1話から続くフィリップとエリザベスのエピソード
#3 リスボン Lisbon あらすじ
フィリップの個人秘書マイク・パーカーが”ランチクラブ”のネイハム男爵に送った手紙の内容が認められ、離婚申立を開始した妻アイリーン。そのことはマイクだけじゃなくフィリップ、エリザベスまで巻き込む騒動に発展する。
相関図
まとめ
フィリップからの手紙と8mmフィルム
フィリップから撮影した8mmフィルムと手紙が届いた。
エリザベスは手紙を読みながら上映会を開催。8mmにはキングジョージ島で撮影された野生ペンギンや、海軍士官たちと休暇を楽しむフィリップの姿が写っていた。フィリップを見て思わず笑顔を見せるエリザベス。
イーデン首相の辞任
裏切られたイーデン
3週間の休暇を経てイギリスへ帰国したイーデン首相。しかし民衆は、イーデンの辞任を声高に求め、新聞各紙も、「国を捨てた男、イーデン首相帰国」と辛辣だった。
だが公務に戻ったイーデンは、ハロルド・マクミランから、「キミは信頼を失った。終わりだ」と言われてしまう。イーデンは、「キミも戦争に賛成しただろ」と言い返すが、党員の誰一人イーデンに加担しなかった。
イーデンの辞任とエリザベス
謁見を申し出たイーデンは、体調問題を理由に首相の辞任を願い出る。
エリザベスは、「戦争を決めたのは時期尚早だと思いました。議会にもイスラエル侵攻は寝耳に水だったとウソを言った。あなたは間違っていたけれど一方で同情もしています。長年偉大な政治家を根気よく忠実に支えてきた。ようやくカレに対抗できるチャンスを得た。何もしないというのが一番の選択肢であるけれど、それは難しいことは私も知っています。信念のある政治家が歴史を変える」と言うが、イーデンは、「失脚した首相と歴史に名を残すことになりました」と言うのだったー。
新首相 ハロルド・マクミラン
エリザベスとの謁見にやって来た新首相マクミランは、「イーデンが始めた戦争によって今やイギリスは破滅的です」と言うが、その言葉にエリザベスは、「戦争は政府が決定したもの、イーデンだけが悪いわけじゃない。特に大蔵相のあなたには発言権があり、軍事介入に賛成だった。人はいかなる時でも自らの発信に責任を持つべきです」と意見を述べた。
マイク・パーカーの離婚問題
王室秘書の行動
アイリーンの離婚申立を受け、王室秘書マイケルは退職した大先輩トミーに相談。
トミーは即答で、「王冠を守るために第三者の離婚を阻止するしかない」と言う。
トミーは早速アイリーンに接触、「エディンバラ公(フィリップ)は重要な公務中であなたの離婚が公になれば、女王の婚姻も非難されかねない。離婚の公表を待って欲しい」と頼むが、王室の身勝手な言い分にアイリーンは怒ってしまう。
パーカー夫妻の離婚問題が公になることが確定となり、話すしかなくなった秘書マイケルは、「パーカー少佐の妻アイリーンが離婚を申立てました。きっとマスコミは殿下について容赦なく書き立てるでしょう。離婚理由の1つは不貞で、パーカー少佐はエディンバラ公の個人秘書かつ親友です。不貞の証拠はマイクが”ランチクラブ”のネイハム男爵宛てに送った手紙で、外遊中の武勇伝を自慢する内容です」と。それを聞き、心中穏やかではないエリザベス。
マイクとフィリップの反応
妻アイリーンが離婚を申立、弁護士が手続きをはじめたとの連絡を受けたマイクは悩んだ末、”ランチクラブ”のネイハム男爵へ送った手紙が妻アイリーンに手に渡り、離婚を申立られた。王室も知ってると報告する。
フィリップは、「誰にも手紙を書くなと言うルールは知ってたはずだ」と言い、エリザベスがその手紙を見るだろうと想定し、思案する。
エリザベス
一方エリザベスはアイリーンを訪ねる。
アイリーンは、「ずっと離婚を考えていた。どうか葬り去らず、目を背けないで。それが現実なの」と言うと、証拠の手紙を見せる。手紙を読んだエリザベスは、「1つお願いがある。対処法が固まるまで公表を待って欲しい」と言うが、アイリーンは、「あなた方のお願いにはもうウンザリなの。王室に仕える人間の家族が払う犠牲を全然わかっていない。すでに弁護士に指示を出してる。遅いわ」と言う。
すぐさま新聞各紙は、「王室のエディンバラ殿下の親友夫妻が離婚」と書きたて、一大スキャンダルに
フィリップの下した決断
