最終話です
これはドキュメンタリーではありません、実録ドラマです。
ドラマを見終わって1番最初に思ったのは、チェルノブイリについて、知らないままこれからを生きなくて良かったと思いました。
これは知るべき事実だと思います。
「チェルノブイリ」は、2019年のエミー賞に続き、第77回ゴールデン・グローブ賞<TVシリーズ ドラマ部門>で、計4部門で受賞になりました。
中でも、助演男優賞には、シチェルビナを演じたにステラン・スカルスガルトが獲得したのも凄いです。
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主なキャスト
キャスト名 | 説明 |
---|---|
ヴァレリー・レガソフ | 核物理学者 ソ連が独自開発したRBMK炉専門家 |
ボリス・シチェルビナ | ソ連閣僚会議副議長。 エネルギー部門責任者 |
ウラナ・ホミュック | 核物理学者 原発事故の原因究明に奔走 |
タラカノフ将軍 | 将軍 |
アナトリー・デイアトロフ | チェルノブイリ原発の副技師長 事故当日、原子炉の運転実験を指揮 |
ピカロフ大将 | 軍司令者 |
チャルコーフ | KGB会長 |
ヴィクター・ブリュハーノフ | チェルノブイリ原子力発電所 所長 |
カドニコフ | 判事 |
ステパシン | 検察官 |
ジンチェンコ | 医師 |
グルホフ | 炭鉱頭領 |
ニコライ・フォーミン | チェルノブイリ原発の技師長 |
ミハイル・ゴルバチョフ | ソビエト連邦共産党書記長 (政府最高権力者) |
■ワシリー・イグナテンコ | プリピャチの消防士 原発事故発生直後の現場で消火活動に当たる |
リュドミラ・イグナテンコ | ワシリーの妻 |
アナネンコ ベスパロフ バラノフ | 貯水槽の水を抜くために志願した3名 |
#5 真実 Vichnaya Pamyat あらすじ
1987年、7月。シチェルビナ、ホミュック、レガソフは、法廷で事故の当日、発電所で起きた一部始終を調査した結果を法廷で証言する。
レガソフの証言中、ディアトロフが暴言を吐くなど法廷は荒れるが、レガソフは、ウィーンで報告した内容と同じことを法廷で語るのか・・・。
まとめ
ヴァレリー・レガソフのIAEAへの報告
「事故は作業員のミスによるもの」とレガソフはウソの報告をした。
それは、KGBとの取引だった。
RBMK炉の欠陥を公表しない代わりに、残りのすべての炉の改修をする条件を出したのだ。
1987年3月 モスクワ
レガソフへの褒美
突然KGBのチャルコーフ会長に呼ばれたレガソフは、”ソビエト連邦の英雄の称号”を与えられ、”クルチャト研究所所長に昇進”を告げられる。
それは、彼がしたIAEAの報告に対する褒美だった。
チャルコーフは近々始まる裁判でも滞りなく証言するよう求めるが、「炉の改修の約束を守ってくれ。まだ着手もしていない」とレガソフは迫る。
しかしチャルコーフは、「その前に裁判だ。原子炉の件はその後だ」と言う。
その頃すでに、レガソフは髪は多量に抜け始めていた。
ホミュックの説得
レガソフの自宅にやって来たホミュックは、「ウィーンのことを咎めに来たのではない。説得しに来た」と言う。
「チャルコーフは裁判が終われば、炉の改修をすると言ってる」とレガソフは言うが、ホミュックは、「するわけがない。直せば欠陥があったと認めることになる。ウソがバレる。中央委員会は裁判の傍聴に専門家、科学者たちを呼ぶ。彼らに事故の真相を知らせるべきだ」と言う。
レガソフは、政府が選んだ科学者が私の証言を聞いて行動を起こすとは思えない。処刑されると言うが、ホミュックは、真相を探るために大勢の人から話を聞いた。現場で救助した者、消防士、医療関係者、彼らは迷わず取るべき行動を取ったと言う。
「私もだ。壊れた原子炉を自ら確認しに行った。すでに命を捧げている。それで十分では?」と言うレガソフに、ホミュックは「残念だけど足りない」とハッキリ言い切った。
1987年7月 チェルノブイリ市 裁判
