マーガレット王女とピーター・タウンゼント大佐のスキャンダルのはなし
# 6 スキャンダル Gelignite あらすじ
ピーター・タウンゼント大佐の離婚が成立、マーガレットは姉夫婦を食事に招待し、結婚したいと報告、エリザベスはふたりを祝福するが、その直後、ふたりの関係を新聞社がスッパ抜いてしまう。
一気に王室批判が高まる中、エリザベスは妹マーガレットの味方でいようとするが、王太后(母)、女王陛下秘書トミー、そして夫フィリップに反対され、マーガレットとの約束を守れなくなってしまう。
相関図
まとめ
マーガレット王女
安定した王室
戴冠式のテレビ放送が功を奏し、エリザベスは女王陛下として国民から認められ、疲弊した時代錯誤の王室制度は息を吹き返したようだった。
マーガレット王女の恋
一方ピーター・タウンゼント大佐との関係を深め、ピーターが同行するローデシアへの公務を楽しみにしているマーガレット王女は、姉エリザベス、フィリップを夕食会に誘うと、「ピーターの離婚が成立した。カレとの結婚を考えている。君主として許可して欲しい」と言い出す。
マーガレットがピーターに好意を持っていることは知っていたものの、本気だとは思っていなかったエリザベスは驚くが、元妻との離婚に問題はなく、息子たちも理解していると言うピーターの言葉に、「これは公式な問題だから各方面に聞く必要はあるけど、反対はしない」と言う。
マーガレットは涙を流し大喜びするがフィリップは、「これは大きなスキャンダルになる。離婚経験者と王族のロマンスだぞ?17年前の伯父とおんなじだ。年の差もある。キミにとっては不利になる」と言う。
新聞社:ニューズ・クロニクル
記者のスクープ
”マーガレット王女のロマンスの相手が亡き国王の元侍従武官ピーター・タウンゼント”と言うスクープを手に入れた新聞記者ビル・マセソンは編集長に記事掲載を打診するが、社長は、「扇動的過ぎる。記事にはできん。王室に対する服従と敬意に関する暗黙のルールがある」と何色を示されてしまう。それでも、「平民で離婚歴のあるピーターとマーガレット王女のスクープは大スキャンダルになる。今は王室人気だ。ウチが報じなければ他社がすっぱ抜くだけです」と直談判、許可をもらうことに成功する。
王室の対応
王室秘書トミー
新聞掲載を決断した社長は、礼儀として王室秘書トミーを訪ねるが、「王室に甚大な苦痛を与える記事を差し止めることは社長であるあなたの務めだ」とトミーに言われ、「警告はした。知らせに来たことを親切だと思ってくれ」と言い捨て、明日の朝刊に記事掲載すると言う。
王太后
熟考したエリザベスは、マーガレットとピーターの挙式をスコットランドの教会であげることを提案する。
なぜなら英国国教会は離婚経験者の元配偶者が存命中の場合、再婚は許可しないが、スコットランド国教会なら結婚を神聖視していないため可能と考えたからだ。
だがゴシップ記事が出ると知った王太后は、「事態はあなたが思っている以上に深刻よ。17年前、ディヴィッド(ウィンザー公)の不倫は王室を崩壊させた。今回も同じになる」と言い出す。
トミーは、1772年制定の”王室結婚法”を持ち出し、「25才以下の王族の結婚には君主の許可が必要」と言う。マーガレットは23才だった。王太后「待つしかない。できれば別々の国で。今はあなたと政府、教会との関係を守ることが大切」と言う。
エリザベスとマーガレット
「王室の愛、君主制の危機」の見出しで新聞記事が出た。
エリザベスは、「25才まで待てばあなたの自由にできる。スキャンダルを鎮めるためにはピーターを転属させるしかない」と説明するが、「私たちを引き裂くのね」と完全に悲劇のヒロインのマーガレット。それでもマーガレットは、「受け入れるわ。でもローデシアの公務だけは一緒に行かせて」と条件を出すが、「新聞記事が出た以上、それは許されない。その代わりにあなたが公務から戻ったら、必ずふたりっきりの時間を作る」と約束する。
いくつかの候補地からピーターはブリュッセルを選んだ。
