「ガンパウダー」は史実ドラマです。
「火薬陰謀事件(ガンパウダー・プロット)」について知りたい時は、こちらを参考にしてください
主な登場人物
キャスト名 | 説明 | |
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ロバート・ケイツビー | 火薬陰謀事件① 首謀者 | 通称ロビン 敬虔なカトリック教徒 剣の達人で誇り高き男 (キット・ハリントン) |
アン・ヴォー | ロビンの従姉 敬虔なカトリック教徒 (リヴ・タイラー) |
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■ドロシー・ディブデイル | ロビン、アンの叔母 敬虔なカトリック教徒 |
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ヘンリー・ガーネット神父 | 暴動を起こすことに反対 | |
ジョン・ジェラード神父 | ||
■ダニエル・スミス神父 | ||
ジェームズⅠ世 | イングランド新国王 | |
ロバート・セシル卿 | 国務大臣 カトリック弾圧に燃える |
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ウィリアム・ウェイド公 | セシル卿の家臣 | |
フィリップ・ハーバード公 | ジェームズⅠ世より寵愛を受けている | |
ノーサンバランド卿 | ||
■ターナー大尉 | ロンドン塔の囚人 | |
トマス・ウィンター | 火薬陰謀事件② NO.2 | 弁護士 ロビンとは親戚 |
ロバートJR. | ロバート・ケイツビーの息子 妻が出産後死亡したため、 息子との関係に確執あり |
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ジョン・ライト | 火薬陰謀事件③ | ロビン・ケイツビーの親友 クリストファー・ライトの兄 トマス・パーシーの義兄 |
ガイ・フォークス(ギド) | 火薬陰謀事件⑤ | ウィリアム・スタンリーの部下 いろんな名前を使っていた |
ウィリアム・スタンリー | 軍人司令官 ブリュッセルにいる 敬虔なカトリック教徒 |
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ドン・ファン・フェルナンデス・ デ・ヴェラスコ | スペイン カスティーリャ軍総帥 |
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トマス・パーシー | 火薬陰謀事件④ | |
ロバート・キーズ | 火薬陰謀事件⑥ | アンブローズ・ルークウッドと親戚 |
トマス・ベイツ | 火薬陰謀事件⑦ | ロビンの家臣(召使) 血縁関係なし |
ロバート・ウィンター | 火薬陰謀事件⑧ | トマス・ウィンターの兄 |
ジョン・グラント | 火薬陰謀事件⑨ | ウィンター兄弟の義弟 |
クリストファー・ライト(キット) | 火薬陰謀事件⑩ | ジョン・ライトの弟 |
アンブローズ・ルークウッド | 火薬陰謀事件⑪ | ロバート・キーズと親戚 |
フランシス・トリーシャム | 火薬陰謀事件⑫ | ロビンの従兄弟 |
サー・エヴァラード・ディグビー | 火薬陰謀事件⑬ | ロビンらと血縁関係なし |
#1 あらすじ
1603年、エリザベス1世が逝去し、イングランド国王にジェームズ1世が即位。カレはカトリック教の弾圧を強化していく。
敬虔なカトリック教徒であるレディ・ドロシーは、姪のアン・ヴォークスとアンの従弟ロバート・ケイツビーと共に神父を屋敷に匿っていたことがわかり、神父とドロシーは逮捕され、公開処刑される。
カトリック教徒である貴族のケイツビーは、次々と殺されていく仲間を前に、国王に対する憎しみと復讐を募らせていく…。
まとめ
背景
1603年、イングランド。