ブリューハーノフ所長、フォーミン技術長、ディアトロフ副技師長は、1986年4月、核災害を引き起こした罪で起訴、裁かれる。
判事は、カドニコフ、検事は、ステパシン
証人として、ボリス・シチェルビナ閣僚会議副議長、燃料・エネルギー部門責任者
ウラナ・ホミュック博士そして、ヴァレリー・レガソフ博士は立つ。
シチェルビナの証言
- 事故の発端は、安全性のための実験
- 被告3名は、1983年4号炉完成後、安全性テスト実施したのち起動させなければならないルールを破り、安全性テスト1項目を残したまま運転を開始していた。ブリューハーノフ所長は、その事実を知っていて、「完了サイン」をしている。
- その理由は、1983年内に炉を完成させ、運転を開始することで、国家に功績を認められたかったからであり、実際、彼らはそれぞれ勲章や賞与を受けている。
- 今回の安全性テストは3年前に終わっていなければならないものだった。
- 原発が停電した場合、ポンプは炉心に水を送れなくなる。すると、炉心の温度があがり、燃料は溶けて(メルトダウン)核災害が起きる。
予防策として、非常用電源があるが、それが動き出し、ポンプに電力が送れるようになるまでに約1分かかる。それでは手遅れだ。ブリューハーノフもその問題点を知っていた。 - 今回の実験内容は、停電が起こった時、タービンは惰性でしばらく回転を続ける。そのタービンが止まるまでに発生するいくらかの電力をポンプに送り、非常用電力が動くまで、冷却水を途絶えないようにできるかのテストだった。
- よって条件は、停電時を模した状態<炉の出力を700メガワットにダウンさせ、タービンを切る>で行う必要があった。
- 仮説は最もだが、実験は行う人間の能力次第。被告3名は、この安全性テストをこれまで3回も失敗し続けており、今回が4度目の検証だった。
ホミュックの証言
- 実験は10時間前に行われる予定だったが、キエフ電力局より「10時間は出力を下げるな」と連絡があった。
- しかし炉の出力は実験に備え、普段の半分1600メガワットに下がっていた(pm2:00)
- ブリューハーノフ所長は実験延期を打診するが、ディアトロフは、1600メガワットで運転を続け、10時間後に実験を開始する。実験は自分が監督して、かならず成功させると約束する。
この時点で、実験は中止するべきだったが、3人はしなかった。
実験の延期は、科学的な問題、人的な問題の2つの問題を生んだ。
- 昼シフトで行われる予定だった実験を夜シフトで行うことをディアトロフが独断で決断
- 予告もなく、4号炉制御室の技術者は未経験のことをさせられることになった
- 主な技師はアキーモフ、トプトゥーノフ、ストリャルチェク、キルシェンバウムら。
トプトゥーノフに限っては、技師歴4ヶ月の25才だった。 - アキーモフは、マニュアルを確認するが、多くの項目が線で消されていたため、他の技師に電話で確認。「消されたままの手順に従え」と言われる。
- 彼らは実験を行う自信がないとディアトロフ副技師長に訴えるが、ディアトロフはマニュアルを投げつけ、「読め!バカは私の指示に従ってればいいんだ。黙って自分の仕事をしろ」と恫喝、実験実行を譲らなかった。
- 実験をするには、出力を700メガワットまで落とす必要があったが、日中から出力を落としていた炉内には、毒(キセノン)が生成されていた(0:28am)
レガソフの証言
証言台に立ったレガソフは、冒頭、科学者でなくてもチェルノブイリで起きたことは理解できる。
原子炉の中で起きることは次のどちらかだと言う。
「発電に繋がる反応度が上がる、または、下がるか、それだけ。そのバランスを保つのが技師の技量である」と。
原子力発電を生む仕組み
(反応度を上げるもの)
・ウラン燃料が核分裂することで反応度があがる。
・”正のボイド反応度係数”=炉内のボイド(蒸気の泡)が増えれば、増えるほど反応度があがる
(反応度を下げるもの)
・ホウ素の制御棒は反応度を下げる。
・水は原子炉を冷却し、その熱によって蒸気の泡(ボイド)ができる
・”負の温度係数”=ウラン燃料の温度が上昇すると、反応度が下がる
チェルノブイリ原発は、RBMK炉の特徴は、”正のボイド反応度係数”と”負の温度係数”。
これが炎や煙を出さないで大量の電力を生むからくり
- ウラン(燃料)が核分裂する時、キセノン(物質)が生じるが、キセノンは反応度を下げる。
- 通常運転の場合、炉ではキセノンはすぐ消滅するが、実験の延期で4号炉は10時間も50%出力で運転されていたため、キセノンは消えず蓄積し、炉心を毒し、バランスが崩れ始めていた
午前0時28分
以上の理由で、原子炉の出力が落ちはじめる寸前。
このままでは1時間以内に爆発する状況だったが、作業員たちもそれを分かっていなかった。
- アキーモフとトプトゥーノフは、指示書に従い、ゆっくりと出力を700メガワットまで落としはじめる。
(相変わらずディアトロフは ”ノロいんだよ、他の技師ならとっくにやってる” などと暴言を吐いていた) - すると突然、780メガワットから出力が一気に出力が下がり始め、500メガワットを切りかける
- アキーモフはこの時点で、キセノンが作用しているのではないかと気づき、ディアトロフに報告するが、「手順どおりしているのに毒作用など出ない」と言われ、出力を700メガワットまで上げるよう指示される。
- アキーモフは、局所自動出力制御(LAC)を切れば、上がる可能性があると言うと、ディアトロフは「やれ」と指示。
- LACオフ、平均出力を制御するが、出力は上がるどころか、停止寸前となる。(80メガワットまでダウン)
- アキーモフは、「こんな結果になり残念です」とディアトロフに伝え、4号炉を完全停止しようとする。
停止寸前の炉心には、キセノンが溜まっており、規則で「キセノンが消えるまで24時間を待つ」ことになっていたからだ。 - しかしディアトロフは、「今すぐ出力を700メガワットまで戻せ!規則など関係ない」と言い出す。
- アキーモフは、規則ではそれはできない、安全ではないとハッキリ拒否
- しかしディアトロフは、「私の意見に反対なら、もうここで働らかなくて良い。どこの原発でも二度と働けぬようにしてやる」と恫喝。
アキーモフが命令を記録に記してくれとノートを差し出しても、それを叩き落とし、「出力を上げろ!」の一点張りだった。 - 結局、アキーモフとトプトゥーノフは出力を上げる作業をすることに
すると、「私は制御室にいなかった。トイレにいたんだ」ディアトロフが声をあげる。
ステパシン検察官は、「技師の証言は一致している。 ”ディアトロフの命令は間違っていた。でもクビになりたくなった”とトプトゥーノフは死の前日にそう言った。あなたはあの夜、出力あげるように命じている」
咳き込み出て行くシチェルビナを機に、法廷は30分間の休廷に入った。
レガソフとシチェルビナ
体調の悪そうなシチェルビナの余命は1年だと言う。
シチェルビナは、政府が彼を事故処理責任者に任命した時、”事故は深刻ではない”と言われた。「私は政府にとって、重要な人物ではなかった。捨て石にされるような男だ」と言う。
レガソフは、「私の代わりの科学者はたくさんいますが、あなたはちがう。必要なものをすべてを揃えてくれた、人員、機材、月面車まで。他の人ではできない。あなたの言葉だから政府は動いた。あなたは重要人物だから選ばれたんです」と言う。
レガソフの証言 続き
午前0時38分 炉は停止寸前
30メガワットでは、キセノンは生成され続け、蓄積される一方で原子炉は毒されていた。
更に悪いことに、炉の温度が低下して、十分な蒸気が作れない。
本来、この状態から炉を安全にするには、最低でも24時間かけてゆっくりリカバリーする必要がある。
しかしディアトロフは、すぐに炉の温度を700メガワットまで戻せと指示した。
アキーモフとトプトゥーノフにできることはたったひとつ、制御棒を抜くこと。
彼らは、制御棒を2/3引き抜いたが、一向に出力が上がらないので、完全に外へ引き抜いた。
結果、205本引き抜いた(211本中)。
ウラン燃料の核分裂を止めるブレーキの役目をする制御棒は、炉内には6本のみ。
