焦るな、祭りが始まるまでにはまだ時間がある。それまで”あの人”は誰も食うたりせん。それがしきたりじゃ」と恵介。「なんだよしきたりって?あのジジィは何者だ?なんで人を食うんだ?なんでお前も村人もそれを平気で受け入れてるんだ!?」と大悟。そのとき、「確かに、よその人からは奇怪に映るんでしょうなぁ」と宗近の祖父、正宗がやって来た。
来乃神神社宮司、神山正宗のはなし
「元を辿ればそれなりに筋が通ってたが、時間が重みで撓んでしまった」と言うと話し始める正宗ー・・・
「お前らが知ってる銀とは違う。美しい女性だったー・・・」と言う正宗の話しに、絶句する大悟たち・・
感想
いよいよ”あの人”と銀のつながりが次のエピソードでわかるってことかな。
で、真は死んだけど、岩男は生きてるの?
ただひとり、金丸から真実を聞いた男が岩男。宗近の祖父ももうギリギリだし、過去を語る人がいなければ、供花村の奉納祭、生贄、あの人、銀のつながりはわからないままだよね。
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