エリザベスⅠ世が逝去し、ジェームズⅠ世がイングランド国王に即位した。
プロテスタント(新教)の国であるイングランドは、旧教(カトリック)の国スペインと長く続く戦争状態だった。
カトリック教徒は迫害され、ミサを禁じられ、新王の暗殺が何度か企てられたが、どれも実現していない。
レディ・ドロシー・ディブデイル邸宅 (ウォリックシャー州バッダースリー・クリントン)
カトリック教徒のアン・ヴォークス、アンの従弟ロバート・ケイツビーらは叔母のドロシーの邸宅に、ヘンリー・ガーネット神父、ジョン・ジェラード神父そしてダニエル・スミス神父を匿っていた。
ガーネット神父は、フランドルの神学校で学ぶダニエル神父に自分の署名入りの通行証を渡し、しっかり学べと励ます。
その時、「屋敷が男たちに囲まれています」と女中が伝えに来た。
レディ・ドロシーは皆に、「手筈どおりに!」と指示する。
それは匿っている痕跡、カトリックの用品を隠し、3人の神父を壁や棚に隠すことだった。
やって来たのは執行官ウィリアム・ウエイド公。
カレは部下を連れ、レディ・ドロシー宅の監察に来たのだ。
ロビンは、準備が整うまで時間稼ぎをしてからドアを開けた。
ウエイドはレディ・ドロシーに、「イエズス会の司祭を匿っているな?出せ」と迫る。
毅然とした態度でドロシーは、「捜したいと言うならお好きにどうぞ」と言う。
ウエイドの指示で部下らが屋敷中を捜索したが、何も見つからなかった。
「立ち去れ」とロビン。
しかし納得できないウエイドは、部屋の造りが何か奇妙であることに気づき、部屋の内寸、外寸を測定しろと部下に指示。
寸法が合っていないとの報告にウエイドは部屋中の壁を叩きはじめた-。
ダニエル神父は、それを隙間から見ていたが、ガーネット神父とジェラード神父が隠れている壁にウエイドが近づいたのを見て、ワザと音を立て自分が見つかるように仕向けた。
引きずり出されたダニエル神父。
ウエイドはダニエルが持っていた手紙を見つけ、「これはなんだ?ガーネット神父のサインがある」と迫り、ダニエルを連行した。
「ここであったことは主の私に責任が。ふたりは無関係」とアンとロビンを庇ったドロシーをもウエイドは連行する。
ロバート・セシル卿 ロンドン、国務大臣室
ウエイドから、ダニエル・スミス神父とレディ・ドロシーの逮捕報告を受けるセシル卿。
セシルは、スミス神父をフランドルに送ろうとしたのは、スタンリーと接触させるため。スタンリーとガーネットが国の中と外から謀反を企てている。フランドルにいるカトリックの過激派を使ってスタンリーが攻めてくるだろう。拷問して自白を引き出せたら、連中の企てを国王に進言できると言う。
実はジェームズⅠ世は、スペインとの講和条約締結を考えており、過激なカトリックの迫害は、締結の妨げになると考え、弱腰になっていたのだった。
セシル卿は国王に、「捕らえたスミス司祭は通行証を所持。通行証に署名したのは反逆者のヘンリー・ガーネット。イングランドのおけるイエズス会の長を自称する人物」と報告書を書いた。
反逆罪で処刑されたスミス神父とレディ・ドロシー
レディ・ドロシー
罪状認否を拒んだため公開拷問されることになったドロシー。
アンは「罪状認否に応じれば助かる。お願い応じて」と言うがドロシーは覚悟を決めていた。
ドロシーは、見物人らから「反逆者」と罵声を浴びせられながら壇上にあがる。
ウエイドはドロシーに向かい、「罪状認否をしないと主張しているが、イエズス会の司祭を保護し、支援した罪に問われている」と言う。
しかしドロシーは毅然とした態度で「抗弁しません」と。
「お前は反逆罪で死ぬんだぞ」とウエイドは言うが、「いいえ、私はイエスの愛のために死ぬのです」と言い切るドロシー。
見物人から「非国民!」と罵声があがる中、真っ裸にされたドロシーは、石の上に寝かされ、その上に鉄板を置かれた。
鉄板の上に重しを追加しながら、「罪を認めろ」とウエイドは言うがドロシーは最後まで認めず、圧死する。
ダニエル・スミス神父
ダニエル神父は異端者として死刑を宣告され、壇上で首に縄を回される。
ウエイドは、「ガーネットはどこだ?」と問いただすが、ダニエルは消して口を割らなかった。
ダニエルは最も残酷は処刑方法、絞首、腹割き、4つ割きで処刑された。
葬る
真夜中、処刑場に来たロビンは、さらし首になっているふたりの亡骸の一部分を持ち帰り、ドロシー宅の庭に埋葬し、葬儀を行った。
ロビンはガーネット神父に「敵を討たねば!」と言い、ジェラード神父も、「明日は我が身。剣を抜かずに身を守れますか?」と言うが、ガーネット神父は、「今は復讐に燃える時ではない。剣などいらぬ。殺しは許されない」とふたりを諫める。
セシル卿の画策 ⑴
ジェームズⅠ世の説得に失敗
セシル卿はジェームズⅠ世に、「報告書を読んでいただけましたか?陰謀を企むものがスペインの支援を待って蜂起する恐れがある。陛下とご家族が危険です。カトリック教徒を制圧すべきです」と進言するが、ジェームズ国王は、セシル卿の「すべき」と言う言葉に不快感を見せる。
ノーサンバーランド卿も、「今の法律で十分コントロールできている」と言うが、セシル卿は、「より厳しい法律が必要です。反乱を防ぐ策となる」と尚も食い下がる。
ノーサンバーランド卿は、早急にスペインとの講和条約を締結したいと望んでおり、カトリック迫害がスペインとの交渉に悪影響になることを危惧する。それを聞いたジェームス国王は、「私が知る限りカトリック教徒は、そっとしておけば無害だ。司祭の処罰は続けるが、一般信徒は極力刺激するな!まずはスペインとの和平だ」と言う。
セシルの次の手
国王を説き伏せられなかったセシル卿は次なる手を打つ。
セシル卿はロンドン塔の囚人ウィリアム・ターナー大尉を呼び寄せる。
ターナー大尉は、女絡みの揉め事で殺人を犯し、死刑判決を受けている囚人だった。
セシル卿はカレの父弟がカトリック教徒であることに目を付けたのだった。
「仕事をしてくれ。王と国と私のために」
セシル卿はターナー大尉に、フランドルでウィリアム・スタンリーを捜し出せと言う。
セシル卿曰く、スタンリーは軍人で、国王打倒を目論む連中を率いている男。陰謀計画の詳細を探り報告するよう命令する。
そしてこれを見せれば信用されると、「ガーネット司祭署名の通行証」を持たせた。
フランドル地方 ブリュッセル
亡命カトリック教徒の隠れ家まで来たターナー大尉は、通行証を見せて、ウィリアム・スタンリーとの面会を求める。
しかし、窓口の男は「ガーネットは知らん。署名にも見覚えがない。何のことかわからん」と言い、ターナーを追い返した。
ノーサンプトンシャー アッシュビィ・セント・レジャーズ ロビン母宅
国王に任命されている治安判事ジョゼフは、ロバート・ケイツビー(ロビン)、トマス・ウィンターをはじめ6名に、日曜礼拝不参加の罰金刑を下される。
加えてロビンとトマスは滞納分も加算されることに。
「これらは根拠のない罰金だ!」ロビンはジョゼフ判事に楯突く。
「王に民を支配する力はありません。その力を持つのは神のみ。俺の魂は神に捧げる。俺は決してひざまずかない!」と猛抗議する。
ジョゼフ判事は、ロビンとトマスに禁固を言い渡した。
アン・ヴォークスはロビンとトマスのために金を工面し、ジョゼフ判事にかけ合い、ふたりを釈放した。
釈放されたロビンは、「これ以上は耐えがたい。土地を抵当に取られ、名誉を汚され侮辱までされた。二度と囚人にはならん!」と言う。
セシル卿の画策 ⑵
ターナーから暗号の報告を受けたセシル卿。
スタンリーに会うことが出来なかったと知り、「私の計画が台無しだ」と言う。
次にセシル卿はジェームズ国王からの寵愛を受けているフィリップ公と接触。
王を守るために協力して欲しいと言い、「信頼できるスパイから暗号文が送られてきた。カトリックの反逆者が陰謀を企ており、王から寵愛を受けている者も狙われている。国王に忠告できるのはあなただけ。説得してください」と言う。