原子炉は、キセノンの毒素が強いため、200メガワットまでしかあがらなかったが、制御棒が抜かれ、緊急システムも解除されて、反応度を押さえているものは、水とキセノンのみの状態だった。
午前1時 実験開始の数分前
- どれだけコントロールしても、出力は200メガワットからあがらなかったが、ディアトロフは、この状態で実験をすると言う。
- アキーモフは、指示書に実験は700メガワットでとある上、今のタービンの回転では弱すぎると進言。
- それでも、ポンプを繋げと指示するディアトロフにアキーモフは、「この状態で水を入れてばどうなるか・・」と言うが、ディアトロフは引き下がらない
- ポンプが連結された。
すると、セパレーターの圧力低下警告ランプが点灯する。5気圧しかない。ディアトロフは全員で気圧を15分であげろと指示。 - 仲間技師から(実験は中止するべきだ)との声があがるが、ディアトロフにそれを言える者はいなかった。
彼らにはもう為す術がなかった。
出力は低すぎ、水は多すぎた。実験は失敗で無意味だったのに、ディアトロフはただ、実験完了を報告したかっただけだった。
午前1時22分、事故のおよそ2分前
機械技師のユフチェンコは事務室にいた。
原子炉の現場責任者ペレボズチェンコは、原子炉の千トンもあるフタの遙か上にいた。
循環担当の機械係デブチャレンコ、ホデムチュクはポンプ室。
彼らは誰ひとり、実験について聞かされてなかった。
午前1時22分30秒
コンピューター分析は、「有効な制御棒の数が少ないため、原子炉を停止するべき」データが出た。
しかしディアトロフは、「実験だから関係ない」と言う。
午前1時23分4秒
彼らの決断により、原子炉はゴムを力一杯引いたパチンコのような状態だった。
実験のため、ポンプを止めたことで、ゴムは放たれた。
- 炉内に水が回らなくなった
- ウラン燃料と釣り合うだけの、制御棒と冷却水がない状態のため、天秤は一気に逆側に傾き、一瞬のうちに反応度が上昇。
- 炉心の中では残っていた水がたちまち蒸気になりボイド(蒸気の泡)が作られる。
- しかし実験のためにポンプを停止させているので、新しい水がない。
- 蒸気が反応度をあげはじめたため、キセノンが消え始めた
原子炉内は、すべてが ”反応度を上げるもの” のみの状況となり、出力はどんどん上がり始めた。
午前1時23分35秒
トプトゥーノフは出力が一気に上昇したのを確認する。
出力は、800メガワットまで一気上昇
午前1時23分40秒
原子炉を緊急停止するボタン[AZ5]ボタンがある。
AZ5ボタンを押すと、すべての制御棒が炉の中に納まって、核反応が止まる
この先を言えなくなってしまったレガソフにディアトロフは、「さっさと言え!ウソを言うな!。レガソフもあの女(ホミュック)も何か知っている!わかってんだぞ、ヴァレリー・レガソフ、お前はウソつきだ」と大声をあげる。
判事はジャッジガベルを叩き、「本日はここまでとします」と閉廷を宣言するが、レガソフは、「まだ終わってません。他にも話すことがあります」と言う。
しかし今度はそれをステパシン検察官が、「必要ない。証言は終わった」と止める。
判事が改めて閉廷を宣言しようとした時、シチェルビナは立ち上がり、「話をさせてやれ。聞いてやれ。」と発言する。
”真実の告白”
法廷が静まりかえった。
レガソフは、「ディアトロフはあらゆる規則を破り、炉を極限状態にした。それは、[AZ5]ボタンを押せばすべてが停止すると彼は信じていたからだ。しかし、この状態の炉には効かない。なぜなら、RBMK炉には致命的な欠陥があった」と言う・・・。
1時23分40秒
- 出力が一気に上昇するのを確認し、アキーモフが[AZ5]を押す
- 引き抜かれていた制御棒が炉心に戻された。
ホウ素で出来ている制御棒は反応度を下げるハズだった - しかし、この制御棒の先端には、”黒鉛” が使われていた。
その時、判事は、「ナゼ黒鉛が使われているのか?」とレガソフに質問をする。
レガソフは言う、「ナゼか・・。それは、安価だからです」と答える。
ソ連に格納容器がないこと、濃縮ウランを使わず天然ウランを使用すること、そして制御棒の先端に黒鉛を使うことも同じ理由だと。
- 制御棒の先端の黒鉛が炉心に入ると、その途端、炉心の反応度を急激に跳ね上げる。
- 炉心に残っていた水が一滴残らず一瞬で蒸発に変わり、膨張して圧力管が壊れてしまう。
- すると制御棒はそこで引っかかって動かなくなる。
- 黒鉛はそのまま炉心に留まり、永遠と核反応を促す。
チェルノブイリ4号炉は今や、核爆弾だと断言した。
1時23分42秒
- 原子炉の現場責任者ペレボズチェンコが原子炉を見下ろすと、1つ350キロもある圧力管のフタが、次々跳ね上がっているのを見て、制御室に走る
- しかし、もう誰にも止められない状況だった。
午前1時23分44秒
蒸気で圧力管が更に破損
出力がどこまで上がったのか正確にはわからないが、通常3200メガワットの原子炉は、3万3千メガワット以上になっていたと推測される
午前1時23分45秒
炉は耐えられず爆発
炉のフタが吹っ飛ぶと、途端に酸素が送り込まれる
酸素と水素と熱くなった黒鉛が化合して、惨劇の連鎖は整った
[AZ5]ボタンが起爆剤になるとは、誰も知らなかった。
なぜなら、隠されていたから。
「レガソフ博士、あなたがウィーンで証言した内容と食い違っています」と判事は言うが、「あれはウソです。私は世界にウソをついた。KGBと中央委員会の命令に従った。同じ欠陥を抱えた原子炉が連邦にはまだ16基ある。そのうちの3基はチェルノブイリで稼働してる」と訴える。
「今回の事故の責任が連邦にあると主張するつもりなら、あなたは危ない橋を渡っている」判事は言うが、「それならとっくに渡っている。今、危ないのは連邦だ。秘密とウソにまみれてる。ウソをつくたび、真実へのツケが溜まる。ツケはかならず払わされる。RBMK炉の爆発を招いた本当の原因は、ウソだ」とハッキリ証言した。
裁判後
ある部屋に連行されたレガソフ。
そこへ入って来たKGBチャルコーフは言う。
「キミは勇敢でも英雄でもない。死にゆく男が我を忘れただけだ」と。
レガソフは、「自分が何者で、何をしたかも分かっている。あれがウソなら銃殺刑だろうが、私が言ったのはすべて真実だ」と言うが、チャルコーフは、「キミを殺す必要などない。キミの証言を連邦は認めず、報道も一切されない。なかったことになる。キミは残り少ない人生を全うする。科学者としてではなく。仕事も権力も友人もなく、キミと話すものもキミの話を聞く者もいない。キミより能力の劣るものがキミの代わりに評価されていくのを見て、死ぬがいい」と言い切る。
チャルコーフから、シチェルビナとホミュックは、協力者かと聞かれ、「ふたりは関係ない」と答えたレガソフ。
チャルコーフは、「キミはあの二人と二度と接触できない。事故に関する発言も一切できない。全く重要でない存在として生き続け、死後には生きた痕跡も残らないだろう」と言ったあと、去って行った。
チェルノブイリの真実
ヴァレリー・レガソフ博士
彼は事故の2年後の1988年4月26日、51才で自ら命を絶った。
彼が残した ”回想録” はソ連の科学界で広く共有された。
彼の死後、ソ連政府はようやくPBMK炉の設計上の欠陥を認め、原子炉には改良が施された。
ボリス・シチェルビナ
1990年8月22日に亡くなった。
彼がチェルノブイリに派遣されてから4年4ヶ月後だった。
ブリューハーノフ、ディアトロフ、フォーミン
10年の強制労働を課された。
出所後、フォーミンは仕事に復帰。ロシアのカリンニン原子力発電所で働いた。
ディアトロフは、放射線関連の病気で1995年、64才で亡くなった。
プリピャチ病院
消防士たちが来ていた衣服は、今もプリピャチ病院の地下室にあり、危険な量の放射線を放っている。
リュドミラ・イグナテンコ
夫と娘を亡くした後、幾度となく発作で倒れ、医師からは二度と子どもは産めないと宣告された。
しかし、それは間違っていた。
彼女は現在キエフで息子と暮らしている
鉄橋に集まった見物人
火事を鉄橋から見物した住民は、全員が死亡したと言われている。