エリザベスは外遊にピーターを同行させ、国民の支持を得るチャンスにしようと考え、北アイルランドへの外遊に同行させる。
北アイルランドの外遊
エリザベス女王陛下の訪問に北アイルランドは盛り上がる一方、マーガレット王女の恋のお相手ピーターの同行も話題に。エリザベスは外遊がゴシップ記事のように扱われていることにショックを受ける。
思惑が外れ、マーガレットとピーターのスキャンダルは収まるどころか沈静化の気配さえなかった。
トミーは、「解決策は1つです。外遊から戻ったら即刻タウンゼント大佐を転属させる」と言い、「マーガレットとの約束(ふたりをゆっくり会わせる)を反故にできない」と言うエリザベスに、「計画に見直しは必要です。私のせいにしてください」と言うが、エリザベスは、もう少し様子を見ると決断できない。
だが記者たちはエリザベスよりピーター・タウンゼントの動きを追い、民衆もピーターの笑顔に一喜一憂した。
帰路で
外遊を終え、帰路についた飛行機の中で、「リリベット、少し話せるか」とピーター。ピーターは、マスコミの注目を浴びたことを謝罪し、北アイルランドへの同行への気遣いに感謝するが、転属でマーガレットと離れることが残念でならないと言う。エリザベスは返事に困るが、それを助けたのはトミーだった。トミーに、「決断はされましたか」と聞かれたエリザベスは、「すべてを任せます」と言う。
ピーター・タウンゼント大佐の処遇
トミーは即刻ピーターを呼ぶと、首相秘書コルヴィル、外務省官、報道官らの前で、「ブリュッセルの転属を即刻実施する。3時間後の飛行機で飛んでくれ」と辞令を下す。
ピーターは、「話しが違う。マーガレットと陛下の取り決めは王太后もご承知のはず。ブリュッセル赴任前に48時間マーガレットと過ごせる約束だ」と抗議するが、「家族内の約束など承知しない。これは業務上の命令だ」とトミー。
ピーターは、「今回の外遊で私と王女のロマンスに世間は注目し、応援しているとわかったはずだ。私たちを非難するのは愚かなことだ。いずれ必ず裏目に出る」と反論するが、トミーは一切の妥協を許さず、結局ピーターは、3時間後には機上の人になった。
マーガレットの宣戦布告
ピーターがブリュッセルに赴任させられた知らせは、ローデシアにいるマーガレットにも伝えられた。
怒ったマーガレットは、「公務から戻ったらピーターと会わせてくれる約束だった。姉さんの言葉を信じてたのにカレを罪人のように追放した。妹の私に注目が集まることがイヤだったんでしょ?ピーターと私に人気を奪われるのがイヤで引き裂いたのよ。姉さんは私を守ってくれなかった。だから私もあなたを守らない。報いを受けるといいわ」と言うと電話を切ってしまう。
記事になり続けるロマンス
ピーターがブリュッセルに赴任になった途端、今度は、「王室ロマンス認められず」「王室はふたりを引き裂いた」「イギリスの法律では再婚の権利がある、王室にも保証されるべきだ」「王室は無慈悲だ」「女王が妹に取った措置は君主制の未来に暗い影を落とした」と酷評する記事が紙面を賑わした。
それらの記事に自分たちの過去を重ね、(ザマァ見ろ)と言わんばかりに喜ぶウィンザー公と妻ウォリス。
妹は私も許してくれるだろうかと悩むエリザベスにフィリップは、「スキャンダルなど数日で忘れ去られる。結局みんなキミを許すしかないんだ」と言うが、フィリップは今日も個人秘書のマイク・パーカーと”ランチ・クラブ”へと繰り出してしまう。
妹マーガレットと溝が出来、フィリップの心も離れていくようで、孤独を感じるエリザベス。
感想
原題「Gelignite」は爆発物の意味。
王室にとって爆弾級のスキャンダルだったのでしょう。
マーガレット王女は23才、まだ幼かったのかな。姉エリザベスの立場を考えたら、「報いを受ければいい」なんて軽く言わないで欲しかったけど、これからどうなるのかな。
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