衝撃のタイトルどおりちょっと衝撃だけど、トミーの思考回路はもう理解できるよ![]()
#5 衝撃 Shock あらすじ
ポリーに撃たれたリンダをトミー達が応急処置する一方で、モーズリーはパーティーでゲストを前に演説をする。トミーは政府治安情報担当官ベン・ヤンガーにモーズリーとギャング組織ビリー・ボーイズのボス、ジミー・マッカバーンとの繋がりを示す証拠を手渡すが、思わぬ方向へ進むことに。
相関図
まとめ
撃たれたリンダ
トミーたちがポリーに左腕を撃たれたリンダの応急処置に追われる中、「オレが悪かった。オレが撃たれりゃ良かった、全部お前の言うとおりだ」とリンダにすがりつき動揺するだけのアーサー。だがリンダはそんなアーサーを前に、「絶対に許さない、目に目、歯に歯よ!」怒りを顕にする。

そこへモーズリーがやって来た。トミーは、「入るな、家族以外立入禁止だ、出て行ってくれ」と言い、アーサーは怒りに任せてモーズリーに銃口を向ける。
結局トミーはリンダの腕から弾を取り出したが、アーサーはボロボロ・・・トミーは、「仕事もある、子どももいるだろ?兄さんが必要なんだ、しっかりしろ」とアーサーを叱責すると、リンダにはアヘンを飲ませて眠らせる。

モーズリーの演説
身内の銃撃騒動ですったもんだのトミーを差し置き、今がチャンスと見たモーズリーは自らが立ち上げる”イギリスファシスト連合(BUF)”の存在意義を滔々と演説しはじめる。モーズリーはゲストが勲章をつけ、高級スーツを着た不満を持つメンバーであることを見逃さなかったのだ。

モーズリーは、ウォール街の株価暴落の犯人は、”ニューヨークのユダヤ系高利貸し”だと名指しで非難すると、さらにアジアからの安価な労働力と製品の流入がイギリスの産業を脅かしている。だがイギリス政府はそれに言及してこなかった。誇り高きイギリス国民を守ることができるのは、自らが率いる新党”イギリスファシスト連合(BUF)”だけだと宣言。ゲストから拍手喝采を受ける。
モーズリーは見事にトミーの邸宅でトミーから主導権を奪い取って見せたのだ。
だがその内容はユダヤ人やジプシーなどの人種差別と排除を煽る内容だったため、アベラマはツバを吐き、ポリーとリジーは、「なぜカレに協力するのかわからない」と批判するが、トミーは、「オレを信じてくれ」と言うだけ。

傲岸不遜なモーズリー
モーズリーは、「今日のような銃の発砲、家族の怒鳴り合いはやめろ。程度が低すぎる」と苦言を呈すると、今夜のゲストには自分のスピーチは効果があったと自画自賛し、シェルビー社のユダヤ人弁護士を辞めさせろと越権行為も甚だしい指示を出した上、「我々の友ジミー・マッカバーンがウィンカントンの競馬場を縄張りにしたがってたんで承諾したよ」と言い出す。トミーは、「それに対する見返りはなんだ?」と問うが、「何もない。選挙戦が始まったら北部担当はマッカバーンだ。集会やデモを監視する。中部はキミの管轄。南部はまだ決めてない。成功した暁には国王でさえ我々に従うことになる」と言うと、スワン役のバレリーナを呼べ(娼婦扱い)と命じる。モーズリーは絶対的な政治権力とカネがあればこの世のすべては思い通りになると言いたいのだ。

何をやっても先を越され、絶対的マウントを見せつけてくるモーズリーに正直、苛立ちと恐怖を感じているトミーは、「カレに協力するのは間違ってる。あの男は悪魔よ」とリジーに言われ、「オレはヤツを失脚させたい。イギリス政府にモーズリーの情報を渡している。好条件で国防契約が結べる見返りがある」と打ち明けてしまう。だが見返りなど言い訳だと気づいたリジーは、「カレを止めたいのね、これが正義だと思うからやってるね、顔に書いてる」と言うが、「顔に書いてるなんて脅すな」とリジーを抱き寄せるトミー。

完全な決別
意識を取り戻したリンダに、「ビリー(息子)と3人で今すぐ遠くへ行こう。二度と戻らない。オレは本気だ」と逃避行を持ちかけるアーサー。だがリンダは冷徹な眼差しで、「もっといい考えがある。あなたはナイフと戦いの世界に残る。あなたを撃たなくて良かった。死んだんじゃあなたを楽にするだけ」と言うとアーサーを拒絶し、ひとりトミー宅を去る。

衝撃
ベン・ヤンガー大佐
翌朝、トミーは議員室にベン・ヤンガー大佐を呼び出し、モーズリーとビリー・ボーイズのジミー・マッカヴァーンが密接に繋がっている決定的な証拠と新党”イギリスファシスト連合(BUF)”に加担してる議員リストを公安に渡すよう言うが、「公安がやってるのはモーズリーのような貴族や高官たちを社会主義者から防衛することだ。いまや新聞も彼の演説を好意的に報じ、上流階級から労働者階級に至るまで、あらゆる層がモーズリーを称賛している。私が彼に関する告発しても自分の評価を落してるだけ。このままではヨハネスブルグへ飛ばされてしまう。それにセクションDから脅迫を受けた」と国家の冷酷な現実と恐怖を吐露するヤンガー。

だがトミーは、「君も私も戦士だ。立ち向かうしかない」と発破をかけるトミー。
トミーの説得にヤンガーは証拠を持ってクルマへと乗り込むが、その直後、車に仕掛けられた爆弾が爆発、ヤンガーは爆死し、近くで遊んでいた子どもがひとり亡くなる大事故に。

エイダの元を訪れ、「ベンが爆発事故で亡くなった」という非情な告知をするトミーにエイダは、「兄さんに関わると、私たちシェルビー家に関わるとみんなこうなる。彼は私が妊娠していることを知らない。話してない。彼のことを愛していたわけじゃないけれど、好きだった。でも結婚する気はなかった。だから、妊娠したことは間違いだったと思ってる」と涙するエイダ。「表向きはイギリス陸軍将校ベン・ヤンガーはIRA(アイルランド共和軍)によって暗殺されたとして国葬される」と告げるトミーに、「真実は何?」とエイダ。トミーは、「善意が招いた結果だ。ファシストの情報を公安に報告しろと俺が彼に命じた。それが正義だと信じていたからだ。だがそのせいで彼はセクションD、公安または国家の情報機関に暗殺された。無関係な10歳の子供まで巻き込まれた。俺が固執さえしなければ、今も生きていたんだ。こんな展開はおかしい……何かが狂っている」と。
何一つ思い通りにいかないどころかどんどん追い詰められていくトミー。クルマのエンジンをかけることさえ恐怖で躊躇することに耐えきれずアヘンに頼るトミー。

アヘンビジネス
ギャング”タイタニック”
チャンとの契約どおりアーサー、アベラマ、イザイア、チャーリー叔父、カールは、ロンドン、ライムハウス(中華街)の倉庫へアヘンの引き取りに行くが、出迎えるはずのチャンがおらず、倉庫は静まり返っていたー・・・その時、突然銃撃されるアーサーたち。奇襲を仕掛けてきたのは警察官の扮したアイルランド系ギャング”タイタニック”だった。アーサーたちは撃たれ倒れているチャンを助けると、”タイタニック”と銃撃戦に。リンダとの別れに酒を煽り、自暴自棄のアーサーは命も顧みず、ルイス軽機関銃をぶっ放してタイタニックの一味を壊滅させる。その狂気じみた姿を冷静に見つめるアベラマ。

アーサーたちは無事にアヘンを船に積み、バーミンガムへと持ち帰るのだった。
ジミー・マッカバーンとの取引
バーミンガムの運河でアーサーたちの帰りを待つトミー。
アヘン受取のためにやって来て、「北部は渡す気になったようだな」と言うジミー・マッカバーンに、「南部を安定させないといけない。仲間がタイタニックに襲われた。適任なのはアルフィー・ソロモンズだ」とトミー。だがマッカバーン、「ヤツは死んだしユダヤ人だった。モーズリーはイタリア人に任せるだろう」と言う。トミーはモーズリーのサイン入り小切手をマッカバーンから受取ると、約束のアヘンを引き渡した。

「バーニーに会ってきたのか?」と言うアーサーの質問に、「壇上でオレの隣に立つモーズリーを撃ち殺すのがバーニーだ。そしてオレが党の指導者になる」とトミー。

戦争によるPTSDで精神病院に収監中の元戦友で狙撃兵バーニー・トマソンと面会するトミー。
バーニーは拘束衣を着せられ、檻に収容されていた。
「オレとアーサーは元気だ。でもジョンとダニー、フレディは死んだ」と報告するトミーに、バーニーは、「死ねるヤツは運がいい。今、曹長(トミー)は政治家だって?オレは屍からネズミが出てくるのが見える。薬のせいなんだ」と自分の症状を憂う。

トミーは歯の中に隠していた”アヘンと青酸カリ”のカプセルを出すと、「これで心臓発作を引き起こし死ねる。お前にやる」と言うが、「要らん・・・死にたくない」とバーニー。トミーはその返事を想定していたかのように、「戦後10年だ。嵐は去った。ここから出してやる。仕事をやる。自由にしてやる。水曜の真夜中、大爆発がある。その時だ」と言い残し去る

感想
運河に佇むトミーがマジでカッコいい。毎回思うけど、人を待つトミーがイケている。

冒頭のモーズリーの演説、「仮想の敵を作り、国民の不安と不満を煽る手法」こそがファシズムの演説なんだって。だとしたらバレエ鑑賞後のモーズリーの熱弁は、まさしくファシスト。
ジプシーを妻を蔑まれ、ベン・ヤンガーも殺され、もうトミーは政治的意図を超え、モーズリーへの殺意に燃える男に変身だよね、これ。
精神病院に入院中の元狙撃兵バーニーに接触したのもその腕を買ってのことらしい。
リンダはやっとアーサーとの関係を断ち切れたと言うことかな。女はね、ダメなよ、1度でも嫌いになったら、修正されることなんてほぼ皆無。今回ばかりはさすがのアーサーも理解したかな。バーミンガムから一緒に逃げようと今更言うアーサーにリンダが放った言葉(殺さなくて良かった。それじゃ親切過ぎる)って相当の恨みつらみがある証拠ですからね。リンダを決して好きではなかったけど、真っ当に生きる権利はあるわけで。どうか幸せになってと思う。
トミーって結局のところアルフィー・ソロモンズが好きだったのね。マッカバーンから、「モーズリーのロンドンでのサポート役に適任なのは誰だ?」と言われ、「アルフィー・ソロモンズだ」って即答。あれだけ何度も何度も裏切られたのに、それでもソロモンズの名前を出すところが、ねー?いいよね?


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