現在その橋は、「死の鉄橋」として知られている。
400人の炭鉱夫
1ヶ月の間、昼夜を問わず作業し、そのうち少なくとも100人は40才になる前に亡くなった。
貯水槽の水を抜いた勇敢な作業員
死亡したと報じられたが、実際は入院後に全員が生き延びた。
そのうちふたりは現在も存命。
事故処理のために60万人以上が徴用された
大勢が放射線障害で死亡したが、ソビエト政府は公式な記録を残していない。
ウクライナとベラルーシにまたがる放射能汚染による立ち入り禁止区域は、最終的に2,600キロ平方メートルの及んでいる。
30万人もの住民が避難を余儀なくされた。当初、避難は一時的なものだとされていたが、現在でも戻る事を許されていない。
ミハイル・ゴルバチョフ
ミハイル・ゴルバチョフは、1991年のソ連崩壊まで統治した。
2006年に彼は、チェルノブイリの原発の事故こそが、ソ連崩壊の真の原因かも知れないと綴っている。
第4原子炉を覆う建造物
2017年に第4原子炉を覆う新しい建造物が、総工費20億ドルで完成。
百年間は放射性物質を閉じ込める造りになっている
事故のあと、ウクライナとベラルーシではガンの罹患率が劇的に増加した。
中でも、最も罹患率が高かったのは子どもたちだった。
チェルノブイリ事故の実際の犠牲者の数
永久にわからない。
概算では、4,000人~93,000人と考えられている。
ソ連が公式に発表した死亡者数は、1987年から今までで変わらず31人のままである。
感想
見終わって最初に思ったのは、知らなくても生きていけるけれど、これは知っておくべきことだなと言う思いです。
私が高校生の時の出来事なのに、なんでこんなに記憶がないのか
こんな世界規模の大惨事、ソ連だけに任せて良かったのかよ?と今なら思う規模の事故です。
しかも、今も尚、放射能を放ち続けている第4原子炉をカバーリングしたのは、2017年ですか?
遅すぎますやんね
怖いことに、それもニュースでぼわ~と記憶がある程度。
3年前の話やし
最終話の原題は、ロシア語の「Vichnaya Pamyat」=「永遠の記憶」だそうです。
まったくそのとおり。
チェルノブイリのことは、永遠に地球の人類は記憶しておかねばならない事故だと思います。
もちろん、中にはこれは実録ドラマであって、ドキュメンタリーじゃないと言う方もおられるでしょう。
でも敢えて言いますが、導入なんてなんでも良い。
まずは、知ること、興味を持つことです。
それがドラマでもアニメでもなんでも良い、と。
原発事故処理にあたるレガソフは多くの科学者に支えられており、その象徴のキャラクターとしてウラナ・ホミュックをドラマでは登場させたのだと、最後に語られました。
ドラマの中では、とても孤独な科学者に見えていましたので、レガソフが多くの科学者の協力を得て、正しい事故処理をしたことに少し安心しました。
ドラマですからね。あまり多くの登場人物は混乱します。
実録ドラマだからこその演出だったと思います。
福島原発事故の時、TVで原子炉の仕組み、現在の問題など解説しているTVはありましたが、なんせ日常の中でのTVですし、むずかしい言葉が出てくるんで、正直、ほとんど理解できてませんでした。
こうしてブログにまとめた結果、原子力発電所の仕組み、チェルノブイリが爆発した理由がとても理解できた私です。
そして、技師たちの動き、昇進にだけこだわってムチャクチャしたディアトロフのことを、心からむかついてます。
もちろん、これは隠蔽、ウソによる起こった事故ですが、やはり、人的ミスもあったと私は思います。
そんなワケで、このレビューをまとめるのは、苦労はしました。
こんなブログ、ほとんど見てる人もいないし、そこまで力入れなくても良いんですけどね(笑)
私のストレス発散なので、まとめるなら、キチンとまとめたかったんですねー。
わかりやすくまとめられたんじゃないかな?と自負して終わりたいと思います
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