ニュー・アムステルダム 医師たちのカルテ #5 記事の向こう側

ニュー・アムステルダム
ニュー・アムステルダム

 

質の高いドラマだなと、見終わるたびに思います。
医療ドラマとしても、アメリカ社会を風刺するドラマとしても、逸品でしょう。
1時間弱に、これだけ詰め込んでいるのに統一される。
すばらしいです。

 

感想はコチラ

 

#5 記事の向こう側 Cavitation あらすじ

病院の取材に新聞記者のルイスがやってくる。
そこへ警察官の銃撃を受けたふたりの少年が運び込まれる。
心臓外科の数が足らず、ブルームは命を助けるために規則違反を犯す。

カプール、フロム、シャープ・・・それぞれのプライベートが明らかに

 

まとめ & 感想

マックスの状態

声に掠れが出て来たマックス。
シャープは喉頭鏡検査を受けるように言うが、マックスはガンを”ヌテラ”と呼び、「ガンが広がったのかな?」と言うが、中々検査を受ける時間がない。

 

カプールと息子ロハン

カプールの息子ロハンが病院にやってくる。
カプールは開口一番、「金がいるのか?」と聞くが、ロハンはソーホーの人気レストランを任され、働いていると言う。

どうして隠してた?とカプールは聞くが、ロハンはメッセージを聞き、迷ったが来たのだと言う。
カプールは、「ロハン、お前を許すよ。葬儀のこと、ウソのこと、何もかもな」と言う。
するとロハンは、「親父が俺を許す?カウンセラーに言われたよ、期待するなって。もういい。親父は常に自分が正しいだな。母さんが死んで、少しは変わるかと思ったけど甘かったよ。さよなら、親父」と立ち去った。

 

新聞記者ルイス・ナヴァロ

ヘルスケア委員会(HCC)の依頼で、病院取材に来たルイス。
ルイスは、医療コーディネーターとして病院に来たマックスについて取材したいと言うが、「知って欲しいのは、この病院のことだ」とマックス。
その時、秘書のドラが「警察署長から緊急事態と電話が・・」と呼びに来る。

 

警官に銃撃された少年ふたりがERに搬送されてくる

マリク・ストークス 14才

ブルーノの規則違反

胸を撃たれたマリクは、心タンポナーデを起こしており、すぐにでも処置が必要だった。
しかし心臓外科医は誰も処置できる状況にないと言う。
ブルームはマリクを助けるために ”規則違反” と知りながら処置するが、大量出血を起こしてしまう。

マリクをオペ室へ運びながら、「キミはいつから心臓外科医になったんだ?規則を守るべきだ」とレイノルズは怒るが、ブルームも「あなたの科は人が足りてない。私はどうすれば良かったの?見殺しにしろって言うの?」と言い返す。
「針を深く刺しすぎたんだ。助けられるといいが」

レイノルズの規則違反

マリクの出血点が分からず危険な状態が続く。
レイノルズは出血は腹部からだと気づく。
本来、一般外科を呼ばなければならなかったが、出血量が多く間に合わないと判断したレイノルズは自分が執刀、マリクの命を助けた。

 

PTSD

マリクの叔母ロンダは、銃撃事件についてNYPDから聴取されるが、パニック状態のロンダ。
フロムは「聴取は控えて」と助け船を出す。

フロムはマリクの家庭環境について聞くが、ロンダは「愛して育ててるわ。亡き両親に変わって全力であの子を守ってきた。なのにこんなことになるなんて!登校してるだけの黒人の子を警察が撃たないようにしてよ!銃を一掃してよ!」と感情を顕わにする。

ロンダは眠れず、音に怯える毎日だと言う。
フロムは「それはPTSDです。ボクがあなたを助ける」と言う。
ずっと苦しかった思いを理解してもらえたロンダは涙を流す。

 

ジェイレン・パガン 17才

正しい判断

マリクと共に撃たれたジェイレン。
頸部に弾痕があり搬送されてくるが、両脚を動かすこともでき、状態は安定していた。
ハートマン医師は病棟で様子を見ると言うが、カプールはジェイレンの右足の麻痺に気づく。
カプールは、「すぐにオペすべきだ」と声を荒げて主張、ハートマンは従う。

 

手術室で

オペ中、血が固まらないジェイレン。
血液専門医のシャープが呼ばれる。
この状況にハートマンは「カプールがオペをせかすからだ」と文句を言い、カプールは「オペを待ってたら半身不随になってた」と言う。
シャープはそれを制する。

シャープは凝固因子に問題があることに気づき、処置して血液凝固を戻した。
オペは無事に終わる。

 

兄ハビエル

ERで揉め事が起こる。
弟が撃たれたと聞き、ERにやってきたハビエルだったが、ジェイレンがいないことで興奮状態になっていた。
警備員は、ハビエルが写真を撮っていたと主張し、「規則ですからケータイを確認する」と言う。
ケータイを渡したくないハビエルは警備員に「ナメんなよ」と言って暴れ、マックスは顔を殴られてしまう。

マックスとハビエル

拘束されたハビエルは、マックスを殴ったことを謝罪する。
マックスはジェイレンのオペは無事終わったと言い、病室へ案内しようとするが、ジェイレンは急変、心停止を起こしてしまう。
医師たちは必死で蘇生するが、ジェイレンは亡くなる。

