奇跡と祈りについて考えました。そんなエピソード。
#12 奇跡の日 14 Years, 2 Months, 8 Days あらすじ
最近たびたび病院には、リード牧師の”祈りのグループ”がやってきて、祈りを捧げていた。そんな中、14年間も目覚めなかった植物状態の患者ジェイコブが14年ぶりに目を開けた。
一方、ERには13才の少年が搬送されてくるー。
まとめ
病院でのこと
●マックスに退職を言い出せないレイノルズに、イーヴィーは、「サンフランシスコに引っ越すと言うだけよ」とハッパをかけるが、レイノルズが退職するなどと考えもしていないマックスを見て、言えないレイノルズの気持ちを理解するイーヴィー。
●明日の託児所開始は10時から。それまではシッターを依頼するか、自分で育児をしなければならなかった。マックスはアリスに電話し、「明日の朝、時間ができたんだ。ボビーとルナを遊ばせないか?」と提案する。アリスは、いつも8時にはマディソン・スクエア・パークにいると言うので、「ルナと嗚会いに行くよ」と言ったものの、自分の行動に躊躇するマックス。
●ERの電子カルテがシステムエラーを起こし、パソコンが使えないだけじゃなく電話も使えなくなってしまう。スタッフはパニックに。研修医のひとりはパソコンがないと症状に対する対処がわからないと言う始末。ローレンは紙とペンを出し、「原始的方法で対処する!」と皆を指導する。
カストロの治験
医師たちを集め、「”VEGF受容体阻害薬”の治験の応募人数は40名、40~60才までのガン未治療者対象」と告知したカストロ。
各々医師たちは、適応できると思われる患者をカストロに打診するが、皆、却下されたと言う。
15人対象に治験をすると言いカストロに、「40名まで対象を増やすべき」と意見するが、カストロは、「部長は私。あなたに口出しされる筋合いはない」と言う。
マックスの答え
カストロのやり方に納得できないヘレンは、「患者をえり好みしないで、40名の治験をするべきだ」とマックスに抗議するが、「カストロもキミが越権行為が過ぎると言って来てる。治験は彼女にすべて任せるルールだ」とマックス。
その返事にヘレンは思わず、「すっかりルール最優先になったのね!」と怒りを顕わにする。
祈りのグループ
リード牧師の「祈りのグループ」は、最近定期的にニュー・アムステルダム病院にやって来ては祈りを捧げていた。
マックスは容認しているが、けして祈りが奇跡を起こすなどと信じていない。
しかし、”祈りのグループ”が病院に現れはじめてから、いくつかの奇跡が起きたと患者、スタッフの間でウワサが。
今日も、マックスのケモ仲間、ビッグ・マイクが寛解(ガン闘病)した。よろこぶビッグ・マイクは彼らの活動に参加する。
そして、カプールの患者ジェイコブも14年に渡る眠りから覚めた。
14年の昏睡から覚めたジェイコブ・シンガー
遷延性植物状態のジェイコブは、14年前から眠ったまま。
主治医のカプールはジェイコブをずっと見守り続けて来た。時には側で読書したり、祈りを捧げたり。
ジェイコブの妻アニーも夫が目覚めることを信じて看病を続けていた。
そんなある日、ジェイコブが目を開けた。
瞬きし、涙も流すジェイコブを見てアニーは喜ぶが、カプールは、「それは脳の反射です。カレは意識はなく植物状態のままだ」と説明するが、アニーは、「14年間毎日病院に通い詰めた。待っていた奇跡が起きたのよ。完全に回復させて!」と言う。
息子サム、娘メリッサ
アニーから連絡を受け、病院にやって来たサムとメリッサは、目を開けただけで何も変わらない父親を見て、「生きてると言えるんですか?」と聞く。
カプールが、大脳皮質の活動がないため生きてるとは言えないと言うと、サムはアニーに現実を受け止めて欲しいと訴える。
説得を受けアニーがジェイコブを送るまでのステップを聞いていた時、突然、「あぁぁぁぁぁあ」と声を出したジェイコブ。
それは口から空気が漏れ出しただけだったが、アニーは、「夫には聞こえてる。栄養チューブは外さない」と言い出す。
栄養チューブを外さなければ植物状態が続くだろう言うカプールの言葉を聞きサムは、「付き合い切れない。母さんは孫にも会わず父さんのベッドにしがみついてる。ボクたちは父さんだけじゃなく母さんも亡くしたようなもんだ」と病室を出てしまう。
カプールの想い
「お袋はオレたちに関心がない。孫のことも。父の事故以降、母はすべてを諦めてる」と言うサムとメリッサにカプールは、自身の愛妻を亡くした話をし、「脳神経医としては、ジェイコブの魂は死んでいるが、今の状態は私でも割り切れない。アニーは本当は前に進み、お父さんを旅立たせたいんだ。だけどお父さんが逝けばアニーは本当にひとりになってしまう」と言う。
カプールの言葉で母への思いやりを取りもどしたふたりは、病室へ戻りアニーに、「私たちと一緒にやり直そう。私たちのところへ戻って来て」と気持ちを伝えた。
その言葉にアニーはふたりを抱きしめ、ジェイコブを旅立たせる決意をする。
数日後、ジェイコブは静かに旅立ったー。
ジャクソン・ロウ 13才
電子タバコによる肺損傷の現実
心臓発作でERに搬送されてきたジャックは、「EVALI」と診断される。
マックスとレイノルズから電子タバコやベーピングが原因だと言われ両親は、「この子は優等生です。それはない」と否定するが、ジャクソンは吸っていた。
EVALIの治療法はまだ確立されていないため手探りの治療がはじまる。
気管支肺胞洗浄を行ったレイノルズは、「ジャクソンの肺はまるで化学攻撃を受けたような損傷具合だ」と驚き、治療法に悩む。
人工呼吸器で安定していたジャクソンは、突然肺に穴が空き、急変する。
レイノルズはジャックの両親に、「全力を尽くすが、もしもの場合も覚悟しておいて欲しい」と厳しい現実を伝える。
祈り
ジャクソンの容体に心を痛めるマックスは、病院に”祈りのグループ”がいないことに気づく。
”祈り”や”奇跡”などマックスは信じていない。だけど、ジャクソンを助けたい一心でマックスは、”祈りのグループ”に会いに行く。
「現代医学の限界を超えてしまった。力を貸して欲しい。ジャック・ロウのために祈って」と言うマックスにリード牧師は、「正しく祈れば自分を変えられる。祈りで神の意思は変えられない。祈りとは自分の内面を見るものだ」と言う。
マックスは、(奇跡が起きてくれたらうれしい。ジャックを助けてやって欲しい)と神に祈った。
奇跡が起きた。
その後ジャックは、危機を脱し、回復に向かう、理由は不明だったが。
ルイーズ・ガリーナ
右腕の蜂窩織炎でERを受診したルイーズ。
診察したシャープは、ルイーズに「自傷願望」があることに気づきフロムを呼ぶ。
ルイーズの苦しみ
子どもの頃から肥満だったルイーズは、努力しても痩せなかったが、ある時医者から、「肥満は病気」だと言われて治療を受ける決心をする。ルイーズはダイエットに成功したが、身体中の皮膚のたるんでしまった。「こんなに皮膚がたるむなんて知らなかった。今は太ってた時より人の視線が気になる。皮膚切除を受けたいけど高額だし私の保険では適応外。諦めるしかない」と涙する。
フロムはルイーズの苦しみを理解、ありとあらゆる手で保険適応を打診するが、結果は却下だった。
ヘレンの妙案
虚しさのあまり非常階段でお菓子をドカ食いするフロム。
そこへ苛立つヘレンがやってきた。
フロムは、「ルイーズは身体も心も病んでいるのに、たるんだ皮膚の切除は美容形成で保険適応外と言われた。ガンの患者は再建術まで治療として見なされるのに」とヘレンに怒りをぶちまける。
ヘレンは、「それじゃガンにするのよ」と言う。
ルイーズを診察したヘレンは、「異形成母斑はガン化する可能性が高いため、皮膚切除が必要」と保険会社に申請する。
マックスは保険会社からの問い合わせを受け、ヘレンの案だと気づいたマックスは、「保険適応承認」を出した。
一歩
ママ友だちと会うことが、一体何なのかわからず明日のプレイデートはキャンセルしたと言うマックスにヘレンは、「ルナにはお友だちが必要よ、そしてマックスにも」と背中を押す。
マックスは翌朝、公園デビューする。
感想
●もう~カプール先生の14年前~の変貌ぶりウケたわ~。
最初の登場シーンなんかマックスかと思わせての若き日のカプール
●アメリカの医療ドラマを見ていると、最近、電子タバコによる肺損傷のエピソードが良く出て来ます。それも若い真面目な青年が肺不全に陥るケースが多い。日本ではまだそこまで話題にはないってないけど、今後、この問題は、大きな注目を浴びそうな気がしてます。
●”奇跡”や”祈り”ってなんでしょうね?私も無宗教なので都合の良い時しか祈りませんが、祈るしかない気持ちになることも。牧師の言葉はむずかしくて私には良くわからないけれど、祈ることで自分の行動を正そう(つまりいい加減なことはやめよう)とは思う。それが大切なのかも知れませんね。
●マックスの背中を押したヘレン。まさかこのままアリスと・・?それは違う気がする
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