ウェストミンスター、ロンドン
アンとロビンは、ガーネット神父に会うため、闇に紛れて移動する。
ロビンはガーネット神父に、「屈辱を味わった。侮辱され財産も失った。俺にあるのはアンの支えだけだ」と訴える。
「息子がいるだろう」と神父は言うが、「あの子のせいで妻は亡くなった」とロビン。
ロビンは出産が原因で亡くなった妻のことを受け入れられていないのだった。
「子どもを責めるな。出産は命懸けの行為だ。キミは父親なんだ。息子を愛さねば」神父は言うが、「俺の心に愛はない。憎しみと怒りだけだ」とロビン。
神父は、「我々は今、苦境にある。だが同志がいる。皆、王に大義を訴えている」と言うが、「宮廷にセシルがいる限りはムリです。俺たちの嘆願が王に届くことはない。ならば暴動を起こすしかないのでは?これは私だけじゃない。皆、あなたほど忍耐強くない」とロビン。
「自暴自棄になってはイケナイ。暴動など論外だ」ガーネット神父はロビンを窘めるが、「と言っても、それしか道はない。わからないんですか?」とロビンは訴え続けた。
動いたジェームズⅠ世
フィリップからの忠告を、ジェームズは受け入れ、命を守る革製の服を身につけた。
閣僚会議が開かれ、閣僚らの意見も分かれていた。
そこへ現れたジェームズは、「決断した。新法を制定するために議会を招集する。旧教を弾圧する」と言う。
閣僚の中から、「これ以上の厳しい弾圧はスペインが反発する。講和条約が優先だ」との反対意見もあがるが、「ここはイングランドです。スペインが口だしする余地はない」との意見で決まってしまう。
動き出したロビン
ロビンはジャック・ライトを伴ってトマス・ウィンターと会う。
「国の根幹から正すんだ。それには荒療治が必要だ。あの議事堂でヤツらは悪事を働いてきたんだ。神の罰を下すなら、あの議事堂だろう」と言う。
(現ウェストミンスター寺院)
ターナー大尉の最期
ターナー大尉は町で、「スタンリーに会いたいなら覚悟を決めてついてこい」と声を掛けられる。
路地に連れて来られたターナーは、「大義に命を捧げたいんです」と言う。
すると男は、「お前に大義の何がわかる?」と迫る。
ターナーが証明するために、ガーネットからの通行証を見せると、男はそれを黙って読む。
その姿を見てターナーは思わず聞く、「あんたは誰だ?」と。
男はターナーの耳元に口を寄せ、「俺の名は、ガイ・フォークス」と言ったかと思うとターナーの腹の剣で突き立てた。
感想
1話目は、「火薬陰謀事件(ガンパウダー・プロット)」がナゼ起こることになったかの背景、人間関係が主軸の1時間7分でした。
見応えがありますよね~。
この陰鬱な空気こそ、(あー、英国もの)と思います。
個人的に、イギリスが理由なく好きなのでワクワクします。
ウェストミンスター寺院には行きました。
その時は、ウィリアム王子とキャサリン妃が結婚式をあげた教会と言うことで見学したんですけど、黒歴史的には、「火薬陰謀事件」の舞台でもあったんですね
歴史を知らないって、なんか損してるし、恥ずかしいことですよね
カトリックだ、プロテスタントだ、北欧神だ・・・
「ヴァイキング」でも宗教が主軸となって話しが進んだので、思いましたが、無宗教の私、多くの日本人にとっては、宗教による大事件が理解できないんですよね。
でも、こうして考えると、日本でも江戸時代にキリスト教弾圧があったワケで、隠れキリシタン、踏み絵など歴史で習いました。
キリスト教って弾圧の宗教なんですね?ナゼだろ?
ところでセシル卿が何度もウィリアム・スタンリーの名前を出し、「彼らが謀反を企てている。フランドルにいるカトリックの過激派を使って攻めてくる」と言い、あの手この手で国王まで動かし、カトリックの弾圧を強行しようとしますが、歴史的にその事実ってあったんでしょうか?
これがセシルの思い込みだとしたら、思い込みで政治が動く恐ろしさですよね
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