マックスは弟の死の哀しみを受け止めきれないハビエルに寄り添う。

 

マックスとルイス

警察署長の電話に出ようとしないマックスにルイスは、「今回子どもを撃ったのは警官だ。今年だけで700人以上が警官に撃ち殺されている!」と言うが、マックスは「そうだとしても病院では関係ない。ボクたちは運ばれた患者を救うだけです」と言う。

ルイスは、ブルームが規則違反を犯した件を知り、マックスが心臓外科医を追放したせいで人手不足だ。だからブルーム医師は規則を違反し患者を殺したかも知れない。それについてコメントしてくれと言う。
マックスは、「ボクらの仕事は治すことだ。規則がその邪魔になるならそっちを変える」と言う。

そこへドラが市長から電話で、患者の容態と銃の種類を聞きたいと言ってると言う。
もちろんマックスは、市長の電話も無視する。

ルイスは、「市長が記者会見し、今回使われた銃弾の話をするらしい。あなたも行って、自分の意見を言うべきだ」と言う。
マックスは、「ホローポイントは危険な弾だ。市長は警察の弾を変えさせたい。だがボクは立場上、警察の味方も市長の味方もできない。なぜなら、どちらかの味方をすれば、警官の巡回を減らされたり、補助金が別の病院に回されたりするんだ。キミの記事で何とかできないか?」と言うが、「期待には添えない」とルイスは答える。

1日マックスに密着したルイスは、何について記事を書いて欲しいのかとマックスに聞く。
「ここに丸1日いて、それが分からないなら、僕の人選ミスだ」とマックス。
ルイスを取材させたのはHCCではなく、マックス自身だったのだ。
「どうして?」と聞くルイスにマックスは、「真実を見なきゃ真実は書けないからだ」と言う

 

それぞれの夜

最悪の1日を乗り越えた医師たち。
レイノルズはシャープに、「褐色の肌だと危険。アメリカ社会ではこれが常識だ。そうやってボクらは生きていくしかない」と言う。

フロムとマーティンはバングラデシュから3人の養子を迎えていた。
子どもたちはPTSDで苦しんでいたが、今は落ち着いていると言う。
フロムは「今日のデートは延期して、家族で過ごしたい」とマーティンに電話する。

ブルームは、「規則を破ってマリクの処置をしたことは間違いじゃなかった。あなたは一流の医師だろうけど、私も同じだ」とレイノルズに言う。
レイノルズはそれを認め、仕事上のわだかまりをキミと残したくないと言うが、「心臓外科が脾臓のオペをするのも規則違反だからね!」と言ってやるのだった。

カプールは息子の働くレストランまで行く。
ガラス越しに働く息子を見て、胸が一杯になる。

 

ルイスの新聞記事

翌朝、マックスに集められた医師は、最悪の昨日について、ルイスが批判記事を書いているのだろうと諦めていた。

マックスは医師らに記事を読む。
「不条理な死」のタイトルで書かれたルイスの記事は、「1発の銃弾が病院を撃ち抜いた・・・」で始まるが、最後は、「努力虚しくジェイレンは救えなかったが、医師たちが責務は果たした。ただ今回は銃弾が勝っただけ」で終わっていた。

マックスは、「それが真実だ。誰のミスでもない。皆は最善を尽くした。キミたちなら引く手あまただ。もっと楽に稼げるだろう。だけど、キミたちはここにいる。そのことに感謝する。今日はまた新しい1日だ。よろしく」とスピーチした。

 

シャープの苦悩

シャープは婦人科の検査を受ける。
検査の結果、卵巣機能などが低下してることがわかり、医師から実子を望むならすぐにでも行動する必要があると現実を突きつけられる。

元気のないシャープにマックスは、「キミはボクの最大で最悪の秘密を知ってるんだ。何があった?」と心配するが、話せるハズもなかった。

シャープはマックスの喉頭鏡検査の結果を知らせた。
ガンの広がりはないことを知り、安堵するマックスは、「ヌテラと言って誤魔化さず、ガンと向き合う」と言う。

「子どもが欲しいの。でも35才を過ぎたシングル。本気で子どもを産みたいなら不妊治療が必要。ナゼ、褐色の子どもをこの世に送り出したいのか分からない。止める理由はいくらでもある。でも死に勝てるのは”命”だけ」シャープも本音を話す。
マックスは、「希望がある」と言うのだった。

 

有色人種の問題は、アメリカにずっと蔓延る問題ですね。
オーストラリアでも、イギリスでも、そりゃ人種差別はあるけれど、ここまで酷い人種差別があるのは、アメリカだけじゃないかな?
この問題に彼らはちゃんと向き合うべきですね。

マックスのように現場の医師の苦悩や大変さを理解し、励ましてくれる医療コーディネーターがいれば、働きがいがあるし、確実に病院は良くなると思う。
マックスのような人が病院にいて欲しいなと思う。
今や、規則規則、とほんとうにうるさい。
それに従いきれないのが医療の世界だから。
だからこそ、マックスは喉頭ガンを治して欲しいと思う。
医療には必要な人間だから。

しかしカプールの親子関係はかなりこじれてるみたいですね
で、フロムはゲイで、バングラデシュの養子が3人いるんですね。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました