自分のためにできるだけ政治背景や人間関係をわかりやすく説明しています。
#2 国王崩御 Hyde Park Corner あらすじ
体調が万全でないジョージ6世国王に代わり、初の外遊公務に夫フィリップと出発したエリザベス。
一方議会では、保守党員らがチャーチル首相追放を目論む。そんな中、エリザベスは滞在先のナイロビで、父の崩御を聞くことに。覚悟がないまま女王となる運命となったエリザベスは数日の間に、女王として生きる覚悟をしていく。
相関図
まとめ
初の外遊ケニアへ
植民地ケニア
エリザベスとフィリップはジョージ6世国王の代役で約5ヶ月4大陸を回る外遊へ旅立つ。
1つ目の滞在地はケニア、ナイロビ。
ケニアの人々は旗を振り、エリザベス夫妻を歓迎するが、独立の機運は高まっていた。
ツリー・トップス・ロッジ
エリザベスは、フィリップの提案で、サバンナの野生動物が観察できるアバーディア国立公園内のツリー・トップス・ロッジに滞在することに。
ふたりはキリンやアフリカゾウ、カバの群れが水浴びする光景を見ることができた。
その夜エリザベスは、「父上が順調に回復されたらマルタ島の海軍復帰したいと手紙でお願いしてみる」とフィリップの気持ちに理解を示す。
第63代イギリス首相チャーチル
再び選出されイギリス首相となったチャーチルだったが、80才を前に衰えが目立ちはじめ、党員からはチャーチルを排除しなければ保守党は負け続けてしまうとの声が高まる。
ジョージ6世の進言
イーデンはジョージと謁見すると、「最近の問題は高齢がゆえですが、国内の重要事項を先送りにしている。カレが耳を貸すのは陛下だけです。どうか友人としてお話ししていただきたい」と言うがジョージは、「君主が首相に干渉することは許さない。キミがカレを支えるのだ。やがてカレは身を引く。機が熟したら野望を叶えればいい。それまでは十分な準備をしておけ」とアドバイスする。
サンドリンガム邸
ジョージの体調は悪化の一途だった。
主治医ウィアーは狩りを許可、ジョージはサンドリンガム邸へ向かうことに。
マーがレッド王女も同行し、その夜、ジョージはマーガレット王女のピアノに合わせて「Bewitched(魅了された)」の歌を披露する。マーガレットの頬には涙が・・・。
ジョージの歌声に来賓だけじゃなく、使用人たちまでが拍手を贈った。
1953年2月6日、ジョージ6世崩御
翌朝、ジョージ6世が崩御しているのを発見したのは秘書だった。
一気に慌ただしくなるサンドリンガム邸。
その知らせは太后メアリー、妻エリザベスに伝えられた。
チャーチル首相
陛下崩御の報は国王秘書ラッセルズによってチャーチル首相にも伝えられた。
チャーチルは、「イーデン外務大臣に”ハイド・パーク・コーナー”と伝えろ」と指示すると、ニュースで知る前に外遊中のエリザベス王女に知らせるよう言う。
世界中の記者が”ジョージ6世崩御”の報道許可を待っていた。だが、外遊中のエリザベス王女と連絡がつかない。だが限界だった。チャーチルは仕方なく報道許可を出す。
【10:45AM、サンドリンガム邸でジョージ6世崩御】と全世界で発表された。
マーガレット王女
エンバーミング処理を施される父と対面したマーガレット王女。
マーガレットは、父の侍従武官だったピーターが宮廷を去ることも恐れていた。
庭園の小屋にピーターを呼び出し、「あなたを行かせない。お母様にお願いする」とマーガレット。
父国王の死の知らせ
サガナ・ロッジ
ニュース報道でジョージ6世の崩御を知ったマーティンはサガナ・ロッジへと急行、エリザベスに事実を伝えようとするが、何も言えなくなってしまう。
エリザベスはフィリップから父の逝去を聞く。
ロンドンへ
即位名
マーティンはエリザベスに、即位名をどうするかと問う。考えたこともなかったことを聞かれ、「即位名はエリザベスで」と言うエリザベスにマーティンは、「エリザベス女王、万歳」と言う。
哀悼の意
帰国の途につくことになったエリザベス女王に、従業員たちは最敬礼し、サガナ・ロッジの支配人は靴にキスし、服従の態度を示すと、哀悼の意を表した。記者たちも必要以上の取材を自粛、部族長まで沿道に出てエリザベス女王を見送った。
覚悟
