ザ・クラウン # 9 暗殺者たち(相関図あり)

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シーズン1は残り2話。
80才の誕生日を迎えたチャーチルが、自分をほんとうの姿に気づくはなし

#9 暗殺者たち Assassins あらすじ

フィリップとの仲がギクシャクしているエリザベスは、趣味の競馬に没頭、幼馴染で調教師のポーチと過ごす時間に癒やしを求める。チャーチル80才の誕生日を祝い両院から肖像画を贈られることに。自身も油絵が趣味のチャーチルは、画家サザーランドと親交を深めるが・・・。

相関図

まとめ

エリザベスとフィリップ

フィリップの夜遊び

毎晩のように個人秘書マイクと遊んぶフィリップは、平気で朝帰りを繰り返していた。
フィリップの帰りが気になり眠れないエリザベスは、それを気づかれないよう寝たフリをする日々だった。

ポーチェスター卿(ポーチー)

そんなエリザベスは幼馴染でオーナーブリーダーのポーチと競馬について会話することが拠り所になっていた。

エリザベス2世の競馬を愛された。
競馬に精通し、血統書や馬格に対する鋭い審美眼をもつ真のプロフェッショナルだった。

”キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス”でオリオールは見事に優勝、大喜びするエリザベスとポーチーを見て、不快な表情を見せるフィリップ。フィリップは馬には全く興味がなかった。

競走馬オリオール

オリオールが生まれた時からを知っているエリザベスとポーチー。
皆はオリオールを駄馬と呼んだが、亡き国王ジョージ6世はその才能を見抜いたと言う。

「アメリカのレースの招待がある。アドバイスが欲しい」と言うエリザベスにポーチーは、「もう4才だ。引退させた方がいい。オリオールは中距離のヨーロッパチャンピオンだ。種馬にすれば大金が入る」と言う。

結果、オリオールはエリザベス所有した初めてのトップホースとなった。

ポーチーの電話で、「オリオールが稼いだ賞金合計は4万ポンド。だが種馬にすれはその比じゃない。オリオールは最高の血統だ」と言われ、種馬にすることを決断したエリザベス。
「キミに電話するのも一苦労する。中々繋がらない」と言うポーチーの言葉に、エリザベスはポーチーを直通電話にする。

一方フィリップは、エリザベスからオリオールを種馬にすると聞いても、適当な返事をし、「ポーチーの父親はお盛んだったと聞いてる、同じだな」とひどい悪口を言い、今夜もマイクと夜遊びに繰り出すー。

80才のチャーチル

サザーランドとの出会い

80才の誕生日を迎えるチャーチルに、会期初日に議事堂で開会式を兼ねて栄誉を称えることが決まった。
また保守、労働両院からチャーチルに公式肖像画が贈られることに。肖像画家に選ばれたグラハム・サザーランドがチャーチルの私邸”チャートウェル・ハウス”へとやって来る。
チャーチルは、「必要以上に正確に描くことはない。加減を頼む。絵画は高度な芸術だ」と言うが、サザーランドは、「正確とは真実です」と言い、愛用の葉巻やガーター勲章のローブをつけたいと提案するチャーチルに、「飾る必要はない」と言う。そんなサザーランドが気に食わないチャーチル。だが妻クレミーは気に入る。

首相官邸はロンドン、ダウニング街10番地
チャーチルの私邸はケントにある”チャートウェル・ハウス”
アンソニー・イーデン

アメリカで手術を受けたアンソニー・イーデンが回復、帰国した。
チャートウェル・ハウスへとやって来たイーデンは、「党と国家の代理として来た。辞任してください」と申し出るが、「その時が来たらだ」と今ではないとチャーチル。イーデンは、「閣下は現実が分かってない。すべてにおいて判断を誤ってる」と苛立つが、クレミーがやって来たことで、そのまま帰ってしまう。

肖像画制作

モデルをしながらも、気がつけばうたた寝してしまうチャーチル。
デッサンがほぼ出来上がった。チャーチルは見たいと言うが、サザーランドはそれを拒否する。
チャーチルは、「この身体とはキミより長い付き合いだ。おかしな点は指摘してやる」と言うが、「大抵の人は自分を知らない。直視すれば長い人生を生き抜けない」と言う。その言葉にチャーチルは、「キミが描いているのは私個人ではない。この国の首相で、その職が象徴するのは、民主主義、自由、チャーチル政権の高邁なる理想だ、良く覚えておけ」と憮然とする。

絵画の中の互い

チャーチルはサザーランドの作品集をから1つの作品に興味を惹かれ、模写する。

同じ頃、サザーランドもまたチャーチルが出版している絵画集から1つの「池の絵」に興味を惹かれていた。

スケッチ最終日、サザーランドから、「今日が最後ですからふたりで静かに過ごしたい。閣下の画集を拝見し、誠実な絵に安心しました。”金魚の池の絵”は特にそう感じた。その証拠にあなたは池の絵を20回以上描いている」と言われ、「とらえどころなく上手く描けんのだ」とチャーチル。するとサザーランドは、「ご自身の姿なのでは?絵には画家の真実が露呈する」と言い、”金魚の池”の絵には、真実を見てくれ。深い絶望が巨大な海の獣のように身を隠しているように見えたと言う。

するとチャーチルは、「1つ聞いていいか?キミの”牧歌”と言う作品だ」と言い、その絵に邪悪な何かを感じたと言う。サザーランドは、「鋭いですね。暗黒の時期の絵です。息子のジョンが生後2ヶ月で召された」と。チャーチルは、「気の毒に」と言う言葉のあとに、「末娘のマリーゴールドが2才で亡くなった。私は最期を看取れなかったが妻は泣きわめいていた。ここ(チャートウェル)を購入したのはその翌年で、”金魚の池”を作った」と言う。