ブリタニア号にもその情報は入った。
マイクは、「ボクの弁護士は乗り切れると言ってる」と言うが、「希望的観測はよせ」とフィリップ。その様子から辞任するしかないと察知したマイクは、「なるべく早く辞表を書く」と言うが、「今ここで辞意を表明してくれ」と求めるフィリップ。マイクは辞任を表明、フィリップはそれを許可すると、「長年仕えてわかってるはずだ。ボクたちにミスやスキャンダルは許されない。情け無用の世界だ。ジブラルタルで下船してくれ。いかなる件にもノーコメントを勧める」と言う。
王室の対応
パーカーの辞任を受け、イギリスメディアは一定の評価をしたが、今度はアメリカの新聞社が、【フィリップと一般女性が不倫。ネイハム男爵所有の部屋で定期的に密会を重ねる】と報道。過去のエドワード8世とシンプソンのスキャンダルまで掘り返され、大騒ぎになっていた。王太后は、「フィリップをすぐに帰国させて」と言うが、トミーは、エリザベスとフィリップがリスボンで再会するシナリオを計画する。
ブリタニア号司令官スミス海軍中尉に呼び出されたフィリップは、「王室から女王との再会をマスコミに公開すると言う連絡が入った。リスボンの空港でお会いになる計画。その際の注意事項です」と詳細に書かれた用紙を渡される。そこにはネクタイと帽子が指定されおり、脱帽のタイミングまで書かれていた。たまらずフィリップは不満を漏らすが、「拒否する状況にありません」と言われてしまう。フィリップはヒゲを剃り、その日を迎えた。
再会
飛行機に乗る前に脱帽を指示され、約9ヶ月ぶりにエリザベスと再会したフィリップだが、エリザベスは、「話はあとで」と言うだけでハグどころか笑顔もない。それでも気丈に笑顔を見せ、タラップを降りるエリザベス。
ブリタニア号で
改めてフィリップと向き合い、「私たちに離婚の選択肢はない。たった1つのスキャンダルで王家は終わるほど脆い。だから婚姻を続けるのに何が必要か言って」とエリザベス。
「楽になるには、耐えるには、尊敬と承認が欲しい。宮殿に仕える年寄りの高慢な態度を改めてくれ。ボクをよそ者扱いするな」とフィリップ。エリザベスは、「行動が伴えば、おのずと尊敬される」と言うが、「いいや、オレはあの連中が唯一理解できる方法で尊敬を勝ち取る。目に見える形、声明でだ。オレより8才の息子の王位が上だなんて耐えられない」と言い出す。
フィリップ王配殿下の誕生
エリザベスはフィリップの望みを叶え、フィリップにグレートブリテン及び北アイルランド連合国王配の称号を与え、エディンバラ公フィリップ王配殿下となった。
満足そうに女王エリザベスの隣に座るフィリップだが、
王室関係者は皆、冷めた視線を送った。
マイク・パーカーとの別れ
妻アイリーンと離婚し、妻子が去ったマイクを訪ねたフィリップ。
マイクは故郷オーストラリアに戻ると言う。
フィリップは、”殿下”と呼ぶマイクに、「名前で呼んでくれ。心細いよ、ひとつの時代の終わりか」と別れを惜しむが、マイクは最後まで、「殿下」と呼んだ。
感想
エリザベスはフィリップ殿下のイケメンぷりが好きだったのかな。
ここまでのフィリップの描き方は、幼少期の苦労も影響してか、自尊心が高く卑屈なタイプに描かれてます。
フィリップの個人秘書マイク・パーカーがルール違反(手紙など禁止)し、離婚となった時、フィリップはマークを切ることを優先、ジブラルタルでブリタニア号から下船させました。
王室の指示だったでしょうし、王室を守るためには非道にならざるを得なかったわけですが。
その後マイクは離婚、故郷オーストラリアに戻るため、イギリスを去ります。
マイクと最後の別れをするフィリップは、これまでの感謝を述べ、「心細い」と言いますが、マイクは最後まで殿下と呼び続けました。どういう意味合いがあるのか、見たものの感じ方次第かなと思いますが。私は、親友と言うものには所詮なりきれないと言う現実だと思いました。マイクにとって、1番助けて欲しかったときに、フィリップはマイクを切り捨てたんですもんね。
しかもフィリップは王位を要求したわけですよね。
フィリップの大人気なさは、歴代秘書官ヒゲを蓄えている秘書官マイケルのヒゲさえも剃らしましたからね
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