父国王の死も、女王になることも、まだ先だと思っていたエリザベスは、見えない未来に不安を募らせるが、そこへマーティンが、「今後女王には、私ではなく君主の個人秘書、私の上官ラッセルズ閣下がつく」と言う。フィリップは、「まるで悪夢だ。マーティンはボクらの味方だったのに、ラッセルズは大昔に生きる化石だ」と憂う。
政治
チャーチル
チャーチルの妻クレミーは、「10日前、アンソニー・イーデンが陛下に会いに行ったと聞いた。あなた年齢や指導力不足を挙げ、陛下に辞任要請をしたらしい」と言うが、「ありえん。陛下は不実な方ではないし、アンソニーに度胸はない。私は父親のようにアンソニーを見守り、手ほどきしてきた」と言う。
明日のラジオ放送で読むための陛下への追悼文を考えているチャーチルは、「適切な言葉が浮かばない」と言うが、失態が許されない状況であることも十分理解していた。
保守党員たちの思惑
翌日、チャーチルは陛下の訃報にショックを受けたと言う理由で閣議を休んだため、「副首相」を務めることになったイーデン。保守党員たちは、チャーチルの席に座るよう勧め、イーデンは着席した。
宮廷
ラッセルズはピーターを呼ぶと、「陛下が崩御された今、キミは空軍への復帰を望んでいるだろうが今朝、王太后から、国王と親密であり、家族も信頼しているキミに新しい役職を受けて欲しいと望んでおられる。王太后一家の会計監査だ。だがキミは受けることはできんだろうから私は断っておいた」と言い出す。
ピーターは、「どうして私が断ると思われたのですか」と言うが、ラッセルズは、マーガレット王女との関係は公然の秘密になっていると匂わせ、「ウワサだ。下品極まりないね」と言うが、ピーターは、「謹んでお受けする」と言いきる。
祖母メアリーの手紙
エリザベスが乗った飛行機が着陸した。
ラッセルズは喪服を確認すると、飛行機に乗り込み、エリザベスに、「太王太后からです」と手紙を渡す。
ジョージの母でエリザベスの祖母メアリーからの手紙には・・・
用意はできたエリザベスを促すラッセルズ。フィリップがエスコートしようとするが、「殿下、先に行かれるのは女王です」とそれを止める。
エリザベスは少しの躊躇のあと、ひとりでタラップを降りるが、そのあとを不満げに足早にタラップを降りるフィリップ。
チャーチルのラジオ放送
BBCラジオではチャーチル首相がジョージ6世国王への追悼文を放送した。
全世界がジョージ6世の崩御を悲しんでいると言い、第二次世界大戦を経験したジョージ6世を悼むと、「神よ、女王を守り給え」と言う言葉で演説を締めた。
エリザベス女王2世としての父との別れ
サンドリンガム邸に到着したエリザベス女王は、軍服姿の父と対面、涙を流すが、母と妹と共に悲しみを分かち合うことなく気丈に振る舞う。
母もそして妹マーガレット、祖母メアリーはエリザベスに最敬礼で敬意を表した。
感想
「ザ・クラウン」面白い!
なんだろ?これまでにない緊張感を感じて観てます。
エピソードタイトル「ハイド・パーク・コーナー(Hyde Park Corner)」は、ジョージ6世崩御を伝える暗号だそうです。ちなみにエリザベス2世崩御の暗号は、「ロンドン橋が落ちた(London Bridge is Down)」と言われています。
頻繁に咳き込む父親に、そう遠くない未来、女王になるのだろうと想像していただろうエリザベスは、26才と言う若さで君主となりました。しかも父親の崩御を知ったのは外遊先のナイロビだったんですねー。
ジョージ6世がナイロビの人々からどれだけ愛されていたかも感じるシーンもあり、なんか感動しました。
そして何より、ジョージ6世の母親(エリザベスの祖母)の手紙が素晴らしかった。あの手紙は太王太后しか書けず、太王太后の言葉だから重みがあったのだと思います。
2話の最後、太王太后(エリザベスの祖母)がエリザベスに最敬礼するシーン。
愛する息子を亡くした太王太后もどんなにかツライはず。それでも王族としての生き様を女王となる孫娘に見せた姿勢に、グッと来ました。
妹のマーガレットも、夫フィリップも、まだその覚悟が出来てないところもまたリアルで良い。
※ 一般公開されていて、宿泊や庭園散策、食事もできる。
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