ふたりには愛する我が子を亡くした同じ苦しみを互いの絵の中に感じ取っていたのだった

チャーチルは、「いい経験だった。礼を言う。楽しみにしている」と握手しサザーランドと別れた

首相官邸

11月30日、チャーチルは80才の誕生日を迎えた。
官邸でもスタッフが集まり、チャーチルの誕生日を祝った。

ウエストミンスターホールでのチャーチルの生誕祝賀会

エリザベスもテレビ中継で見守る中、ウエストミンスターホールでの祝賀会がはじまった。
壇上に上がったチャーチルは、相変わらずユーモアのあるスピーチで、参列者を笑わせると、

サザーランドを紹介し、「カレと私はモデルを務める間、多くのことを語り合り、肖像画の意味を伝えた。キミの描くのは単に私の姿ではなく、私が象徴する要職の姿、イギリス政府全体の姿だと。それゆえ、肖像画を見るのが楽しみで仕方ない」とスピーチ。肖像画が披露された。

肖像画を見た瞬間、チャーチルはサザーランドを鋭い目で睨みつけ、そして、「実に愛国心に溢れたモダンアートだ」と観客を笑わせてその場を切り抜けた。

真実と受容

私邸にやって来たサザーランドに、「どうして来た?」とチャーチル。
サザーランドは、「絵を拒絶された」と言うが、「これは肖像画ではない私への侮辱だ。老いぼれ、たるみきった惨めな生き物だ。敬意のある画家に頼むべきだった。キミは私の友情を裏切った」と怒りをぶちまけるチャーチル。

だがサザーランドは、「私はあなたを尊敬しているから依頼を受けたのです。悪意などない芸術として描いた。過剰反応しないで、奥様はスケッチを正確だと感心してくださった」と言うが、チャーチルは、「そこが問題だ。これは私のイメージとは程遠い。残酷すぎる」と言うが、サザーランドは、「老いとは残酷なものです」と言い切る。

「衰え見えるのは衰えているから、弱って見えるのは弱っているからだ。私が責められる謂れはない。隠す気などないし、誤魔化す気もない。私に怒るのではなくご自身に怒るべきだ。ご自分に目を背けないで」そう言われチャーチルは、「もう帰ってくれ」と言うことしかできなかった。

決意

その夜チャーチルはクレミーに、「ヤツは正しい。あの肖像画は私だ。惨めな老いた男だ。もう続けられん」と辞職の決意を伝える。「ほんとうにいいの?」と問う妻に、「悔いはない。今度ばかりはほんとうだ」とチャーチル。クレミーは、「良かった」と微笑む。

最後の謁見

翌朝エリザベスに辞職を伝えたチャーチル。
エリザベスは、「あなたは誰よりもこの国に仕えてくれた。皆を代表して感謝します」と伝える。
次期首相はアンソニー・イーデンが担うことに。
「これが最後の謁見です」と言うチャーチルに、「あなたなしでやっていけるかしら」とエリザベス。チャーチルは、「心配など要りません。陛下にお教えすることはもう何もありません」と言うとエリザベスの額にキスし、最後の謁見を終えた。

微妙なバランス

今日はエリザベスの競走馬オリオールの種付けの日だった。
フィリップと厩舎にやって来たエリザベスは、無事に1回目の種付けを終え、ポーチを労うが、そのタイミングで、「ポーチと電話を直通にしたんだな。オレはマイクとの直通を家族じゃないからと断られた」と言い出すフィリップ。エリザベスは、「ポーチとは家族同然。昔なじみだから」と言うが、「身体はなじんでないことを祈ってるよ」と言い出す。

そのあとクルマの中で言い合いとなったふたり。

首相官邸でのディーナを前にエリザベスはフィリップに、「私は何ひとつ隠し事はない。ポーチとは友人よ。王室に都合がいいからカレとの結婚を勧める人もいた。私にとってもそうだったかも知れない。だけど皆が悔いて不満を言おうとも、私が愛したのはあなただけなの。同じことがあなたも私の目を見て言える?」と言うが、フィリップは何も答えなかった。

首相官邸での辞職パーティー

チャーチルを労い首相官邸でディナーパーティーが開かれた。

エリザベスはチャーチルに長年の貢献への礼を伝え、「この先誰が首相になっても引継げない地位は、女王になった私の最初の首相の地位です。私を導いてくださった。これからも感謝の気持ちは変わらない」とスピーチした。チャーチルは妻を見つめ、涙するー・・

だが結局チャーチルは肖像画を燃やした。燃やされたチャーチルの肖像画は”失われた傑作”と呼ばれている。
引退後チャーチルは静寂を好み、池の絵を描き続けた

感想

毎回勉強になるな~。
チャーチルに辞職の印籠を渡したのは、エリザベス女王でも同じ議員ではなく、ひとりの画家だったと言うエピソード。
ウソかほんとは別として、人は他人が見る自分と自分が思ってる自分が違うんだよなと実感するエピソードでした。
たまに自分の写真を見て、(なんて歳を取ったんだろ)と感じるこの頃。
頭の中の自分のイメージと写真の自分はかけ離れてる。そういうことですよね。

絵画に疎いので、共感できないけど、絵から伝わるものを感じ取り、わかり合えるってすごい次元のはなしですよね。チャーチルとサザーランドが互いの絵を評価するシーン、良かったです。

チャーチルが辞任を決意し、女王との最後の謁見のシーンは、グッとくるものがありました。

チャーチルの私邸チャートウェル・ハウスはケントにあるようです。
首相官邸からはクルマで1時間強。公開されます。

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